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ふとっちょ召喚士  作者: 光晴さん
勇者と異世界人と魔王封印
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第12話 集落のその後とイケメン


『転移の扉』を開けて、俺はラルゴたちの集落に現れる。

「…よく考えたら、ただここにみんなを連れてきただけだった」


扉から現れた俺を見て、火を起こしていた人たちの中からラルゴとユキが駆けてくる。

「「お兄ちゃん」」

俺は近くに来たラルゴたちの頭をなでると、

「忘れていたことを思い出したよ」


「忘れもの?」

俺は頷き、「みんなの家を出さないとね」

そういうとラルゴたちは満面の笑顔になる。


集落の長と数人の大人が近くに来ると、

「よろしいですかな?」

「すみません、名前を教えてなかったですね。コージといいます」

「集落の長のロッキアと申します、それで先ほどのことは・・・」


「はい、このまま連れてきただけというわけにはいかないので」

「はあ…」

「召喚、【家のカタログ集】」

足元の召喚陣から、辞書並みのページのカタログファイルが出てくると


「皆さん、このカタログにある家から選んでいただけますか?」

長たちにファイルを渡すと、ペラペラとめくっていく。

「こっ、これは!」



このカタログにある家を建てるとわかると、大騒ぎだった。

特に奥様方がすごかった。さらに長の家がもう、大変だ。

そして最も大変だったのが、町の外壁だ。


高さは3メートルぐらいのものなのだが、東門と南門を作ってぐるりと集落を囲む。

出来上がった集落は、もう町と呼んでいいだろう。



俺が『転移の扉』で帰った時には朝を迎えていた。

やりすぎた感が半端ない……



今日は昼の時の鐘の音で目が覚める。

昼食を済ませて、店を開ける。


暇を持て余していたので『神新聞』を召喚。


「あの貴族たち、ダンジョンへ潜っていったのか…」

今頃全滅かな?

「おっ、勇者の藤倉さんが復活したか」

これで、魔王の封印が……あれ?


何この『王宮が動く』って…

嫌な予感しかしないな、ちょっと準備しておくか。



次の日に商人ギルドでの買取が終わり、クルムドたちを送還し

買取金額の金貨210枚を集落の長のロッキアさんに渡すと

「これで当分の暮らしが楽になりますわい」

と喜んでいた。



さらに次の日、俺の店に女性が訪ねてきた。

「こんにちは~」

「いらっしゃいませ、七瀬先生」

「あのね、宮本君。今日は私の他にも来ている人がいるの」


すると、店のドアからイケメン騎士が入ってきた。

「初めまして、王宮騎士副団長のライネル・ロージニアと申します」

「コージ・ミヤモトです、それで何かご依頼が?」


ライネルは七瀬先生を見ると、先生は頷き

「実は、この間宮本君に作ってもらった『プリン』と『ミルフィーユ』だけど

どうしてもレシピがほしいの。何とか教えてもらえないかな?」


「いいですよ」


「えっ?いいの??」

「ええ、ちょっと待っててくださいね」


俺は二人を店に残しキッチンに入ると、用意しておいたレシピファイルを持って店に戻っていく。

「先生、どうぞ。このファイルの中にレシピが書かれています」

「ありがとう」


先生はファイルを受け取ると中身を確認する。

「…すごい、『プリン』や『ミルフィーユ』以外のレシピも書いてあるのね」

「お菓子だけですけどね」

「ほかの料理はないのかな?」


俺はイケメン騎士の質問に、

「レシピで持っていたのはそれだけです。他の料理はみんなと大差ないですね」

「そうか…」

ファイルの確認が終わった先生が、


「このファイル、貰ってもいいの?」

「ええ、もう写し終わりましたから、大丈夫ですよ」

「じゃあ、貰っていくわね」


イケメン騎士は、腰の袋から

「これは少ないが、このレシピの代金だ」

「どうも、ありがとうございます」

代金を受け取ると、イケメン騎士は外へ出ていく。


「先生、また何か困ったことがあったら相談に来てくださいね」

「ええ、寄らせてもらうわ」

そう笑顔で答えて、店を後にする。



何事もなく、終わった……




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