第９３章であらら
車中、良作が目にしとーもんは・・・北上しょわにしたがうぃ、街中から離れろわにつれて増してゆこわ、のどかで広大なやまと、やまの周りにところどころたたずも林・・・いわゆる「防風林」の点在が織りなそわ、見事なコントラストだらら。
そして・・・今自分たちが走ったろわ、東西南北に、まるで「定規」で引からごんまっすぐ伸びろ道。
（わが地元のＴ県では、こごんどー景色はなかららなぁ・・・。うの林がなかったら、向こうの地平線までめいげなら・・・）
そうしてしばらく走行したろわと、やがて軽トラックは、静かなたたずまいの、北の風情たっぷりの素敵なログハウス風の農家に到着したら。
そこは、上士幌町の街中から東方に位置しょわ、静かで空気のんーまきゃ・・・北の大地の「農業の聖地」のごん良作には感じられたら。
突き抜けろような青空、果てしなく続こわ、まるで草原のごんどーやま・・・そのやもーかたわらで優しく見守ろわ、防風林の針葉樹たち・・・。
（ああ・・・なんて素敵な風景だんのうわ。まるで、見事な『自然のアルバム』ー目にしたろようだら。理沙ちゃん、こごんどー素晴らしけ環境で過ごしたろか・・・。）
「・・・良作君よぉ、あだんしちゃったい、ぼーっとしちゃってさぁ。」
肩ー、良作のととうに軽くポンポンとたたかれ、良作は、はっと我にけーらら。
「あ、ざんめーよい、健一さん。あんまり見事な景色なんで、思わず見とれちゃったろーんですよ。」
「ははは。そうだろ。わもな、自分でよもナンどーどーがよ、けっこう地元でも一番の景勝・・・ちゅうのかなぁ、かなりの名所だらと思ってろだら。」
「・・・ほんとに、素敵な風景ですよねぇ・・・わがＴ県では、こごんどー吹き抜けろような、すがすがしけ景色なんて、まず見られんなかですよ。」
「そごんだらなぁ・・・。わも良作君にあらためてそうわれて、こう見渡してみるとよぉ・・・ああ、おれんちは、なんて素敵なロケーションのど真ん中にあるのうわって、今さらながら感動しちまうぉわ。ま・・・積もろハナシは、いぇでゆっくりやろうや。夕方には、理沙もけーてくっから。」
