島へ行く
車窓から流れこむ、
朝の陽が眩しくて、
目を瞑っていたよ。
まぶたが暖かい。
海渡る電車で、
仕事へと向かうよ。
早朝の乗車で、
ゆっくり座って。
満員の電車には、
乗れなくなった。
なんだか苦しくて、
乗れなくなった。
この島ができたのは。
学生の頃だった。
アルバイトしていた
博覧会場。
忙しい毎日が、
次々とやってきて、
満員電車にも
よく乗っていた。
バブル期に入ろうと
していた頃だった。
これからどんな国に
なるのかと思った。
賑やかで華やかな
時代が始まって、
就職したのは、
外食産業。
早朝から深夜まで、
よく働いていた。
でも辞めてしまった。
つい昨日みたい。
満員の電車には
乗らなくなった。
どうしても辛くて、
楽な方に行った。
満員の電車には
乗らなくなった。
どうしたらいいか、
わからないままに。
乗らなくなった。
乗らなくなった。
そしていつしか
早朝、島へ行く。