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ガラクタ機械兵のエンディング  作者: 中峰裕也
第一章 泥沼戦争
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No.002 クロ、アドバイスを受ける

「そうだ黒丸。」


「はい、何でしょうか?」


「お前、さっきここで何をしていた?」


 ・・・あれ?声を掛けられたから、てっきり全部見られているものだと思ったが…。


「ああ、その事ですか。特訓をしていたんですよ。というか隊長、見てなかったんですか?」


「当たり前だ。というか、ここに来れたのも奇跡のようなものだからな。」


「…はい?」


 どういう事だ?ここに来れたのは偶然とでも言いたいのだろうか?

  まぁ、ここに来れるやつはワタシ以外居ないのだから、そっちの方が納得が行くのだが…。


「いや何、お前がいないとという報告が、さっきハチからあってな。探しに行くと言ってきたから、『そんなのつまらない!』って私が説得して、探しに来たんだ。で、ここに来る途中、階段でコケて壁に衝突したら、ここにお前が居たって訳だ。」


 聞いて呆れることを堂々と述べるその姿、嫌いではないです。


 ・・・じゃなくて、えっ何?ハチ先輩が探しに行くと提言したのにも関わらず自分のワガママで探しに来た、と。


 おバカさんなの?


  ちなみに、ハチというのは隊長の次に強いと言われている先輩の機械兵(サイボーグ)で、本名はCode811。


 面倒見が良く、ムードメーカーと言うことで名が知れている。


 というか、ハチ先輩…。


「・・・まぁ、大体の事情は把握しました。これからはきちんと、報告をしてから外出します。」


「何が把握だ。偉そうにするなよ。まったく。」


  言い返すことが出来ない…。不思議だな。


 言い返すことが出来ないくらいでここまでイライラするのは初めてだ。


「・・・はい。」


 取り敢えず返事をした。腑に落ちないが。


「ならば良し!で、話を戻すぞ。お前は何の特訓をしていたんだ?」


「えっ!?え、えっと、ワタシのし


「一人称を『俺』にしろ。堅苦しくて嫌だ。」


「嫌です。ワタシの一人称は、ワタ


「命令だ。今すぐ一人称を『俺』にしろ。」


  なんて強引なんだこの人間ヒトは!

  権力の威圧だ!Boooo!まぁ、逆らえないのだが…。


「はァ…。分かった、分かりましたよ。一人称を変えればいいんですね?何でかな…?」


「おう。それでいい。」


「・・・。さっき、俺はここでスパークアサルトライフルの弾に紅蓮陣フレアサークルを刻んだまま連射速度を上げる訓練をしていたんです。いい所まできているんですが、排熱機能の処理が追いつかなくなって腕がダメになっちまってるんです。」


「ほう、スパークの弾にフレアを、ねェ。というか、そんな事やっていたのか。はぁー!そりゃお前が腕を何回も直してるのにも理由がつくわ。」


 ・・・そう言えば、この壊れかけの腕について報告してなかったな。


  なんも言ってないのだから、不思議に思われても当然か。


 気を付けよう。


  ◆◆◆


「話が変わっちまうがいいか?」


 また変わるんかい!


「・・・ええ。」


「お前、最近、上層部(うえ)でなんて呼ばれてるか知ってるか?」


上層部(うえ)で、ですか?」


「ああ。」


 考えたこともなかったな。まぁ大体、コードで呼ばれてるだろう。


「そりゃあ、Code960ですよね?」


「ブッブー!違いまーす!」


 イラッとするな…。我慢だ。


「じゃあ何なんですか?俺の呼ばれてる名ってのは?」


異常機体ガラクタだ。」


 ・・は?・・・今なんて言った?

 取り敢えず、もう1回聴こう。


「えっと…もう1回お願いします。俺の感知機能センサーには『ガラクタ』って聴こえたんですが。」


「それで合ってる。異常機体ガラクタだよ。お前は、上層部うえではそう呼ばれてる。」


 ・・・なんだよそれ。ふざけてんのか…?


「・・・はぁ?それまたどうして?」


 俺は思った疑問をぶつける。


 すると、


「知らん。だが、お前が腕を何回も使い物にならないようにしてる事がどっかで知られたんだろ。お前が思ってるよりも、その腕、ボロボロだからな。」


 と言われてしまった。


 ・・・この世には隊長よりも赦せない存在がいるな。そう思った。


 どういう事だ?今までこんな事はなかった。

 報告もされてない。なのに何故今になって…。


「話を戻そう。お前は、簡単に言えば銃の弾にフレアを刻んで連射速度を上げる訓練をしていたと。」


「・・・ええ。」


「だが、失敗して腕をボロボロにしていたと。」


  隊長の言葉が痛い。なんか嫌な気分だ。


「・・・お前落ち込んでるのか?」


「・・・。」


 言葉が返せない。早く返さなければいけないのに…。


 恥ずかしい。


「・・・ハイ」


  やっと俺の口から出たのは、たったそれだけの小さな言葉だった。


「・・・なんか、すまないな。伝えなければ良かったな…。」


「いえ、大丈夫ですよ。腕を代えない俺が悪いので……。」


「悪いな…。」


 なんか変な空気になってしまった。どうにかしなければ。


 そう思っていると、


「そんなお前にアドバイスをくれてやろう!」


 と、隊長が何かを言い始めた。


 えっ?


 アドバイス?


 あどばいす?


 隊長が?


 この俺に?


「その腕を、いや、お前の身体をグレードアップさせればいい。」


 ・・・結論だった。期待していた部分の俺がバカみたいだ。


「戦争が終わったら良いトコにつれてってやる。それまで我慢できるか?」


 いいとこってどこだよ。よく分からないなーこの人間ヒトも。


「・・・はい。出来ますよそれぐらい。馬鹿にしないで欲しいですね。」


「よく言った。じゃあ決まりだな。」


 ・・・ん?決まり?


「決まりって?」


「決まってるだろ?今の状態のお前を最大限強くするよう、特訓すんだよ。」


 えっ?


「この私が直々にシゴいてやるんだ、感謝しろ!」


 うん。まぁ、有難いけどもさ…どうやってだ!?



『この小説面白そう。』『続きが読みたい』と思ってくれたらうれしいです。応援よろしくお願いします!

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