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ふとっちょ召喚士  作者: 光晴さん
ダンジョン『英雄の試練』

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第76話 迷宮、再び




24階層へ降り立った浩二たちは、困惑していた。

なぜなら浩二たちの馬車の前には、

『この先立ち入るべからず』と言わんばかりに城壁がふさいでいた。


天井まで城壁がたどりついており、まさに壁であった。


「なにこれ…」

馬場は、自分たちの目の前に立ちふさがる城壁に手をつき困惑している。

「…どこかに入り口がないかな」


浩二は、城壁を横にキョロキョロと辺りを見渡し入り口を探す。

オリビアとグレースは、浩二とともに入り口を探している。


グレースは、この時がチャンスと今まで疑問に思っていたことを浩二に聞いてみた。

「あのコージ様、一つ聞いてもいいかしら?」

「ん? いいよグレース」


浩二は、入り口探しを中断してグレースの話に耳を傾けた。

「どうして戦闘の時、コージ様が指揮をおとりに?」

「そういえば、そうですよね。何故ですか?」


「ん~、いくつか理由があると思うけど

たぶん俺が戦えなくてやることがないのと、連携の問題かな」

「コージ様は、レベル700を超える強さなのに戦えないのですか?」


「オリビア、高レベル=強いってわけじゃないんだよ」

「そうよオリビアさん、レベル=寿命と考えるのが正しいのよ」

「え、それじゃあ高レベルほど長生きするということですか?」


オリビアは本当に驚いているな。

実はこの世界は、レベルが存在しているがそれが強さと直結していない。

不老の称号を持つもの以外で長生きしている者は総じて高レベル者だ。

しかし、普通の人はそうレベルが高くなることはない。

そのため、冒険者や探索者、国に仕えている騎士や兵士など

戦いに従事しているものほど長生きになる。


王などが長生きをしようと思うなら、レベルを上げるため

ダンジョンなどに共を連れて潜るそうだ。


「そうだよ。でも職業によっては強くなるからオリビアの認識も間違いじゃないんだよ」

「職業によって……」

「そう、俺の職業は『召喚士』だ」


「あ、私と同じです。私も『召喚士』です」

「私は『魔弓士』ですわね…」

「『召喚士』はあまり強くならないね、でも『魔弓士』はレベルを上げると強くなるよ」


「がんばりますわ、コージ様の隣に立てるように…」

「じゃあ私は、寿命を延ばす目的でレベル上げですか?」

「そんなことないよ、『召喚士』は召喚者のレベル=召喚獣のレベルだからね」


「私が強くなれば、召喚獣たちも強くなるのか…」

「とにかく、グレースもオリビアもレベル上げをがんばりな。

将来、必ず自分のためになると思うし」


「「はい」」



その時、浩二の反対側から七瀬の声が聞こえた。


「あったわよ!ここに、入り口があるわよ」


全員が七瀬のもとに集まる。

七瀬の指さす方向に入り口らしきものはあった。

それは大きな門。何でできているか分からないが銀色に輝く門だった。


「これ、ミスリル製だな…」

「悠太、この銀色がミスリルなのか?

このミスリルの量で、どれだけだよ。金かけすぎだろ?」


「いや、何か意味があるんじゃないか?

確かミスリルって魔力伝導がよかった金属だよな?」

「ん~、ということはこの先は魔法を使う魔物がいるってことか?」


「いや、閉じ込めているってだけかもしれないな」

「…何があるか分からないし、気を引き締めろってことだな」

「……じゃ、行くか!」




浩二たちは、馬車をアイテムボックスにしまってミスリルの扉を開ける。

中は薄暗く、通路は馬車は通れそうだが入り口が馬車が通れない大きさだったので

このまま歩いて進むことにした。


浩二は斥候に『くノ一』の楓と雪を召喚し、罠などの解除をお願いする。

この24階層の通路は、迷路となっていて久しぶりにダンジョンという感じだ。

敵はオーク、オーガを中心として時々スライムを見かける。


「なんか、久しぶりに緊張するな」

「洋二、気を付けて進めよ。そのために3部隊に分けているんだからな」

「おう、俺たち前方部隊に任せとけ!」


「大丈夫かな?」

「宮本君、私たち後方部隊はすることないわね」

「そんなことないよ、後ろからも魔物は襲ってくるし中部隊を援護しないと」


「ん~やることはあるのね」

浩二は、時間を気にしながら

「もうすぐ夕方だから、『英雄の宿』に入れる場所を確保しないとな」


「え? 何か気を付けることがあるの?」

「『英雄の宿』から出るとき敵と遭遇は嫌でしょ?」

「…確かに」



迷路になっている通路を歩きながら、魔物を倒していく。

さらに、あちこちにある宝物を手に入れていくと25階層への階段を発見した。


「下の階層への階段、発見!」

「洋二、そのまま進んでしまおう」

「浩二、いいのか?今日はもう宿に泊まった方がよくないか?」


「いや、安全な場所がなかったからな。

このまま進んで、安全な場所をぎりぎりまで探そう」

「ん~、わかった。限界が来た人が一人でも出たら、そのあたりで宿へ入ろうぜ」

「ああ、そうしよう」



こうして25階層へ進んだが、安全な場所を確保できずにリリルが限界に来たため

迷路の行き止まりを使って『英雄の宿』へ入った。







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