四章 「記録」
古くからこの町にはある決まりある。
それは、まだこのあたりが小さな町だった頃から続いていると記されている。
その決まりとは、町外れの「塚柳山」への一切の立ち入り禁止。
1980年頃、まだ幼い兄妹が塚柳山で行方不明になった。
当時、まだ塚柳山は「お化けが出る」や「山姥が住んでる」などの噂を持つ、地元で有名な肝試しスポットに過ぎなかったらしい。
約半年に及んだ両親を始めとする地元の住民や警察の必死の捜索も虚しく、二人を発見することはできなかったそうだ。
まだ幼い兄妹を突然失った両親は、事件性を強く訴え自ら山に入り捜索を続けた。また、警察も両親の訴えを受け周辺の住民全てに聞き込み調査を行ったが、これといって有力な情報は得られなかった。
一年後、突如として事態は急変する。
妹の兵藤 夕里子が塚柳山近隣の奥文神社で発見されたのだ。
事件当時、まだ五歳だった夕里子がどのようにして一年もの間生き続けたのか。
唯一の手掛かりである彼女が山での記憶を全て失ってしまっていた為、真相は今も定かではない。
また、兄の京平は今も行方不明のままである。
※備考
兵藤の母親は、過労で倒れ隣町の病院に入院。
順調に回復の兆しを見せたが、原因不明の病により死去。
その後父親は、原因不明の幻覚に悩まされ続け、数か月後に失踪。
夕里子自身は、1991年、高校から下校中に数人に男に誘拐され乱暴される。
その数日後、自身の通う高校の屋上から飛び降り死亡。




