第42話 拠点購入
俺たちはまず、迷宮都市『ウール』へ行くための資金集めから始めた。
今『アイテムボックス』の中に入っている素材を売却、
また、『相談屋』の店の修復が終わっていたので張り紙で長期休業を連絡。
屋敷や店の裏庭の『転移の扉』をアイテムボックスにしまって、
屋敷に鍵をかけて、店にも鍵をかけて出発した。
『テセラ』の家に転移して扉をしまい、鍵をかけて港から船に乗る。
『ウール』まで10日の旅だが何事もなく平和だった。
迷宮都市『ウール』に降り立つと、まずは拠点にしたい家を探した。
「まずは、拠点探しだな」
「私たち、全員が住める家を探すの?」
「+奴隷を入れた全員ですね」
「となると大きい家が必要ね」
「商業ギルドに行きますか」
俺たちは商業ギルドへ足を向ける。
『ウール』の商業ギルドは、探索ギルドから少し離れた位置にあった。
かなり大きく、中に入ると受付が10か所もある。
それぞれに担当が違うようだが、俺たちは住居斡旋の受付に行く。
「いらっしゃいませ、商業ギルド住居部門へようこそ」
「家を購入したいので、紹介をお願いします」
「はい、少々お待ちください」
この辺りはどこのギルドも一緒かな…
受付嬢は何枚かの紙を持って、
「こちらが今売り出されている住居になります」
紙を見ると、いろいろ書かれているが俺たちの条件に合ったものは1つしかなかった。
「これしかないな…」
「そうね、中心部から離れるけど」
「これぐらいなら許容範囲内だな」
「すみません、この家をお願いします」
「はい、畏まりました。では、こちらの契約書にご記入をお願いします」
「はい」
「それとお支払いは、どうされますか?」
「どうとは?」
「はい、こちらの住居は金貨500枚と大変高額です。一括払いか分割払いかを…」
「あ、それは一括でお願いします」
俺はアイテムボックスから金貨500枚を入れた袋を出し支払う。
「はい、ありがとうございます。ではこれで契約完了です、
こちらは住居の地図と鍵になります、それと売却の際はこちらで手続きをお願いします。
今日はありがとうございました」
俺たちは地図と鍵を受け取ると、商業ギルドを出て購入した家へと歩いていく。
「あの受付のお姉さん、浩二が一括で支払ったの見ても驚かなかったな」
「さすが商業ギルドね」
「毎日やり取りされるお金の金額が、半端じゃないわね」
「それで浩二、奴隷購入資金は残してあるのか?」
「ああ、それは心配ない」
「宮本君、結構持っているのね」
「『召喚術』で大抵のものが出てくるから使うことがないんだよね」
「…羨ましい」
「装備類もそうなの?」
「ええ、武器、防具、魔道具、料理、など、たいてい召喚できますから」
「でも召喚限界があるのよね?」
「人や獣なんかは召喚していられる人数、物などは同時召喚数ですね」
「チート野郎め…」
「……お、ここの家ですね」
「へえ~、結構大きな家ね」
「貴族の屋敷といってもいい大きさね」
「庭もあるし、宮本君門を開けてくれる?」
「はいはい、えっと…鍵はこれかな?」
門の鍵穴に鍵を差し込み、大きな音をたてて鍵が開く。
「あきました」
そして音を立てながら門が開いていく。
「錆びついているな…、あとで手入れが必要かな」
「玄関まで少し距離があるのね」
「ますます、貴族の屋敷ね」
「玄関、大きいな」
「はい洋二様、『リビニア』の屋敷の玄関より大きいです」
「確かに…」
俺は鍵を玄関の鍵穴に差し込み、玄関の鍵を開ける。
扉を開けると、玄関ホールが見えたが
「……広いな」
「でも、かなり手入れが必要ね」
「ならば、召喚【大工職人】」
召喚陣が光ると、10人の『大工職人』が現れる。
「お呼びですかい、マスター」
「この家なんだが、手入れや修復をお願いしたい」
「わかりやした、ではさっそく始めやす」
職人たちは家に上がり各所を見ながらどんどん手入れをしていく。
「へえ~、すごいわね」
「あとは、召喚【庭師】」
再び召喚陣が光ると、10人の【庭師】が現れた。
「マスター、お呼びですか?」
「この家の、庭の手入れをお願いするよ」
「お任せください!」
『庭師』たちはすぐさま庭に散らばりそれぞれが仕事を始める。
「仕事が早いね~」
「さて、しばらくかかるから今のうちに奴隷購入に行きませんか?」
「そうね、ここにいても邪魔そうだし…」
「だな」
俺たちは、『大工職人』と『庭師』に後を任せて奴隷商へ向かった。
「ところで、奴隷商の場所どこかわかる?」
「あ、俺がわかるぞ」
「洋二、いつの間に調べたんだ?」
「商業ギルドに行ったときに、ちょこちょこっとな」
「抜け目ないわね、神崎君」
「商業ギルドで聞いたら、中央から東側に集中しているそうだ」
「じゃあ、そこへ行きますか」
「「「おお」」」
「あ、そうだ、洋二と七瀬さんにはこれを渡しておきますね」
「これは?」
「これは『魔眼メガネ』です」
「……お前、どっかの青猫ロボットみたいに…」
「『勇者』ではない俺たちは鑑定スキルなんて持ってないでしょ、だから作りました」
「それはありがとう、宮本君」
「確かに、これは助かるな」
「相手のステータスが見れれば、どんなスキルを持っているか分かりますからね」
「でも、才能はわかりませんよね?」
「『魔眼』は『鑑定』の上位スキルだからわかるんだよ」
「それなら、私たちもほしい!」
藤倉さんと馬場さんが手を出して、
「「よろしくお願いいます!」」
俺は苦笑しながら、二人にも眼鏡を渡した。
「「ありがとう~」」
そして、みんなで眼鏡をかけて奴隷商へ向かう。




