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ふとっちょ召喚士  作者: 光晴さん
勇者と異世界人と魔王封印
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第6話 ダンジョンで拾った子供たち


聖女のサーシャの手を握り後ろに隠れてる猫獣人。

二人の目線になるようにしゃがんで、笑顔で聞く。

「君たちのお名前は?」


「…ラルガ」

「…ユキ」

俺は二人の頭をなでると、ジュースを召喚して渡してあげる。


二人は恐る恐る受け取ると、ストローでジュースを飲む。

「サーシャ、ダンジョンってこんな子たちが落ちているのか?」


「そんなわけないでしょ、マスター」

サーシャは呆れながら、ツッコミを入れる。


「マスター、ダンジョン潜ったことないんだ」

楓もあきれていた。


「で、この子たちはうちで預かればいいのか?」

俺は少し恥ずかしかったので話題をそらす。

ヴァルキリーのアルヴィトが前に出てきて、

「お願いします。それとマスター、素材などがいっぱいになったので…」


「わかった、召喚!【行商人】」

俺から少し離れたところに召喚陣が現れ、二人の【行商人】が現れる。

「久しぶりですな、マスター」

「今回もよろしくな、クルムド、ダンレン」


「はい、お任せくだされマスター」

「ではアルヴィト殿、私たちのアイテムボックスに移してください」

ダンレンはそういうと、持っていたカバンの口を広げる。


ユキはサーシャの袖を引っ張ると

「サーシャお姉ちゃん、あの人たちは誰?」

「ん?あの男の人たちは行商人なのよ。

私たちが、ダンジョンで手に入れてきた素材や宝物なんかを『商業ギルド』に売りに行くのよ」


今度はラルガが聞いてくる。

「お姉たちは、行かないの?」

「うん、私たちは行かないよ。『ギルド』はいろいろ面倒なことが多いところだからね」

「……何かあったの?」


サーシャは俺の方を見てくる。

「あ~、1年ぐらい前になるかな?

始めはみんな冒険者ギルドに登録していたんだが、

『うちのパーティーに入れ』とか『俺と付き合え』とか『規則』がどうとか、うるさくてな。

最後には誘拐騒動まで起きて、みんな冒険者をやめたんだよ。」


ラルガとユキは頷いて

「お姉ちゃんたち、美人だもんね」

「ありがとう」

サーシャは嬉しそうに二人の頭をなでていた。


「それで、誘拐されたのは誰?」

サーシャは、困った顔になり俺の方をまた見る。

「…俺だ」

ラルガとユキは固まった。


「この辺りにいた盗賊と冒険者の何人かがつながっててな、

俺を人質に『ヴァルキリー』たちを奴隷にして好きにしようとしたらしい」

「…いた?」

その言葉をユキから聞いたサーシャは満面の笑顔になると、


「そう、マスターをさらってアジトに連れて行ったんだけど

反対にボコボコになって盗賊と冒険者は退治されましたっていうことね」


ラルガとユキは尊敬の眼差しで、俺を見ている。

「お兄ちゃん、そんな体なのに強いんだね!」


「……まあな」

俺はちょっとダイエットを考えてしまった。

それに実際は、簀巻きにされて手も足も出なかったけど

俺のチートスキルで【忍者軍団】20人を召喚して殺さないでボコボコにしただけ。

基本、俺はレベルが高いだけの普通の人間なのだ。




「マスター、素材の受け取り終わりましたよ」

「いつもの通り、今日は宿に泊まり明日ギルドで売った後町を出ますので、

こちらから念話で連絡したら私どもの送還をお願いします」

「わかった、よろしく頼むよ」


クルムドとダンレンは裏庭から裏道を通って行った。


「さて、今日はラルガとユキと一緒に夕食にするか?」

俺をみんなを見渡すと、笑顔で言った。


ゴーレム使いのパルナが

「マスターと一緒に食事なんて初めて!」

「で、今日の夕食は?」

ヴァルキリーのエルルーンが期待の目で見てくる。



「みんな大好きカレーだ!」



「「「「「マスター、大好きっ!」」」」」

「「カレー?」」


後の4人は、みんなの態度に呆れていた…





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