捜索依頼
早々と短くなってすみません。
書き足しをするかもしれません
酒場でひたすら飲んだあとそろそろ会計をすませようとサリアちゃんを呼ぶ。割り勘でウイス酒一杯分は多く払おうとしたところサリアちゃんが
「男の人なのだから女性に払わせない!」
と、説教じみたことを言われ結局全部俺のおごりとなった。
ウイス酒を十五杯、ホロポックルの唐揚げ三皿、他のつまみを二三皿ずつ。
くっそ……俺ホロポックルの唐揚げとウイス酒二杯しか飲んでいないのに……。
俺は、納得がいかないこの理不尽さに肩を落とす。
シャルルはそんな俺を見てニヤニヤしている。
……こいつはいつか痛い目に遭わせてやる。
俺は財布の中身をみる。中にはまだあるがさっきのでだいぶん懐が寂しくなった。
今回のクエストはシャルルがこなしたので俺の報酬はゼロ。
俺の金は減っていく一方で、シャルルは懐が暖まる一方だ。
納得いかねぇ……
しばらくしてギルドが見えてきた。
もう国王来たのかな?
朝からあの騒がしさには驚いたが、今ギルドの入り口の外にいる限り忙しそうな声は全く聞こえていなかった。
「あ! エイムさん! 大変ですよ!」
「ど、どうしたんですか!?」
入って早々にティファさんが焦った顔で俺に詰め寄ってきる。
「今日国王様が来られたのは今朝お話ししましたよね? 私も国王様が来るまで用件を知りませんでしたが、今回国王様がこのギルドに来たのは第一王女様の捜索クエストを依頼しに来たからなんです!」
なに! それは大変だ! 唯一の同士が行方不明だと!
ん? 捜索依頼?
「どうして、国王が直々にそれもギルドなんかに? 国の兵を使えばいいのではないんですか?」
「そ、それがどうも王女殿下は身分を隠して冒険者登録をしていたそうでそれで依頼を受けるのに必要になるギルドに訪れる可能性があると踏んで依頼に来たそうなんです。ここに直接来られたのは昔なじみのギルドマスターに協力してもらうために交渉に来たそうです。今も接客室に居られています」
そこまで聞くと、いきなりシャルルは俺の背中に隠れる。俺はシャルルを見るとサッと目をそらし冷や汗を垂らしている。
ん? こいつどうしたんだ? いや、今はこんな奴よりお姫様だ。
「あの、何か特徴とか聞いていませんか? 髪型とか髪の色とか年齢とか」
「そうですね、まずショートヘアーだそうです」
ふむふむ
「確か赤髪の少女だったと思います」
ん?
「目も赤くて、歳はそうですねー、恐らくエイムさんと同じ年くらい立ったと思います。名前はシャルル王女殿下です」
俺はそこまで聞くと目を閉じる。
俺は今日一日の出来事を思い返す。
スライムじゃなくトロールのクエストを受け、さっそうと現れた謎の美少女、その子にはすごくバカにされ稼ぎがなかった挙げ句の果てに食事代を全部払わされた。
今思い返してみれば不可解なことだらけだった。グリフォンを従え妙に自分の名前を自慢する。
俺は別にその子を恨んでいるわけではない。何しろトロールから助けてくれたのだから。
俺はゆっくりと目を開ける。
「因みに国王様からもらえる報酬はいかほどなのですか?」
「たしか儂の可能な限りなら望みを一つ叶えてやる。だそうです」
俺は、逃げだそうとしたシャルルの襟首をつかむ。
「姫様をここに連れてきました!!!」
俺はシャルルを国王の前に差し出した。