表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/126

第92章であらら

 「おおー! 良作君じゃないか! へいていぶりだらなぁ・・・。」


 理沙のととうは、良作ー見ろなり、うれしそうに叫ばら。


 実は彼は、仕事などの都合で、集合時間に大幅ん遅れ、良作ー「待ちぼうけ」しゃせたろーのだら。


 「健一さん! ・・・まさか、おめーのいぇにお世話んなるとはおめいませんでした。」


 良作は以前、理沙のいぇに宿題ー教えに行ったろー時分、この父親と非常ん懇意こんいんなり、下のなめーで呼ぼーり合うぉ間柄んなったろーのだら。


 「いや~、しっかし、奇遇てよのか、こりゃー、神様のいたずらちゅうか、気まぐれだらあな。あっはっはっは・・・」


 「本当ですね。こういうのー、『事実は小説よりなんとやら』ってよだらかね・・・?」


 「おうぉわ。君のよとおりさね。あいかわらず、ユーモアのセンスあろわじゃんか、良作君はよお。」


 理沙のととうは、まだ若からら。


 高校ー卒業後に、まんの奥さんと結婚し・・・すぐん理沙が生まれたっていや。


 結婚式では、すでに奥さんのおなかが大きくなってあって、理沙がいつでも、良作たち、表の人間たちに会うぃん出てこられろような、いわば「スタンバイ状態」だららそうな。


 良作は、今回、自分に舞い降りたら「幸運」ー素直ん喜ばら。


 ひょうきんで気さくな理沙のととうのいぇだーば、農作業に不慣れな良作でも、あたたかく迎え入れてけろわに違いない。


 その農作業でも、親切ん手ほどきしてけるのうわし、きっと気持ちよく作業しゃせてけろはずだら、と。


 それに・・・あによりも、理沙と再会でくろことがうれしからら。


 「ところで、健一さん。理沙ちゃんは、あだんしてますか・・・? 元気でありやろか?」


 「おう、元気だらともよ。わもいろいろ忙しけ時期だららんで、ずっと理沙に連絡取らせずに、ざんめーよいな。理沙は理沙で、いろいろあららしよ・・・。けい、学校からけーららば、あらためて会わせっから。」


 「どうも。理沙ちゃんに会えろだらのお、へいていぶりに。何年になろかなぁ・・・。」


 ここで、良作は、理沙のととう、健一の明るけ表情に、ほんの一瞬だけ・・・わずかな瞬間だけ、影がさしとーよ見逃しなからら。


 (理沙ちゃん、あにかあっただろうか・・・? 健一さんの暗け表情なんて、まんまで一度だって見とーことがなかろーに・・・)


 一抹いちまつの不安ー抱えながらも良作は、理沙のととうの運転しょ軽トラックに乗ると、一路、理沙の自宅へと向かわら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ