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クレアトゥールの子どもたち  作者: 光太朗
クレアトゥール
14/16

クレアトゥール 1

 世界が回っているのか、自分が回っているのか、わからなかった。

 目に映ったのは、空。サンドリユの空なのだろうか。太陽と、砂と、緑──もしかしたら、記憶、あるいは願いなのかもしれない。だとしたら、誰のものなのだろう。それはひどく美しかった。

 やがて、景色が止まった。同時に、全身が締めつけられるような衝撃に襲われる。しかしそれは一瞬のことで、すぐに痛みを感じなくなる。

 美しい世界が見えていたはずなのに、目を閉じていることに気づいた。フェーヴは細く目を開けた。やっと、どうやら自分が地面に倒れているらしいことを知る。

「ここが……」

 隣では、ショコラが呆然と世界に見入っていた。

 そこは、サンドリユと同じく、砂漠の上だった。

 ただし、サンドリユから見た景色とはほど遠い。ずっと向こうまで続いているはずの砂の地は、見える範囲ですぐに途切れていた。地面には黒い石のようなものが敷き詰められ、その上に背の高い建物が整然と並んでいる。

 そんなものは、境界を越える前は、少しも見えなかった。

 視覚すら確かなものではなかったのだと、フェーヴはめまいを覚える。いま見えているものが真実だと思うことも、危険なのかもしれない。

 はっとして、フェーヴは振り返った。

「これが、境界か」

 息をのみ、本当の意味でのそれを、見た。

 そこには、空高く、太陽まで届きそうな透明の壁がそびえていた。壁、というのとは違うのかもしれない。どこかぼんやりと、頼りなげに揺らいでいる。向こう側に砂漠が続いているのは見えるが、いるはずの四足獣の姿までは確認できない。

 見渡す限り、ずっと先まで、壁は続いていた。おそらく、境界のロープの上すべてに、こうして壁があるのだろう。世界を仕切るように──彼らのいた世界そのものを、取り囲むように。

「それにしても、静かです。だれもいませんし、気配だってありません。いきなり捕まるとか、戦闘になるとか、ちょっと覚悟してたんですが」

 立ち上がったショコラが、注意深くあたりを見回して、そうつぶやいた。

 彼女のいうとおりだった。ひとの気配というものがまったくない。フェーヴも身体を起こすと、砂を払う。

「無事に来られたのはいいとして……これからどうするか、だな」

「策なしですか?」

「あるのか?」

 逆に問うと、ショコラは黙った。策などないらしい。

 とりあえずは、境界を越えることがすべてだったのだ。

「だれでもいい、プテリュクスを見つけて、話を聞くしかないだろうな。建物に入ってみるか」

「そんな適当な。実はプテリュクスに監視されているとか、そういうことはありませんか。もっと慎重に、安全を確認して……」

 呆れたような声を出し、ショコラがあたりを見回す。それから空を見上げ、言葉を止めた。いぶかしげに、眉がひそめられる。

「……なにか、変です」

「あ?」

 空になにがあるというのだろう。フェーヴは彼女に倣い、頭上を見る。

 おかしなところなど、ない。

 そびえる透明な壁があまりにも強大だとか、黒い建物が恐ろしいほどの高さを誇っているとか、気づくことはその程度だった。境界を越える前、サンドリユの空が朝だったように、この地でもそれは変わらない。

 しかし、視界を通り過ぎた空に、おかしなものを見た気がした。

 フェーヴは眉根を寄せた。注意深く、空を観察する。

「空……じゃ、ない?」

 ずっと高く──黒い建物すら届かないほどの位置に、透明な幕のようなものがあった。確証はない。じっと見つめていると、それはときおり虹色に揺らいだ。そのさまは、空と大地との間に、たしかになにかがあることを示していた。

「境界のようなものでしょうか。外ではなくて……ひょっとして、室内とか。いえ、でも、そんなはずは」

 ひとりごとのように、ショコラがつぶやく。

 そんなはずはない、というのは、フェーヴも同意見だった。見る限り、幕の切れ目はない。空すべてを覆っているかのように、先まで続いている。

 それが人為的なものなのだとすれば、途方もない話だ。しかし、実際に境界というものが存在することを考えれば、安易に否定することもできなかった。

 不意に、空が光った。

 小さな光だ。光ったのは空ではなく、幕だったのかもしれない。ひとつかと思われたそれは、瞬時に数を増やした。二つ、三つ──数え切れないほどに、多く。

「──来る!」

 フェーヴはとっさにショコラの手を引いた。地を蹴って、黒い地面に滑り込む。直後、背後で閃光が炸裂した。大きくはないが、おびただしい数だ。

「な、なんですか?」

「見つかったんだろ。信じてたわけじゃねえけどなっ」

 建物の陰まで走ると、フェーヴは素早く体制を整える。効果があるかどうかはわからないが、いつでもナイフを出せるようにコートのなかに手を差し込んだ。

 しかし、すぐに追ってくるかと思われた光は、姿を現さなかった。息を殺し、じりじりと待つ。

「本当にだれもいませんね。これ、建物のなかも真っ暗みたいです」

 窓からなかをのぞいたのか、ショコラがごく小さな声でいう。いいながらも、腰の金具をはずして大剣をかまえていた。どちらから来るかわからない。フェーヴに背を向け、息を整えている。

 突然、気配が生まれた。

 フェーヴのすぐ頭上だった。現れたのは、拳ぐらいの大きさの球体だ。透明に輝いている。

 フェーヴはうしろへ跳躍し、鋭くナイフを投げつけた。しかし、まるで壁に阻まれるように、球体に届く直前で跳ね返る。ショコラも剣を水平に構え、なにごとかを叫ぶが、なにかが起こる様子はない。

「そんな……発動、しないなんて!」

 絶望の声を漏らし、それでも剣を構え直す。

 しかし、もう、意味を成さなかった。

 二人の周囲を取り囲むように、数え切れないほどの球体が、じっとこちらの様子をうかがっていた。

「ニンゲン、二人。データ、ナシ。解析開始」

 そのうちの一つから、声が発せられた。声、というよりは音のようだ。抑揚のない一定の音。

「しゃべった……!」

 ショコラが息を飲み込む。フェーヴは、目の前まで降りてきた球体をまじまじと見た。

 目や口があるようには見えない。少なくとも、フェーヴの知識にあるような生き物の形ではない。

 手を伸ばそうという気にはなれなかった。そもそも、触ることができるようなものかどうかもわからない。

 球体が青く光った。鈍い光だ。

「水素、酸素、炭素、窒素、構成成分確認。核アリ。訂正、エートル。ドウ、シマスカ」

「どうしますか……?」

 フェーヴはそのまま繰り返した。まさか聞かれるとは思っていなかったのだ。要求が通るものなら、いますぐこの状況をどうにかしたい。

 しかし、フェーヴが答えるまでもなかった。球体は再び青い光を発した。

「了解シマシタ。転送、シマス」

「──っ」

「な……っ」

 淡い光が生まれ、それらはあっというまに二人を包んだ。光に囚われ、なにも見えなくなる。

 奇妙な浮遊感に襲われた。ショコラがフェーヴにしがみつく。それは、スピラーリによって瞬時に帝都に移動したときの感覚に似ていた。違うのは、力そのものに締めつけられるような圧迫感。意識が遠のく。

 力に抗うことはできなかった。フェーヴは、きつく目を閉じた。



   *



 ──なんて幸せなんでしょう。


 それでも、見る夢は、変わらなかった。

 愛しい、たしかに愛しかったひととの、記憶。それはまるで現のように、たしかな熱量をもって蘇る。




挿絵(By みてみん)




 

 ──あなたといられるいまが、いちばん、幸せだわ。


 やめてくれ──フェーヴはうめいた。いまさら思い出させないでくれと、懇願する。しかし、それはむだなあがきだった。ほかでもない、フェーヴ自身の記憶なのだ。自らが、思い出しているのだ。

 消し去ることなど、不可能だった。

 乗り越えなければいけないとわかっていても、それはひどく大きな力で、フェーヴを押さえつけているかのようだった。

 たしかな、愛。

 しかし、フェーヴは知っている。

 愛だと思っていたのは、フェーヴだけだった。

 偽りだ。

 偽りだったのだ、すべて。

 

 ──女神に愛された子でありながら、エートルごときを愛するなんて。


 帝都で会った、彼女の姿が小さく笑う。

 怒りと、憎しみ。失望。あらゆる負の感情が渦を巻いていた。


 ──ばかげてる。


 そう続けた彼女は、どんな気持ちだったのだろう。

 それは、ある意味では、愛だったのだ。

 彼女のいうとおり、愛にほかならなかった。

 しかし、フェーヴのそれとは、あきらかに異なっていた。

 なんて歪んだ愛。



「そうかしら」

 涼しげな声に、目を開いた。

 そこは、質素な部屋だった。だだっ広い空間に、椅子と机がひとつずつ。窓もない。棚の類は一切なく、絨毯すら置かれていない。灯りがある様子もないのに、部屋全体はぼんやりとした光に包まれている。

 そのなかに、フェーヴは立っていた。気を失ったような気がしたのは、一瞬だったのだろうか。

「かわいい寝言ね。歪んだ愛? とても、一途な愛だわ。そう思うでしょう、フェーヴ」

 唯一の椅子にすわり、微笑んでいる女性がいた。

 フェーヴは驚かなかった。

 気づいていた。おそらくは彼女がいるのだろうと。こうして、また相対する日が来るのだと。

 帝都での最期、この身体はもう限界だと、彼女はそういった。彼女の死を見るのは、二度目だ。驚くことではなかった。

 フェーヴは奥歯をかみしめた。声が震えてしまわないように力を込めて、その名を口にする。

「クレア」

 自分がどんな表情をしているのか、わからない。周囲にショコラの姿はなく、自分とクレアの二人だけだ。なにか話があるというのか──それとも、罠なのか。フェーヴには知るよしもない。

 クレアは長い黒髪を揺らすと、少しつまらなそうな顔をした。

「想像とちがうわ。どうしてここに、とか、どうして生きて、とか──そういうの、期待していたのに。だれかになにか聞いたのかしら?」

「なにも聞いてない。いるだろうと思ってただけだ」

 そう、とクレアは静かに微笑んだ。そのまま、口を閉ざす。

 こうして向き合っているだけでは、錯覚しそうだった。かつてのクレアと、なにも知らない自分とが、偽りの愛に身を委ねているのではないかと。彼女の姿は以前とまったく変わりなく、愛を囁いて死んだ彼女も、帝都で見た彼女も、幻だったのではないかと思えるほどだ。

「……あんたは、本物か?」

 まとわりつく記憶を振り払い、フェーヴはそう問いを口にした。

 クレアが方眉を上げる。それからおもしろそうに、肩を揺らした。

「本物よ。ここは、あなたたちの言葉でいうところの、プテリュクス領だもの。そして私は、プテリュクスということになるのかしらね。以前のようなダミーとは違うわ」

 フェーヴはその単語を、ゆっくりとかみしめた。

 翼のあるものは偽物だ──それは、スピラーリが紙に書いたことだった。まるでひとの期待に応えるかのように、古くから伝えられてきた翼ある姿を、本当のプテリュクスが作り出したのだと。彼らは意志のない人形にすぎず、プログラムされた以外のことをする能力はないのだと。

 では、プテリュクスとはなんなのかと、もう聞く必要はなかった。

 それは、スピラーリやカリツォーや、クレアのことなのだ。

 見た目にはフェーヴたちとなにも変わらない、しかしたしかに、力を持った存在。

 ひとの命を、指先で操るようなものたち。

「それでどうして、あなたは……あなたたちは、こちら側に来ることができたのかしら。システムの誤作動だなんて、そんなの都合が良すぎるわ。あなただけならともかく──あの愚かなエートルまで」

「ショコラは、どこだ」

 思わず問うと、クレアの顔が憎悪に染まった。

「どうして気にかけるの! あんな女のことを!」

 感情のままに、言葉を叩きつける。それはまるでクレアではないかのようで、フェーヴは驚きに息をのんだ。これが彼女の本当の姿なのかもしれない。思うままに言葉を発し、喜怒哀楽を表す女性。

「ねえ、いいのよ、フェーヴ」

 しかしすぐに、なにごともなかったかのように、クレアは柔らかい笑みを形作った。

「いいのよ、愛すればいいわ。さっさとあの女を愛して、そして殺してしまいなさい。そうすれば、あなたはまた、ひとり。もうじゅうぶん懲りたでしょう。これを最後に、エートルを愛するなんて、やめてしまえばいいのよ。だってあなたは、女神に愛されているんだもの」

 彼女が告げる言葉は、そのままフェーヴの仮定を裏づけていくようで、彼の心を締めつけた。にわかに信じられることではなかったが、一度その可能性に気づいてしまえば、そうとしか思えなかった。

 同じプテリュクスであっても、スピラーリやカリツォーと彼女は、決定的にちがっていた。

 監視者としての彼らは、だれかの指示で動いていた。城でのやりとりやスピラーリの様子を見る限り、それがクレアであることは想像に難くない。そしてそこに、彼らの意志はなかったといってもよかった。少なくともスピラーリは、まるで作業をこなすように淡々と、フェーヴを監視していた。

 しかし、クレアはちがう。

 彼女だけは、なにか目的があって動いていた。意志に満ちていた。ひとのふりをしてアンファンたちに近づき、愛をそそのかし──そうして、アンファンに傷を残す。もうひとを愛することのないようにと、まるで魂に刻み込むかのように。

 アンファンがだれかを愛することに対する彼女の感情は、まるで嫉妬だった。

 ひどく醜い嫉妬。

 女神だけを見ていればいいと、感情をむき出しにする。

「いいかげんにしてください」

 突如として、閃光のような声が響き渡った。

 だれの声なのかは明白だった。フェーヴの隣に光が生まれ、ショコラ=プレジールが姿を現す。彼女は両手を腰にあて、クレアを睨みつけた。

「そんなものは、女神ではありません」

「……どうしてここに。聞き捨てならないわ、お嬢さん」

 クレアが冷たく目を細めた。しかしひるむことなく、ショコラは続ける。

「世界を作って、それで、女神はなにをしましたか? 境界で囲った世界をプテリュクスの驚異に怯えさせ、アンファンを散々いじめて、今度は乗っ取る、じゃないですか。断固認めません。それは、女神ではありません、悪です!」

 クレアは目を見開いた。唇がわなないている。両手が震え、その表情は憤怒に赤く染まっていった。

「なにも……なにも、知らないで!」

「あなただって、わたしたちのなにを知っていますか!」

 ショコラの勢いは、そこにいるだれよりも激しかった。なかば気圧されつつも、フェーヴは彼女の言葉を聞く。

 その目は、憤りに満ちていた。そうして、彼女がいままでずっとそうだったように、揺るがない決意が宿っていた。

「世界はとても広いかもしれません。わたしたちは、とてもとても小さい存在です。でも、生きています。持てる力すべてで、懸命に、生きています。どんな事情があろうとも、あなたに、世界を自由にする資格はありません」

 それは、あまりにもショコラらしいいいぶんだった。そして、ある意味で真実だった。フェーヴは苦笑する。

 彼女がここにいるということで、胸に安堵が広がった。クレアの様子から、彼女がなんらかの窮地に立たされているのだろうと予想したのだが、いまの登場の仕方を考えれば、彼の存在を信じないわけにはいかない。

 そもそも、彼がいたからこそ、境界を越えることができたのだ。

「そろそろ、潮時じゃないですかね」

 声が、届いた。

 なにもない空間から、姿を現す。そうして彼は、すわったままのクレアの首筋に、鋭利な刃を突きつけた。

「形勢逆転なんて、想像しなかったでしょう、マスター」

 スピラーリだった。彼はなんでもないことのようにゆらりと立ち、不敵な笑みを見せている。

 クレアは表情を変えなかった。

「おかしいと思ったわ。あなたたちのいさかいは、芝居だったのね。──そんなことをして、どうなることとも思えないけど」

 それは虚勢には見えなかった。彼女はどこか疲れたように、スピラーリと、ショコラと、フェーヴとを順に見る。そうして、囁くような息を吐いた。

「それで、どうしたいの? 無力な私をよってたかって非難して、あなたたちは、いったい」

 フェーヴは、クレアに歩み寄った。止めようとしたのか、ショコラが動くのがわかる。しかしかまわずに、一歩一歩彼女に近づいていく。

 目の前まできて、足を止めた。

「クレアトゥール」

 その名で呼びかける。クレアの眉が動いた。スピラーリが驚いたように目を向ける。

「あんたは、『女神』なんだろう──世界を、自由にできるはずだ。ひとの動きを止めるようなばかなことは、もうやめてくれ。あそこに生きているのは、あんたの人形じゃない」

「自由」

 ぽつりと、クレアはつぶやいた。

 その顔が笑みに変わった。自嘲。唇の端を上げ、フェーヴを見上げる。

「私に、どれほどの自由があると思ってるの?」

 その言葉と同時に、フェーヴは気づいた。彼女の足が、あるべき場所にない。イスの下から伸びた足は、まるで床と同化するように、溶け合っていた。

「な……っ」

 彼女は、下半身を少しも動かさなかった。動かせないのだ。

 彼女の身体は、部屋そのものに繋がれているかのようだった。

「見せてあげるわ、すべて」

 スピラーリがフェーヴの腕をつかんだ。クレアを中心として炸裂した光から逃れるように、床を蹴る。

 しかし、無駄だった。

 発せられた光は、まばたきをするまもなく、部屋全体を飲み込んだ。 









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