友のために
第8話 友のために
ピリリリッ!ピリリリッ!
朝、目覚ましの音で叩き起こされた俺は昨日の事を一番に思い出した。
(なんで、思い出す……)
「はぁ~、めんどくさ……今日は休も」
俺は、寝不足というのもあるがなにより篠田に会いたくないのでサボることにした。
「やっぱり、私とあなたは似てたわね」
昨日の篠田の言葉……
(……勝手なこと言ってんじゃねぇ。)
俺は、頭の中で問答を繰り返しながらもう一度眠りについた。
「今日、西浦はどうした?サボりか?」
……これ、仮にも担任のセリフか?(笑)
「翔どうしたんだろな?」
誠は心配半分、興味半分といった感じだ。
「昨日は、全然元気そうだったのにな」
……孝介、少しくらい心配しろよ。
「まぁ、なんかあったんだろ。
あいつが学校サボるくらいなんだなら…」
総一朗もよくは知らないがなんとなく関わってそうな人物に心当たりがあった。
「篠田さん、お昼休みに少し時間もらってもいいかな?」
総一朗…勘良すぎだぞ(笑)
「いいよ。」
篠田は、笑顔で答えた。
………昼休み
「それで?お話しってなにかな?」
篠田はいたって冷静に話す。
「昨日、あいつを呼び出したのって篠田さんでしょ?」
「そうだよ?
でも、なんでわかったのかな?私って、そんなに遊んでそうかな?」
篠田は、あっけらかんと答える。
「別に、前にあいつからそんな話しを聞いたから。
それより、昨日あいつを呼び出した時になにしたの?」
総一朗は真意を掴ませない篠田にイライラし始めていた。
「ん~っ、別にお話ししただけだよ?
翔君の…本質について」
「……っ!?
あいつの気持ちに気付いたのか?まさか、その理由を聞いたりしてないよな?」
総一朗は、冷静だが内心では激昂している。
「聞いたよ?
そしたら、彼は話してくれたよ。「誰も信じてないからだ」って。
やっぱり彼は私と似てるよ。」
篠田は嬉しそうに語る。睨んでくる総一朗を気にもとめずに。
「そうか…あいつが話したなら俺はなにも言わない。
けど、それでお前の疑問はなくなったろ?もう、あいつに関わるのはやめてくれ!」
総一朗は、怒りを納めて頭を下げて頼んだ。
…しかし
「いやだよ?だって、私は彼に興味もっちゃったし。
彼なら私の中の空っぽを埋めてくれるかもしれないんだもん。」
篠田は期待を込めたセリフで話す。
「…………それは、あいつの過去を知らないからそんなことが言えんだよ!
昔のあいつは、あんなんじゃなかった!
興味本位で、あいつの心に立ち入るな!」
総一朗は今までに誰も見たことがないような怒った顔で叫んだ。
「ふふっ。
じゃあ、興味本位じゃなかったらいいのね。」
総一朗の必死の叫びでさえ篠田には届かない…
「私は彼を愛してあげる…そして、彼にも私を愛してもらう」
「…………………………っ」
もう、総一朗はなにも言えない。
篠田は決意を新たにした。
自分の中の空っぽを埋めるために、そのためだけに…