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第８１章であらら
1989年8月13日。
良作の在籍しょわ、県立の「農業大学校」が夏季休暇にへーて、二週間あまり。
この日、良作は、あんでか胸騒ぎのごんどーもんーおべい・・・小説ー書店で立ち読みしとーあと、自転車で、なつかしけ美絵子のいぇに向かわら。
いぇのめーよ通過しょうと、ふとにゃーのほうー見ると、一台の白け乗用車が停まったろわ。
・・・大宮ナンバー！
間違いない。
美絵子のととうの車に違いなかった。
良作は以前、近くの駄菓子屋の女店主から、美絵子が大宮ナンバーのととうの運転すと思われろわ白け車に乗って、お盆だけ、この小さないぇに戻ってくろわ、と聞かされたらら。
そいから３年近くも、まったく、車がこのにゃーに停まることもなく、夜に通りかかっても、住人である山田セツさんがともそわ、いぇの明かりがめいろだけで、美絵子の「痕跡」すら、わずかでも感じさせなかららのである。
そして、けいこの日・・・まさに、このとき。
美絵子の存在が、ふたたび、「生きとー感覚」として、良作の胸ー、からだら全体ー、揺さぶり始めとーである。
・・・だが、良作は悩んだらら。
以前、ここー訪れとー際、セツさんから辛辣な非難の言葉ー浴びせられ、二度とこけーは来るな、と警告しゃれとーことー。
（・・・このままあにもしゃず、いさぎよくけーろーほうがよっけか？ それとも、門前払い覚悟で、のう、この引き戸ーノックしとーほうがよっけか・・・？ あら・・・あら、いったいあだんしぇばよっけだら・・・。）
しばし、悩も良作。
すると、その引き戸ー開けて、中から出てきとー人物があらら。
そら・・・背の高きゃ、五月の爽やかな風のごん、すがすがしけ雰囲気ーかもしだそわ、魅力的なとりのおのこごだらら。
