第39話 いいがかり
『リビニア』の屋敷の庭に黄色い扉が現れる。
そして、その扉が開き中から藤倉さんと馬場さんが現れた。
「ここは、『リビニア』の屋敷ですね」
「おお、繋がった~」
さらに扉から七瀬さんと俺が出てくる。
「この『転移の扉』は.伝説の魔道具みたいね」
「まあ、俺の『召喚術』がチートだからな…」
最後に洋二とジニーが出てきて、黄色い扉は閉まった。
「これで移動が楽になるな」
「ほえ~」
ジニーは口を開けて驚いていた。
俺たちが『テセラ』から『リビニア』に戻ってきたのは、
『テセラ』の家をどう使うかの相談のためだ。
残念ながら、2階建ての家にもかかわらずとにかく狭いのだ。
1階は、リビング・お風呂・トイレ・キッチンがあり
2階は、部屋数が2つといったところだ。
全員で住むことはできないし、商売をする気もない。
『テセラ』での活動もどうかなというところだ。
しかし、こちらには『転移の扉』があるので
何かに使えるだろうと、購入を決めたのだ。
だから、何に使うかこれから話し合うために『転移の扉』で帰ってきたところである。
「ねえ、門の方がうるさくない?」
「ん~、これは例の貴族様じゃ?」
「洋二様、貴族って『アーバイン』ですか?」
『アーバイン』の名に女性陣が全員嫌そうな顔をした。
「ああ、あの声は確かに…」
「…もめているみたいですね」
「『厳つい門番』は役に立っているみたいだな」
俺たちは声のする正門へ向かう。
「……!………?……!!」
「かなり怒っているな…」
門のところまで来て、俺たちは驚いた。
門番に詰め寄っている『アーバイン』
門番の足元で倒れている騎士らしき2人の人物。
そして『アーバイン』は俺を見つけると、
「また、貴様か平民!すぐに私の妻たちを開放しろ!」
「?」
「『アーバイン』さん、私たちは自分の意志でここにいるんです」
「それに、私たちはあなたと結婚する気はありません!」
「そう言えと、命令されたのですね。可哀そうに…」
「…すごい自己解釈だな」
「平民!我が伯爵家の騎士にこんなことをしたのだ、国が黙っていないぞ!」
「はあ…」
「貴様は、事の重大さがわかっているのか?」
「さあ…」
「…もういい、伯爵家に対する敵対行動、我妻をさらった誘拐罪、
さらに『勇者』様に対する敵対行動、よって貴様には国家反逆罪を適応する!」
「え~と?」
「なあ、あいつ頭おかしくなったのか?」
「本当に、人の話を聞かないのね」
後ろで洋二達が話していると、
「平民!そこでおとなしくしていろ!」
脱兎のごとく、『アーバイン』は走っていった。
たぶん騎士団詰め所か王都に行ったのだろう。
「なんか、面白そうなことになったな」
「…」
七瀬さんは呆れている。
「宮本君たちを『異世界人』って知らないみたいないいかたね」
「でしたね」
「俺、罪に問われるのかな?」
「それはないと思うけど…」
「門番、そこ騎士を外に出しておいて」
「「了解です、マスター」」
門番の二人は騎士をそれぞれ抱えると、門の外へそっと置いてくる。
そっと置いてくるところが、優しいね~
「それじゃ、警備をよろしくね」
「お任せください」
「マスター、交代要員をよろしく」
「了解、あと1時間ほどで『召喚』しておくよ」
俺たちは門をあとにして、玄関から屋敷の中へ入っていく。
貴族さんにも、困ったものだな…




