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プロローグ

ジリリリリリリリリリリリリ・・朝の4時を知らせる目覚まし時計の音が寝室に響き渡った。しかし、そうは言ってもあぁ、頭ガンガンする・・なんで、あんなこと言っちゃったんだろ・・意識を朦朧とさせながら、そんなことを呟き、寝ている間にベッドから落ちてしまった布団を拾い上げる。すると、階段に大きな足音が鳴り響いた。―来る。そう思った僕は指で耳を防ぎ布団で全身を隠した。ドアノブに手が掛かる音が聞こえる。そして、がチャリという音がなり足音はより一層近づいてきた。俺はガタガタと震えながらその足音が近づいてくるのを待っていた。そして、ついにその瞬間は来てしまった。


「朝っぱらから、目覚ましうるさいねん!このアホ息子!!」


目覚ましより大きな怒号と共に布団が捲り上げられた。どうして、この母さんはもう少し優しく起こしてくれないんだろうか。そして目をこすり、体を起こし大きなあくびをしながら話かける。


「どふぉして、ふぉんなきゅうにふぁんさい・・」

「なに言うてるかわからへんわ!」


俺の寝起きの第一声は母さんによって遮られてしまった。せっかく、久しぶりに話そうと思ったのに相変わらずうるさいなぁ。


「だから、どうして急に・・ふぁんさいべぇんに」


また、途中であくびが俺をおそった。みんな、違うんだ、言い訳させてくれ、俺は普段こんなに早起きなんてしてないんだ。小さい頃、みんなは一発で自転車に乗れたか?俺は乗れなかった。つまりはそういうことだ。


「話す気ないんやったら、話かけるなぁって毎日言うてるやろ」


やばい、母さんの口角がヒクヒクと痙攣し始めた。これが見られるときは大体いいことがないのだ。つまり、今日の朝ごはんはおれの大っ嫌いな目玉焼きだな・・そんなことを考えてボーッとしてしまっていた。ふと母さんの方を見上げると、さっきの顔とは大きく違い笑顔が広がっていた。


「よし、やっと目ぇ開いた。今日の朝ごはんは目玉焼きやで!」


・・こういうことをされるから母さんには怒りづらい。この人がもし三十年前におれの前にいたらきっと惚れてしまっているだろう。もちろんこのことは、母さんには伝えない。バカにされるのがオチだ。


「どうして、急に関西弁になってんの・・それに目玉焼きか・・」

少しふらつきながら、俺はキッチンに向かった。




「それで、どうしてこんな早起きするようになったん?さては彼女でもできたなぁ?」


母さんはニタニタと笑いながら、指でつついてきた。あんまりベタベタ触らないでもらいたいものだ。


「いつまで、関西弁続けんの・・それに彼女なんてできると思ってんの?」


呆れてため息をつきながら、席についた。言っておくが、俺は決して顔が悪いわけでも、彼女がスクリーンの中から出てこないわけではない。ただ、ほんの少し、ほんの少しだけ人より存在感が薄いだけだ。


「そやな、聞いた私があほやったわ。それじゃ、目玉焼きチンするから貸して?」

「チンするってどういうこと?」


いちいち、母さんの使う言葉が耳に障る。まあ、どうせ明日になったら元通りになっているだろう。


「関西の人はレンジであっためることをチンするっていうらしいで?」


ちょっとした豆知識に圧倒されてしまった。チンってあれか、温め終わった時のあれか。やっぱり関西の人は発想が豊かなんだなぁ・・


「そんなの、誰でも知ってると思うけど?」


コーヒーが入ったマグカップに手を伸ばし、少し大人ぶりながら答えた。しかし、コーヒーの苦さに耐え切れず、咳き込んでしまった。


「やっぱり、まだまだ中坊やな!」


片手で口を隠し、頬を膨らませながらそう言った。そこで、視線を時計に移すと、もう家を出る時間だった。


「やっべ、もう家でないと・・母さん、それもういらない」


慌てて自分のリュックを持ち、玄関へ向かい走って制定の靴を履き家を出ようとすると後ろから大きな笑い声が聞こえた。


「えらい、おしゃれな格好で学校行くんやねぇ」


そう言われて、自分の服装を確認すると僕はまだパジャマのままだった。顔から火が出るぐらい恥ずかしかったが家に戻って急いで着替え、すぐにもう一度家を出た。


「それじゃ」


母さんはまだ大笑いしているようで返事は帰ってこなかった。

こんにちは!内田朱音です。

この度は、「枢木くんに青春ラブコメは早すぎるだろうか」をお読みいただきありがとうございます。

まだまだ、未熟者ですので感想、指摘などどうかよろしくお願いします。

更新ペースといたしましては、二日に一回、もしくはそれ以上のペースを予定しております。


まだ、プロローグのみしか掲載されていませんが、これからに期待していただけると幸いです!


*この作品はカクヨムにも掲載されています。 うちだあかね

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