30.前夜の想
さて。
今までの様々な出来事を統合して、いざここに一つの結論はやってくる。
きっと一つの結末が、やってくる。
笑顔で無表情でお喋りな金色も。
人をいたぶるのが好きな撫子も。
壊れてなんかいない栗色も。
低い美声の切れる助言者も。
ぼさぼさ頭のやんちゃ君も。
口生意気な蒼髪人形も。
白く揺らめく猫耳毛玉も。
坊主頭の背高柔道部員も。
元気印の二本のおさげ髪も。
江戸前な言葉遣いの生徒会員も。
綽々としたおかっぱ頭も。
全部ひっくるめていいのだ。
このピリオドにはそれを含める価値がある。
絶対不回避な引力が、僕を引き寄せて。
絶対不条理な終焉が、僕を突き放す。
それはとっくに分かりきっていることで。
それはとっくに覚悟を決めたことだった。
どうしたって僕は少数派で。
ひょっとしたら徹頭徹尾、この世にただ一人なのかもしれない。
天才とは違うけれど。
絶対ではないけれど。
僕はどうせ、僕なのだと。
どうしようもなく、僕なのだと。
それを理解するには、やはり十分すぎて。
しかし逆説、不十分すぎて。
大富豪における最強は。
やはりババ抜きに便利なカードに過ぎなかったのだ。
絶対不可視な運命が、僕を飲み込んで。
絶対不義理な友人が、僕を吐き出す。
そんな滅茶苦茶な日が、一日くらいあってもいい。
そんな支離滅裂な時が、一瞬くらいあってもいい。
そしてそれは、やってくる。
何が何でもやってくる。
やってこなけりゃウソってもので。
結論。
掛け値なく言おう。
僕は七月七日が大嫌いだ。