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どうも召喚魔法でドラゴンが出せない件について(仮)  作者: ナガト
どうも召喚魔法でドラゴンが出せない件について(仮)
2/5

どう見たってスライムじゃねえだろ!


 このアルクス街に来て二日目


 俺はもう一度ギルドに行くことにした。

 お金には余裕があるが最初っからクエストが上手くいくとは限らない。だから、経験値を積む為に懐に余裕があるうちから冒険者稼業に踏み入れておこうと思う。



「おはようございまーす……? どうかしたんですか?」


 ギルドにはいるとそこには慌ただしく働くギルドの職員たちだった。


「あ、エイムさん。おはようございます。すみません今はちょっと忙しくて、依頼を受けるのでしたら私にでも言ってくれれば対応しますので」


 俺に気がついたティファさんは本当に忙しそうにしてその場から去っていった。今の状況を聞きたかったけど本当に忙しそうだったから仕方がない。


「まあ、クエストが受けられるなら……」



 俺は、昨日の他に何か増えていないか掲示板の方に向かった。


「えーっと、なになにー」


 俺は、掲示板をのぞき込む。


 昨日も思ったがクエストの難易度が高い--

 トロールとか初心者のやるようなクエストじゃないし、幽霊を祓うとかそれこそプリーストとか光魔法や聖魔法でなければ無理だ。



「ん? これ良さそうじゃね?」


 俺は、掲示板から一枚の紙を剥ぎ取る。


・スライム亜種の討伐

 スライムの亜種が私の村周辺をうろついています。気が休まらないので討伐してください。


 報酬金額 19000ギル


 スライムなら知り尽くしているし大丈夫でしょ。多分スライムが少し凶暴になった程度だから行ける!

 それになんてったて冒険者の最初の敵はスライムって言うくらいだからな。それに毛が生えた程度の亜種なんてどうってことないだろ。



 依頼書を持ち、ティファさんの元に持ってく。



「あの、これをお願いします」

「あ、はい、分かりました。すみません忙しいので対応が適当で……」

「い、いえ大丈夫ですよ。本当に忙しそうですね」

「はい、実は今日この国の国王様がこのギルドに来られるんですよ」

「ああ、それで……」


 なぜこのギルドに来るのかは知らないけど確かに焦るだろな。


 ギルド内をせっせと掃除をし飾り付けをしと忙しそうに勤しんでいるギルドの職員を見る。


「はい、完了でございます!」


 依頼書にはんこが押されたのをティファさんから受け取る。


「それでは行ってらっしゃいませ!」


 俺は、ティファさんから背を向けギルドを出て行った。


 いや、本当に楽ちんでしょ。それなのにジャイアントトロールよりも高額なんて、ラッキー









 街を出てから二時間--


 晴天の空、広がる平原そして






「なんなんだよこいつー!!」





 俺はスライムに追いかけられていた。




 スライム--それは初心者の為の雑魚モンスター、俺もスライムを召喚したことがあるから分かる。

 あの、透明な液状モンスター



 …………のはずなのだが。


「なんで、液状じゃねえだよ! それにデカすぎだろ! なんでめっちゃデカくて筋肉隆々なんだよ! てか、顔きもい!」


 スライム亜種とはどうやら液状ではないらしい。

 背丈は俺よりもデカく、腕や足はモコッと筋肉が盛り上がり腹筋はムキムキに割れてる。

 そして、極めつけに息をはぁはぁさせ涎を垂らしている。


 これはスライムとは呼べない。原型から違うし強化されすぎだ!


 俺は絶対に認めないからな!




「ウハウッハウッハウッハ!」

「ひいぃぃ、なんかこいつ頬を赤らめているんですけどぉおおお!!! うああ! こっちくんな! 召喚!! スライム、おとり任せたぞ! って、ちょ、ちょっと! おまえ俺より早く走るなよ!!!」


 興奮している変態を避けるべく俺はスライムを召喚して囮にさせようとする。しかし、スライムは変態を見た瞬間にもうダッシュし俺を追い抜く。


「うっほ、うほっうほほほ!」


 変態は俺に近づくにつれて呼吸を荒くし、頬を赤らめる。


「ひぃぃいい! こ、これはあまり使いたくなかったけど--上位召--」

「行け! グリフォン!」


 どこからか聞こえてくる声が俺の声を遮る。


 それと同時に、激しい暴風が空から襲いかかり、暴風を起こしたモンスターは変態を踏み倒した。


 そのモンスターは上半身はたかで下半身がライオンの姿だった。


「ぐ、グリフォンか!? でもなんで」

「だ、大丈夫なの?」


 俺は声がする方を向く。

 そこには冒険者姿の美少女が居た。

 赤髪のショートヘアーに同じ色の瞳、俺と同じくらいの歳だろうか。


 さっきの声はこの人だったのか。


「あ、ありがとうございます。助かりまし--」

「はぁ、てかあれくらいどうにかしなさいよね」

「へっ?」


「てか、剣も持たずにジャイアントトロール亜種に立ち向かうなんてバカでしょ? ……プックススス」


 少女はグリフォンの元に歩みながら笑う。


 ……なんか助けてもらってなんだが、もの凄く殴りたい。

 いや、それよりももっと重大な事を聞いたような。


「じゃ、ジャイアントトロール……だと!? じゃ、じゃあ何か! 俺は受けたくないと言っていたモンスターと追いかけっこしてた訳なのか!? しかも亜種!? うっそだー!」


 確かにスライムのそれとは全く違うから違和感があったけど、トロール……あんなにハアハアしながら追いかけてくるものなのか……


 思い出しただけでも寒気がする。


「あんた、一体なにと戦っているつもりだったのよ」

「……スライムの亜種」

「…………っぷ、プハハハハ! やばい、超うけるんですけど! どこをどう見たらあんなゴッツいモンスターがスライムに見えるのよ! プークススス」


 ……っく、ごもっともすぎて言い返せねえ。


 俺は言い返せないのが悔しく腹を抱えながら笑う少女を睨む。


「ああ、おかしいとは思っていたんだよ。だけど依頼書にはスライム亜種って書かれていたんだからしょうがねえだろ」

「? ねえ、その依頼書見せてくんない?」

「あん? ああほらよ」


 俺は腰に下げていたポーチから筒状に丸めていた依頼書を渡す。


「うーん、依頼主が同じね。これきっとギルドが間違えているわ」


 そう言いながら、依頼書を返し。自分が持っている依頼書を見せてくる。



・ジャイアントトロール亜種の討伐

 スライムの亜種が私の村周辺をうろついています。気が休まらないので討伐してください。


 報酬金額 19000


 モンスター名が違うだけで、内容がすべて同じだった。


「プッ、まあそういうことよ。クススス」


 いいからもう笑わないでくれ……


 確かに、あれだけギルドは忙しそうにしていたんだ。あれでミスの一つもなかったらそれはそれで不思議だ。


「それでもこんな間違い方しなくてもいいんじゃないか……ん? ところであんた名前はなんて言うんだ?」

「……あんた嘆くか名前を聞くかどっちかにしなさいよ……、まあいいわ、実は私の名前はね。シャルルって言うの」

「ふーん」

「あれ? 驚かないのね。これは予想外だったわ」



 なんか、驚くことでも言ったのか? シャルルとかどこにでも居そう名前だが。もしかしたらなのある冒険者かもしれないな。それにしても胸を張って名乗るなんてどんだけ自分の名前に自信があるんだよ。


「まあ、いいや。俺はエイム。エイム・ブログレットだ」


 このあと、シャルルのグリフォンに乗せてもらい一緒に依頼主の元に報告をしに行った。






「さて、あなた確かアルクスの街からきたって言っていたわね。私もアルクスに行くからこのまま乗せていってあげましょうか?」

「いいのか! じゃあ頼む!」

「オッケー、じゃあ1000ギルね」

「金取るのかよ!」

「仕方がないわね。じゃあウイス酒一杯でいいわよ」

「結局見返りは求めるのな……」


 でも空では乗り物酔いが無いし、なにより速いからいいか。


「わぁたよ。ウイス酒な」

「契約成立ね! さあ、グリフォン、アルクスに向かいなさい!」


「クワアアアア!」


 グリフォンは空高く飛び、アルクスのある方角に向かった。








 あ、スライム忘れていた。

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