第51話 廃墟の都市
12階層を奥深く探索していると、13階層への階段を見つけ降りていく。
13階層は、その階層ごとの草原だったが、
その中央には、石壁で囲まれた区画があった。
おそらく、そこが13階層の石の通路なのだろう。
「あそこに見える石壁が、通ってきた通路か」
「あそこだけ別空間ね」
「しかし……青空ね」
「どうなっているのかな?」
「さあ~」
「とにかく、14階層への階段を見つけましょう」
「「「は~い」」」
俺たちは、草原をあちこち歩いて探すが見つからない。
襲ってくる魔物も、『獣系』と『スライム系』になっていて倒しやすい。
むろん、レベル差があるのだが倒しやすかった。
「…もう半日ぐらい探しているけど、見つからないわね」
「階段、どこかな~」
「宮本君、探し忘れている場所はある?」
「え~と、あとは石壁付近が探してないな」
「なら、あの石壁をぐるりと一周してみようぜ」
「だね~」
俺たちは、石壁をぐるりと一周すると
石壁の一部に、入れそうな空間を発見する。
「これは、あからさまだな」
「中に階段があったら、良いんだけどね」
「入るぞ」
洋二を先頭に入っていくと、
2mぐらいの横幅で伸びる通路の先に下へ降りる階段を見つける。
「どうやら、階段はここにあったようだな」
「さっさと14階層へ行くぞ!」
「「「おお~」」」
俺たちが下りてきた14階層は、廃墟の都市だった。
町の風景が広がっていて、中心部にあたるところには廃墟の城が建っている。
町をよく見ると、崩れ落ちた家や
貴族や豪商の屋敷といった建物が、ところどころ破壊されていた。
「なあ、これって『ゴーストタウン』で戦闘をしたからこうなっているんだよな?」
「てことは、魔物がそこら辺にいるってことね」
「警戒しながら、進みましょう」
「どこへ向かいます?」
「とりあえず、あの見えているお城まで行きましょう」
「了解」
俺たちは、迷路になっている街並みを進んでいく。
建物の中から出てくるのは、『ゴブリン系』や『人型ゴーレム』
さらに、『オーク系』がいた。
「なんか、廃墟というより魔物の町って感じだな」
「店みたいなところから、オークが出てくると住んでいるみたいね」
「…攻撃魔法が、使いづらいです」
「ウィリアム君、攻撃魔法は『氷系』を使うといいぞ」
「『氷系』ですか?」
「ああ、周りへの影響も少なくて済むからな」
「なるほど、わかりました」
「私たちも、それでいきましょう」
「はい」
町中を進んでいると、四方を壁で囲まれた屋敷にたどり着く。
この屋敷は壁が5mほどあり、大きな門が一つ。
屋敷自体はだいぶ崩れていたが、『英雄の宿屋』への鍵は使えそうだ。
「今日はここで、鍵を使って休みましょう」
「「「賛成~」」」
「じゃ、使いますよ」
俺が鍵を壁に差し込み開けると、そこは『英雄の宿屋』。
今日も軽快に店員のあいさつが聞こえる。
「いらっしゃいませ、ようこそ『英雄の宿屋』へ」
「また来たよ~」
「またお世話になります」
「はい!コージ様ご一行、ご案内~」
「「「いらっしゃいませ!」」」
今日の疲れをいやすため、前回と同じ部屋を取り寝ることにした。
俺たちは、今回も3人部屋だ。
「さて、今日も温泉に行くぜ!」
「そうだな、疲れを取りに行くか」
「はい!」
俺たちが温泉に入りに行くと、食堂に向かう女性陣と出会う。
「宮本君たちは温泉?」
「ええ、さっぱりしてから食事にしようかと」
「私たちは、先に食事をして温泉に入るわ」
「では…」
「ええ…」
女性陣と別れて、脱衣所に入ろうとしたとき
「なあ、俺『温泉』あとにしようかな…」
「…洋二、どうせ覗きはできないんだから入っとけ」
「しかし…」
「清潔にしていないと、嫌われるぞ?」
「よし、入ろうぜ~」
「…わかりやすいな」
温泉の後、夕食を食べ就寝となった。
そして、翌日。
「ご利用ありがとうございました!またのご利用お待ちしております」
「またね~」
「お世話になりました」
俺たちは扉を出て、再び14階層の廃墟の町へと戻る。
「鍵を閉めて、準備万端」
「それじゃ、探索再開!」
「「「おお~」」」
俺たちは再び、城を目指して廃墟の迷路を進んでいく。
「…結局、何にもなかった」
「ん、温泉でのイベントか?」
「ああ、何かあるだろ?普通は」
「…普通はそんなイベント、ないよ」
「いや、主人公ならラッキースケベなイベントがあるはずだ」
「洋二、主人公だったのか?」
「……違うの?」
「さあ、俺には分からん」
「あの、洋二様は主人公ですよ」
「ありがとう、ジニーは優しいな~」
と言ってジニーの頭を撫でている。
「えへへ…」
ジニーは嬉しそうだ。
「洋二、もうすぐ城に着くぞ」
「おお、気合入れるか!」
「はい、洋二様!」
そして、『廃墟の城』の正面の門へと到着する。




