第4のセカイーキンの運搬ー
ー私は負けたー
楽しい修学旅行のはずなのにカジノにハマって調子に乗った。
「今回は俺達の勝ちだな」
おっさんの声が聞こえた。
そこで私の意識は途切れた。
ーーーーー
意識の奥で声がする。
しかしうまく聞き取れない。
どの位時間が過ぎたのだろう?
声に意識を向けるももう聞こえない。
思考を巡らせていると不意に音が響く。
「ぐぅぅー!」
ハッと気づいた。
今のお腹の音でしっかりと目覚める事ができた。
「ここどこ?」
周りを見渡すも闇。
目隠しはされていないようだ。
手足も縛られてなく、自由に動かす事ができる。
身体の自由を確認した後ゆっくり思い出す。
カジノでおっさんに負けたまでははっきり覚えてる。
その直後に意識が無くなり今に至る。
どこかに運ばれた?
何の目的だ?
「・・には悪いが・・・」
何を言っていたか思い出せない。
「ぐぅぅー!」
再度お腹が鳴る。
まったくこんな状況なのに素直な私だなぁ。
「あーあー。」
声は出る。
「誰かいるの?お腹すいたんですけどー。」
取りあえず言ってみる。
ーしかし何も起こらなかったー
「ちょっとーご飯まだー?」
壁を叩いて声を出してると奥から物音がした。
「うるさいなぁ、寝てたら寝てたで寝言歯軋りうるさいし、起きたら起きたでうるさいなぁ。」
「誰?」
「私はる・・・ルルナ、ルルナって言うの。」
「ルルナね、よろしく、で、ここはどこ?」
「ごめんなさい、場所は分からない。」
「けど、今の状況な分かる。」
「え?教えて!」
「ぐぅぅー!」
「だめだぁ、お腹すいたよぅ、ルルナは食べ物持ってない?」
ダメ元で聞いてみた。
「ごめんなさい、食べ物は無いの、それにもうすぐ必要無くなる。」
「え?どういうこと?」
ルルナは話す。
「ここの場所は分からないけど、今の状況は説明できる。」
「その前にあなたはどこからここに連れて来られたか教えて。」
ルルナは聞いてきた。
修学旅行生であること、カジノで負けたことを手短に伝えた。
話が終わるとルルナは話を再開した。
「そう・・・そうするとここはキンかギンかしら?」
何を言ってるのか分からない。
「まずはこの世界について説明がいるわね。」
ルルナはゆっくりと話始めた。