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第3のセカイーアオの苦悩ー

「待って!」

アクアの声に振り返ったが遅かった。

僕は青の杯に触れてしまった。

「うわぁー!」

強烈な何かが体を駆け巡る!

情報、感情、世界、自分の意識が遠のいていく!

「いけない!まだ満ちていない杯を手にしてしまうと杯に支配されてしまう!」

「早く手を離して!」

アクアの声は聞こえているが体と意識が連結しない。

「ダメだ・・・」

そう呟くのが精一杯だった。

ー真っ暗な世界ー

黒い感情に支配された。

目に映るモノ全てが憎い、怖い。

目の前に獣が立ちはだかる!

「うわぁぁぁ!」

とっさに剣を出して斬りつける。

手応えは無い。

「来るな!来るなぁ!」

闇は奥深くまで入り込んでくる。

そこで意識が消えた。

ー同時刻ー

私は見守る事しかできないのか?

アクアは悩んでいた。

自分の役割を越えることは不可能だ。

しかし、目の前で杯に犯されている者を救うことは出来ないのか?

自分に切りかかってくる少年と対峙して考える。

杯を満たせばよいのか?

アクアは獣を召還して向かわせる。

ー二匹、三匹、四匹ー

どれだけ倒されても杯を満たすことはできない。

少年を覆う黒い塊は濃くなっていく。

何回目だろう?

気の遠くなるような「作業」に疲れてきた。

獣を出す。

殺される。

果てしない繰り返し。

闇は晴れない。

・・・頃合いか・・・

アクアは持てる最大の獣を召還する。

4匹で取り囲み取り押さえる作戦だ。

「行くよ、さよなら。」

呟き獣と共に闇に立ち向かう。

「ぐぉぉー!」

獣が順に倒されていく。

青の杯に光が吸い込まれていく。

「後の役目はお願いね。」

アクアは闇に飲まれた。

バァァー!

闇は晴れ、一人の少年が立ちすくむ。

「なんで?どうしてこうなった?」

「なんなんだよー!」

黒い感情が心を満たしたその瞬間に意識が遠ざかる。

気がつくと目の前には聞き覚えのある声が響く。

「我は赤のー!」

あれ?夢見てた?

異世界だし何があってもおかしくないか?

「さぁ、早く追いつかなきゃ、また怒られる。」


ー赤と青の杯は用意されたー




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