黒と白①
氷属性魔術とは
属性魔術のひとつ。
火、雷、土属性を苦手とし、水、風属性を得意とする。
土属性と同じく他の属性が使えない分、土属性を除き他の属性魔術よりも強力である。
攻撃力、防御力もともに高く、さらに空気そのものも冷気で凍らすこともできる攻撃範囲は広い。
『強大な力の発生を観測』
「位置は?」
『日本国内。MM率いる組織の本部から西に20キロほどのところですね。その被害状況から見てランクSの規格外と思われますね』
「属性の特定はできますの?」
『難しいですが・・・・・。可能であれば国内に潜入したスパイと連絡を取って見ます。少々お待ちください』
「おうおう、ふざけんなヨ。ここまで来て本国に引き返すとかそれだけはやめてほしいゼ」
「それは私に対する冒涜ですの。時空間魔術で補足される可能性があるからと言って私の教術を使ってこんな広い海を横断したのですのよ?」
「そのことについては感謝してるヨ。そのおかげで俺はずっと寝れたしヨ」
「か弱い女の子に重労働させていた男の言うことじゃありませんの」
『もしもし、いいですか?』
「よう、スパイに連絡取れたか?」
『はい。どうも、使われた魔術は火属性だったと思われるようです。山が一瞬のうちに焼け野原となったそうです』
「ランクSで火属性となると浮かんでいる人物はひとりですの」
「フレイナ。最強の炎の女・・・・・カ」
「フレイナはどうして力を使ったのか分かりますの?」
「まさか、別勢力との敵対とかじゃねーよナ?例えば、黒の騎士団とカ」
『詳しいことはこちらも現場を見たわけじゃないので分かりません。ですが、黒の騎士団の使者が日本に入った形跡はありませんし。黒の騎士団の本国の方でも大きな動きはないみたいですね』
「なら、よかったですの。黒の騎士団の邪魔が入ってしまえばめんどうですの。ただでさえ、あの国には4大教術師のうち二人もいる。さらに徳川拳吉も相当の猛者だという噂も耳しますの」
「本当に俺たち二人だけ大丈夫なのかヨ」
『お二人の力があれば大丈夫でしょう。ふたりで1万軍勢と大差ないと言われているじゃないですか』
「いくら数がいても意味がないことだってありますの」
『ちりも積もれば山となるというじゃないですか。大丈夫です。しかしながら、もしも危険だと判断したらこちらに連絡ください。回収は時空間魔術で行います』
「分かったヨ。それよりもダ。本当にあいつはこっちに来ているんだろうナ?」
『その点に関しては問題ないです。当初の計画通りに彼はこちらの世界にやって来たようです』
「問題はなぜフレイナが力を使ったことですの」
『詳しいことが分かりましたら報告します。作戦開始まではあとどれくらいですか?』
「3時間といったところですの」
「待ち遠しいゼ。早く会いたいゼ。そんでもってもう一度死んでもらおうじゃないカ」
「無理は禁物ですの、グレイ」
「分かってるヨ、フローラ」
『では、幸運を祈ります。グレイ・アイズン、フローラ・ザイス』
「おうヨ!」
「任せてくださいの」




