第37話 青と赤の扉
俺は皆を連れて、屋敷の庭に出てきた。
「浩二、庭で何する気だ?」
「召喚、【転移の扉】」
足元の召喚陣から、青い少し大きな扉が現れる。
「この扉で、俺の裏庭とここを結んだから」
「え、じゃあこの扉の先は浩二の店の裏庭か?」
「そうだよ、入ってみる?」
俺は扉を開けると、その中に入っていった。
お互いを見合う5人。
「…入ってみるか」
「洋二様、私が先に入ります」
ジニーは洋二が入ろうとした扉に、先に入っていく。
「あ、ジニー」
洋二も後を追いかけるように入っていく。
「私も入ってみるわ」
「先生が入るなら、私たちも入ります」
そして、全員が扉に入るとひとりでに閉まっていく。
藤倉さんが扉から出てくると、そこには全員の姿が。
「ここは…」
「ここが俺の店の裏庭だよ」
「宮本君のお店の裏庭って結構広いのね」
「で、この扉は何だ?」
洋二の見ている先にもう一つ扉が存在していた。
「ああ、この扉も『転移の扉』だよ」
「……この先ってどこに繋がっているんだ?」
俺は赤い扉の前に立つと、
「この扉の先は、『テセラ』の西にある猫人族の町に繋がっているよ」
「猫人族とは、どうやって知り合ったんだ?」
「気になるか?洋二」
「おお、『ネコミミ』は男の憧れの一つだからな!」
「それ、一部の男の憧れだからな」
「そんなこと言うな、で、どう知り合ったんだ?」
「依頼だよ、『相談屋』の」
「そうなのか……」
「それで宮本君、この赤い扉をくぐって『猫人族の町』へ行くの?」
「そうです七瀬さん、その町から『テセラ』へ行けば安全でしょう」
「どうする?藤倉さん、馬場さん、俺はいい案だと思うぞ」
「…そうね、『アーバイン』は王都の貴族。
この町に私たちがいると思い込んでいるのなら、『テセラ』に来るとは考えにくい」
「…安全かも」
藤倉さんも馬場さんも、うんうんと頷きながら確認している。
「ねえ宮本君、いっそのこと『テセラ』にも家を持ったら?」
「おお、そうだよ。
そうすればその家の庭にこの扉を置いて直接行き来ができるんじゃないか?」
「そうね宮本君、お金なら私出すよ?」
「私も!」
「もちろん、私も出していいわよ」
「女性だけにお金を出させるわけにはいかないな!むろん俺も出すぜ」
「洋二様、私も出していいですか?」
「おお、いいぞ」
洋二はジニーの頭を撫でながら褒めいていた。
「まてまて、お金は自分で出すよ。
それよりも、いい物件があったら考えるってことで」
「それで決まりね」
藤倉さんがいい笑顔している。
「とにかく、まずは移動だな」
俺は赤い扉を開けて、その中へ入っていく。
七瀬さんたちも続いて入っていく。
「最後は俺だな…」
洋二が赤い扉に入っていくと、扉はひとりでに閉じていく。
5人は赤い扉の先にある町に、驚いていた。
そして、俺もまた驚いていた。
「なあ浩二、『猫人族』ってこんなにいるのか?」
「すまん、俺にもわからん」
「わからないって…」
「ここは、もう一つの都市ね…」
「あの中心にあるの、お城じゃない」
「…この町、『猫人族』しかいない……わけじゃないようね」
「ええ、いろんな種族がいるみたいね」
「いろんなところから集まったんでしょうね」
「……なあ『ネコミミ』が近づいてくるぞ」
「ん?ああ俺の知り合いだよ」
「例の依頼者関係か?」
「ああ」
俺は近づいてくるラルガたちに手を振る。
ラルガたちも負けずに手を振りながら近づいてくる。
「お兄さん、久しぶり!」
元気に声をかけてくれるラルガ。
ユキは俺に抱き着いてきた。
俺はユキの頭を撫でながら、
「久しぶりだなラルガ、ユキも元気そうで何よりだ」
「今日はどうしたの?」
「今この町に来たばかりなんだが、大きくなったなこの町…」
「実は、僕らがここに住んでいると
隣の国から逃げてきた人がここに集まったんだよ」
「ああ、隣の国は『王国』から『帝国』に変わったからな」
「それで避難してきた人がここに住み着いたのね」
「この人種の多さは、そのためか…」
俺はラルガたちに、
「それで困ったことは長たちが解決してる?」
「うん、みんな頑張って解決してるみたい」
「そうか、何か困ったことがあれば俺に依頼しろよ?」
「了解、お兄ちゃん」
「よしよし」
俺はラルガの頭を撫でてやる。
みんなはそんな俺の行動に、ニヤニヤが止まらないようだ。




