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【プロットタイプ】早計だからな

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

真三号。人体模型。

最も麗衣と関わりが深く、そして麗衣の心を知る人形。

――こんなのが良いなんて気持ち悪い!!

其れは俺が幼少期に言われた言葉だった。最も言って欲しくない人から言われた言葉だった。


「え、新しい子……?」

帰ってきた鏡花がまず目を向けたのは、人体模型だった。皆が想像する様な、片方が皮膚で覆われ、片方が剥き出しの筋肉で晒されたもの。中に埋め込まれた臓器までもがありありと晒され、見る者が見ればゾッとする様な光景だった。

鏡花も例に漏れず、何時もと違う警戒した様子でそいつを見る。

「真三号。普段は麗衣に使われる事が多いから、滅多にこの家に来ることはない。

今はホラーが描きたいから、生々しい臓器の配置が知りたくなった」

「あぁ。医療従事者だもんね。……人形嫌いだけど……」

鏡花は目を泳がせてそう呟いた。何と答えれば良いのか考えている様だった。

俺の妹である麗衣は俺とは真逆に人形嫌いだった。近くに人形があるだけでも、震え上がり、落ち着きが無くなる。筋金入りの人形恐怖症(ペディオフォビア)。だからこそ、喜怒哀楽の激しい幼少期はそれはもう酷かった。

――こんなのが良いなんて気持ち悪い!!

――普通じゃない!! おかしい!! 早くどっかやって!!

癇癪を起こしながら泣き叫ぶのは今でも記憶に残っている。泣き腫らした様な顔。鼓膜を切り裂く様な声。心から嫌悪している者の反応だった。その度に両親が『言葉を選べ』と注意をしていた。

「そうだな。今はマシになったが、幼い頃、幼稚園ぐらいか。その頃は凄かった。……今までの彼奴じゃないみたいだった。『普通じゃない』、『気持ち悪い』、『おかしい』そんなのは散々言われた」

いかんな。幼少期の記憶がぶり返して、余計な事を言った。

其れを聞いていた鏡花はなんとも苦しげな表情を浮かべた。同情する様な視線を俺に向ける。此奴は人の心に同調し易い質だから、余計な気を背をわせた。

「でも、ただそれだけを切り取って全てを否定する奴にはなりたくなかった。それだけで『嫌な妹』とレッテルを貼りたくなかった。彼奴にとっての地雷がたまたまそれだっただけの事。

お前だってそうだろう?」

鏡花が幼少期に大人にされて嫌だったことは、主に小説を通じて知った。言葉では丸め込むが、文字書きはそれを直に叩き付ける。それだけ傷が深いとも思っている。

だがそれだけではないと思ている。

「お前、両親好きか?」

「まぁ、人並みに。嫌なことされたけど、良いこともそれなりにあったから」

「それと同じ」


オマケ

麗衣様が私と初めて対峙するした時、手が震えておりました。青ざめた顏と荒くなると吐息が、恐怖をありありと写しております。

――……救いたい。瑠衣くんを……。一人でも多くの人を……。

――沢山傷つけたから。せめて、この道に進む人体模型となら。

あぁ、貴方様はその為に私と対峙をなさっているのですか……。知識を付ける為に、自らの力とする為に。こんなにも震えて、苦しみながら。

故に、私は麗衣様の事を心から拒絶する事が出来ないのです。ここまで苦しみながら、自らと葛藤しながらも、ただ兄様を、人を救いたいと思う方を、私は責める事が出来ません。

瑠衣様、ですのでそのような哀れみの瞳で私を見ないで下さいませ。あの方の苦しみに比べれば、私はまだ。まだ……。

初めてか。真三号を小説で出すの。

何時もは麗衣ちゃんと一緒に居るからね。


麗衣ちゃんって、もう筋金入りの人形恐怖症。

目に入っただけでビクッてする。

眺めていると、震えが止まらない。

これに幼少期の喜怒哀楽と、癇癪の激しさが加わると、あんなになります。

何時ものしっかりした妹キャラではなく、ヒステリックな女子キャラ。


でも最近は少し落ち着いてきて、

『瑠衣くん。女の人を褒めるときにラブドールを例えに使うのは、普通に失礼だからね』

ぐらいに落ち着いてます。


ただ幼少期の瑠衣はそれが若干トラウマ。

傍若無人な暴君ですが、自分が変わっている事は重々承知してる。普通じゃないとも思ってる。


それでも、たった一つ、自分の趣味を全否定されただけで、『彼奴は嫌な奴』と決め付けて拒絶するのは、早計だよね? という話。


麗衣ちゃんの良いところ、沢山あります。

病弱な自分をずっと気にかけてくれたこと。

その為に医療従事者になったこと。

自分のせいではないのに、負い目を感じているところ。


そこまで大切に扱ってくれる人を、『趣味否定されたから』という理由だけで全否定とか、嫌いたくないんですよ。


鏡花にとっての両親の関係と似ているんですよ。

ノンデリ発言しれっとされて、傷つけ付けられる事も多かった。

描いた絵が気持ち悪いと言われた。

こんなのが良いの……? ってドン引きされた事もある。

それでも、気遣われた記憶が無いわけじゃない。

優しくされた記憶もちゃんとある。

だから『お前、両親好きか?』の答えが、『人並みに』なんですよ。


オマケ真三号の吐露。

自分が人形の中でも異端って分かってる。

ヒトカラ拒絶される事も分かってる。

それでも目的の為に歩み寄ろうとした。

怖いと思いながら向かい合ってくれた。

だから敬意を持って、麗衣の事は思ってる。


人格者ですよ。一番不気味だけれども。

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