第59話 決意
オリビアとナタリーは考える。
帝国から弟や妹たちの命と引き換えに、奴隷に落ち迷宮都市に来て
コージ様に買われて今ここにいる。
今後はどう生きていけばいいのか、どうありたいのか…
ナタリーは、自分の手を見ながら
「私は、強くなりたいです」
「強く?」
浩二が聞き返すと、ナタリーは浩二を見て
「はい、オリビア様を守れるぐらい。
そして、オリビア様の弟様や妹様たちを探したい」
「ナタリー…」
オリビアは、そんなナタリーの言葉を聞き決意した。
「コージ様、私も強くなりたいです。
私は『召喚術』がうまく使えませんが、それでも強くなりたいです」
浩二は2人の決意を聞くと
「なら、やることは決まりだな」
「そうだな、ダンジョンでレベル上げといくか!」
「そうね、私たちも協力するわよ」
「ね~」
「でも、帝国のことはいいの?」
七瀬さんが帝国のことを聞くと、オリビアは少しうつむくが
「気にならないといえばウソになりますが、今の私では何もできませんから」
「そう…」
「とにかく、まずは2人の着替えなんかを買ってこないとな」
「それなら、私たちがついて行きましょう」
「賛成~」
「あとは部屋割りだけど、宮本君どうするの?」
「部屋割りは、フィリミアナたちの部屋に一緒ということで」
「そうね、姉妹なんだしその方がいいわね」
「買い物に行っている間に、ベッドとか運んでおきますよ」
「それじゃあ、お願いね」
「「コージ様、ありがとうございます」」
昼食を食べ終えると、オリビアとナタリーを連れて女性陣は
全員が買い物へと出ていった。
「…残ったのは、浩二とウィリアム君か」
「ん?なんか用か、洋二」
「?」
「いや、女性は買い物が好きだなと思ってな…」
「まあ、気になるんだろう?それに、心配している者もいたしな」
「帝国がそんなことになっているなんてな……」
「そういえば、オークションどうだった?」
「すごい人だったな!でも奴隷のオークションは3日目からだそうだ」
「3日目なら、ちょうどギルドに出した
買取の清算が終わっているころだから、お金が増えるかも」
「それはありがたい!」
「それと、俺も3日目の奴隷オークションに行ってみるから」
「お?ほしい奴隷でもあったのか?」
「いや、どうもオークションで何かが起きる予感がしてな…」
「それは、テンプレ的なことか?」
「……『異世界人』の勘かな」
「何だよそれは…」
「洋二様、今日のオークションはどんなものが出ていたのですか?」
洋二は、カバンからオークションに行った時にもらったパンフを出して
「え~と、1日目は『武器』『防具』が出るみたいだな」
「それって、すごい武器ともあるのか?」
「目玉商品は、『魔剣』や『魔槍』のなかなかいいやつが出るらしい」
「防具もそうなのですか?」
「おお、中には『ドラゴン』の鱗を使ったものがあるみたいだな」
「へえ~」
「2日目のオークションは何が出るんだ?」
「2日目は、『魔道具』が主だな」
「で、3日目が『奴隷』か」
「正確には、『奴隷』や『人減らしを受けた人々』ってことだな」
「人減らし?」
「ああ、戦争や飢饉なんかで村存続のために売られた人たちってことだ」
「買う人がいるのか?」
「いるみたいだぞ、特に領地持ちの貴族なんかが金を出すそうだ」
「オークションも、いろんなものが売れるんだな」
「ですね」
「まあ、俺たちには『魔眼メガネ』があるし
どんな奴隷を購入できるか、楽しみだぜ!」
(また、何か訳あり奴隷を購入してしまいそうでワクワクするな)
「そうだな、俺も楽しみにするよ」
俺は、フィリミアナの部屋に行きオリビアたちのベッドを配置すると
夕食を用意するために、リビングに向かうと女性陣が買い物から帰ってきた。
楽しそうに明るく会話している女性陣を見ると、
オリビアたちも仲良くなれたようで、少しうれしい。
夕食、お風呂と何事もなく過ごしていたのにこれから寝るかという時
オリビアが俺の部屋の前で待っていた。
これはフィリミアナの時と同じか?
「どうしたんだ?俺の部屋の前で」
「あの……」
オリビアは顔を赤くしてうつむく。
「ああ、夜伽とかはいらないぞ?」
「え、でも…」
「俺はオリビアたちを、性奴隷として購入したわけじゃないからな」
「…」
「オリビア、今は強くなることに集中すればいいと思うぞ」
「…わかりました、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
俺は、オリビアを部屋に返すとホッと一息つく。
奴隷の女性は、みんな性奴隷になるのだろうか?




