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一日目
「ここがあいつの家か…」
尾行して早三日。ついに世界で一番憎い人間の住所を特定した。
さあ、これからどうしてやろうか。毎朝ゴキブリをあの青い郵便受けにでもお届けして爽やかな朝を地獄絵図にでもしてやろうか。それとも、あの赤い屋根に私の糞尿でも垂れ流して近所に阿鼻叫喚の嵐を巻き起こしてやろうか。一生ご近所から後ろ指を差されて生活すればいい。
ああ、今から笑いが止まらない。あいつの恐怖と不快感に支配された顔を思い浮かべるだけで、興奮してしまう。こんなにもわくわくする感じ、久しぶりだ。ようやく私は、まともな人間としての日々を贄に、安寧を手に入れることができるんだ。