第5のセカイーギンの跳躍ー
まずはやることのおさらいだ。
俺はこの街を壊すのが目的だ。
ーどうやって?ー
壊すっていっても街には宝玉があって街の心を支えている。
その宝玉を手に入れればミッションコンプリート。
ーどこにあるの?ー
それが分かれば苦労しねーなー
ー手伝おうか?ー
おう、助かるわ。
え?あれ?
俺誰と話してた?
妄想乙!
ってあれ?
ーここだよー
声が響く。
「どこだよ?」
頭の上から声がするけど誰もいない。
ーいや、ここにいるからー
なんか心読まれてツッコまれた?
ーこれなら分かるかなー
急に髪が引っ張られる。
「痛い痛い!ってあれ?」
「もしかして頭の上?」
ーだからここにいるってずっと言ってるよー
「居場所は分かった。」
「姿を見せてくれ。」
声の主に語りかける。
ー仕方ないなぁー
ポンという効果音が付きそうな煙が舞い、少女が現れた。
「ほぅ、これはなかなかのモノをお持ちで。」
お約束の格好をしている。
「どこ見てるの!」
彼女は臆せず言い返してくる。
再度煙に包まれ今度は服を着た姿になった。
うん、ちょっと残念。
そんなやりとりをした後彼女は真面目な声を出す。
「で、宝玉取りに行くんだよね?」
「あぁ、それがコイツの望みらしいからな。」
手のひらで銀色の杯を回す。」
「あー!そんなに雑に扱わないでー!」
彼女は悲痛な声を上げる。
「絶対に落としちゃダメよ?」
「それはとても大事な私の・・・」
歯切れが悪いなぁ。
「まぁ、とにかく杯は大事にしてね。」
「分かった分かった。」
「で、肝心の宝玉についてだけど、どこにあるか分かる?」
彼女は聞いてくる。
「いや、それが分かれば苦労しない。」
「だよね、だから私がサポートするよ。」
「それはありがたいけど、君は?名前は?」
「私はハル、見ての通り妖精さんだよ。」
ーや、見ての通りって分からんから聞いたんじゃんー
こうして僕と妖精ハルと不思議なコンビが生まれた。