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どうも召喚魔法でドラゴンが出せない件について(仮)  作者: ナガト
どうも召喚魔法でドラゴンが出せない件について(仮)
3/5

残念美少女とはこのことか!

 村からグリフォンで数十分。あっという間にアルクスに着いた。

 グリフォンみたいな大きなモンスターを公の場に見せれるわけもなく、アルクスの門近くで降りた。


「んんーん、ああ風強かったわ」


 俺は背伸びしながら今回の飛行の感想を言う。


「グギャアアアグアア!!!」

「うお! すまんすまん! いや、速くて助かったよ。ほんと!」


 俺の感想が気にくわなかったのかグリフォンが噛みつこうとしてくる。


 おっかねえ、まるで俺の召還獣達みたいだな。……いや、俺の召還獣の方がおっかねえな。うん


 今まで召還したモンスターを思いだし、冷や汗を垂らす。



 門番に冒険者カードを見せ、アルクスの中に入る。


「なあ、このあとギルド行くんだ……ろ? あいつなにしてんの?」


 近くにシャルルが居ないことに気がつき探すと、まだ門番の所にいた。

 どうやら、身分を証明する物が無く門番と揉めているようだった。


「だーかーら! 私はシャルルよ! だからここを通しなさい!」

「あーもう、だからそれだけじゃ分かんないんだよお嬢ちゃん。なんか身分証を見せてくれ」

「だから言っているでしょ! 私はシャルル! ギルドカードを忘れちゃったからこれしか私の身分を証明することはできないわ!」


 なにやってんだあいつ。



「あーあー、なにやってんだ。すみません、こいつ俺の連れです。大丈夫ですよ」

「はぁー、ああもう分かったから。くぐってどうぞ」


 門番は眉間に手をやり、シャルルを通した。


 自分の言い分が通らなかったからかシャルルは納得いっていないように門を潜った。





「あの門番も、なんでこの街の人は私を知らないのよ」

「ん? まあ俺は昨日この街に来たばっかだからな。それまではド田舎に住んでいたから情報が届きづらいだ」

「それにしたって私を知らないなんて……」

「まあ、いいじゃねえか。中に入れたんだから」


 未だに納得いっていないシャルルは渋々「そうね」とこの話を終わらせた。


「さて、ギルドの前に酒場にでもよってウイス酒をおごるか」

「そうね! ちゃんとウイス酒二杯おごりなさいよね!」

「増えてねえか? 一杯だったろ。絶対に二杯目はおごおらねえぞ」

「ぶぅー、ケチね。そんなんじゃモテないわよ」

「余計なお世話だ! っと、そんなことより着いたぞ」


 そんなやりとりをしていたら、俺が昨日見つけた酒場に着いた。


 ここの料理美味いんだよなあ。


 俺たちは酒場のドアを開け中に入ると、「ぐあはっはっははははは」と

荒くれ者の冒険者達の笑い声が聞こえてくる。


「いらっしゃいませー、ああエイムさんじゃないですか! いらっしゃいませ! って後ろの方はお連れですか?」


 この子は、サリア。この酒場で働いている娘で昨日仲良くなっただ。茶髪の娘で元気のいい子だ。


 そんなサリアが後ろに居るシャルルを見て訪ねてくる。


「あ、ああ、ちょっとな」

「ふぅーん、昨日この街に来たばっかなのに節操ないんですね。まっ、別に構いませんけど!」

「あ、あのサリアちゃん? お、怒ってる?」

「べっつにー、ぜんぜんこれっぽちも怒っていませんよー。っさ二名様はいりまーっす」


 怒っていらっしゃる。なぜだ? 分からん。


 ジト目で見てくるサリアに席に案内してもらう。



 席に着き、先ずウイス酒を頼みそれからメニューを開いた。


「やっぱ、おつまみが無くちゃしまらないのよねぇ。あ! これとかウイス酒に合いそうじゃない?」


 そういいながらシャルルはメニューを俺に見せてくる。


「お! なかなか目の付け所がいいな。その唐揚げはウイス酒にピッタリだぞ」


 シャルルが指さしていたの、ホロポックルの唐揚げだ。

 ホロポックルは一般に出回る鳥の名前で、赤い鶏冠を付けているのが特徴的だ。いろいろな部位がありそれぞれ触感や味が違うのも魅力的で、こんかいはもも肉を唐揚げにした一品だ。




「それでは! クエスト達成と私たちの出会いに! かんぱーい!!」

「お、おーう」


 料理がすべて来たと思えば、いきなり乾杯の音頭を始めウイス酒に手を着ける。

 ああ、ウイス酒ってのはこの国でよく穫れるウイスっていう麦から作ったお酒の一つだ。この国の大人ならゲコでない限りみんなが飲んだことがあるもので、みんなに人気の酒でもある。



 あのシュワシュワが口と喉を通る瞬間とかたまらないんだよなあ。


「ぷっはぁーあ! 生き返るわあー! ねえエイム、あなた何で新米冒険者なのにあんな高難易度クエストを受けたの?」


 酒を飲む仕草も飲んだ後の仕草も若干おっさん臭いシャルルがそう聞いてくる。


「ん? いや、だからスライム亜種だと思ってあそこにいたんだて。もう忘れたのか?」

「そうだったわ。でも、スライム亜種もそうとう難易度が高いわよ。通常のスライムと違って酸が液体に混じっているから剣とかすぐにだめになるし、攻撃をモロ食らったら皮膚溶けちゃうし」


 ……え、そんなにやばいモンスターだったの?

 スライムと聞いて舐めていたけど、亜種だけにそうとうやばいモンスターに挑もうとしていたみたいだ。


「てか、それしかなかったんだよ。どれも高難易度のクエストしかなかったんだから」

「? それはおかしいわね。決して簡単ではないにしろそれなりに難易度の低いクエストはこの街には依頼があるはずよ」

「んな事言われたってなかったもんはなっかったんだよ」


 シャルルは「んーっ」と声にし顎に手を当て唸る。


「なら報酬を受け取る前にで本当にないのか確かめましょう! ンゴクッゴクッゴクっぷはあ、うまーい!」


 ちょっと格好良かったのに、台無しだよこいつ……

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