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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

アパートの一室で

始めて書いたホラーです。

あんまり怖くないかもしれませんが。

よろしくお願いします。

 奇妙な感覚がしている。俺が帰宅するアパートの一室だ。何かがいるような気がする。疲れているせいか、よく金縛りにあう。その時『手』としか思えないものが、体中を這いずり回り、わきの下やあごの下をくすぐったりするのだ。それで笑いながら目が覚める。そんな夢というか神秘体験を繰り返し経験している。


 気持ち悪いので、近所の神社で安くない金を払ってお祓いをしてもらったものの、金縛りと『手』のいたずらは続く。俺はもうあきらめて開き直った。どうせ、『手』のすることはくすぐり程度だし、笑えば目が覚めるのだから、不快だが、少しの時間で済むし、辛抱することに決めた。


 でも奇妙なことに、金縛りになると同時に、視線のようなものを感じ始めていた。天井の方から何者かに、じっと見られているような気がした。やはり、悪霊か何かが、この一室に地縛霊として存在しているのではないだろうかと思う。お祓いは、ここですべきだったのか。


 嬉しいこともあった。彼女ができたのだ。出会いは唐突だった。相手の女性は、健康食品の訪問販売員だったが、何か期待感があってこの部屋に来たのだという。最初はセールストークが主体だったが、すぐに私的な会話になり、やがて俺たちは仲良くなって同棲することになった。


 彼女は猫好きで、大家に内緒でこっそりと猫を飼うようになった。この猫が中々曲者で、俺には懐かなかった。なぜか俺を見ると威嚇するポーズを取るのだ。彼女が帰宅するまで、猫には目を合わさないでいた。餌をやる時だけは大人しい。現金な猫だ。金縛りや『手』のいたずらは、いつの間にか消えていたが、見られている感覚は続いている。


 もしかすると、俺は何者かに飼われているのかもしれない。時々感じる視線は飼い主のものではないだろうか。昔、金魚とアメリカザリガニを同じ水槽で飼っていたことを思い出した。俺にだけ凶暴な猫は、アメリカザリガニと同じ意図かもしれない。




「大丈夫、大丈夫!しっかりして」彼女の叫び声が響く。

飼い猫になぜか喉笛を引っかかれた俺は、血まみれになり、救急車で運ばれた。後には謎の視線を残して。


 


金縛りの時に暗躍する『手』は実体験です。

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