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懸ける

作者: 真弥

たった今『今』というものが過ぎ去った。


また『今』という一瞬が訪れるが、さっき去った『今』と同じ時はもう永遠に訪れない。


時は少しずつ私達の未来を刻み、過去を私達の手の届かないどこか遠くへ運んでいく。


私達がどんなに頑張ろうともその運命を覆すことは出来ない。


そんな中、私達は時の流れに身を任せ生きている。


私達はその一度きりしかない『今』をどう生きるべきなのか考える必要がある。


その一瞬に懸けるのだ。



もし今、急に東海大地震が起きたら、ここで私達の運命は大きく狂うであろう。


しかし、実際、地震は起きていないので、私達はいつもと変わらず生活をしている。


変な話だが、このような、もしある事柄が起こっていたら私達がいる世界の平行線上に


他の世界が存在しているという考えをパラレルワールドと名付け研究する学者がいる。


今という一瞬は、私達の世界を一変することができるほど大きな力を持つ、


いわば分岐点のようなものだ。


しかし線路上にあるそれとは明らかに異なる。


『今』が数えられないほど存在するように、人生の分岐点はいたるところに転がっているのだ。



人生は一度きりだ。今死んで明日生き返ることなど出来ない。


でも、その一度きりの人生の中で、人は自分の道を選ぶことが出来る。


自分にとって有利となる『今』という名の分岐点を選抜できるのだ。



しかし良い分岐点を選ばずに、他人を傷つけたり、他人の人生を終幕させたりした者は


『今』を選ぶ権利を剥奪され、自分の人生もそこで終了させてしまうのだ。


よく人を殺害させてしまった犯罪者の言葉に『腹が立ってつい』とか


『気が付いたら殺していた』と言っている者がいる。


それらの者達が言うように、その一瞬が人生を変化してしまったという


代表的な例であろう。


これ以外にも『今』が人の人生を狂わせてしまうことが多く存在する。


『今』は私達と背中合わせで進んでいる。私達は『今』という分岐点を選ぶ権利を持つと共に


『今』から逃げられずに生きているのだ。



ここまででも多くの『今』が過ぎ去っていった。多くの分岐点を選抜してきた。


無意識のうちに通りこしたものもあれば、意識的に選んだものもあるだろう。


どちらにせよ古い『今』は無くなり、新しい『今』が生まれでいる。


これからもずっとこれは続いていく。



私達高校三年生は今、進路という分岐点の前に立っている。大学受験もあれば就職もある。


人それぞれ選ぶのは自由だが、その分岐点は『今』の組み合わせによって成り立っていることを


頭に入れておく必要がある。


一つでも『今』を取り返しの出来ないものにしてしまったのなら


その進路は崩れ去ってしまう恐れがあるのだ。



私は今、音楽をやっているが、音楽は正直で、その時のプレーヤーの心境によって大きく変化してしまう。


プレーヤーが元気なら元気の良い音。悲しかったら悲しい音。音楽もその一瞬で全てが変わる


『今』に全てが懸かっている生き物なのだ。



私達は『今』に懸けて生きていく生き物だ。


一度きりしかない人生をどう生きるかを真剣に考えるとなるとどうしても『今』という分岐点は切っても

切れないものとして考えの中に入れることとなるのであろう。


人生をどう生きるか=『今』をどう生きるかであり、『今』を未来につなげられる重要なものとして考えれば自分にとって有利な世界が広がってくるのだ。


無制限に生まれる『今』をその時に応じて使い分けることもまた生きていくための重要な技術となっていくのだ。



たった今『今』というものが過ぎ去った。


また『今』という一瞬が訪れるが、さっき去った『今』と同じ時はもう永遠に訪れない。


私はそれを胸に、これからも『今』と共に生き、そして『今』を利用し、


自分の明るい未来を築き上げていきたい。


そう、『今』というその一瞬に懸けるのだ。

実は夏休みの課題で書いたのですが、課題をやるのを忘れていて、先生に『家に忘れてきたので明日持ってきます』といって、その晩1時間ほどで書いた作品です。

…まさか、全校生徒の前で読む事になるとは思いませんが…

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― 新着の感想 ―
[一言] 真弥先生、 こんばんは。 「今」、 それは一瞬なのに、 とてつもない変化を生んで、 取り返しがつかなくなったり、 一生忘れられない素敵な思い出を残してくれたり、 早く忘れてしまいたい辛い思…
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