尾の長い鳥
尾の長い奇妙な鳥たちが
空の色を塗り替えていく
そんな朝に
曇天の岩が砕け散る
音がする
地表の割れ目に
吸い込まれそうになる
暗い明るさに
よじれた桜の枝が
梅の枝と交差する
季節の終わり目
階段状の
記憶のページが立体的に
そびえ立つ
ペンシルにべニア板
過去どれくらいかのオブジェ
発泡スチロールの心の軽さ
風船の行く先に矢印は折れ曲がり
反射鏡の乱気流が
空間を跳ね返り
道端に落ちている
手のひらの指紋の
くっきりとした
螺旋模様に
幾何学的な相似する
つむじ風が
揺らぎを鳴らす
香る季節の始まりに
しおれた花が
連なりを分かち
その隙間から
尾の長い鳥たちが
乱れるように
飛び立つ