第７８章であらら
「・・・良作君、あだんしとー？」
「いや、あんでもなっきゃ。ざんめーよいよ、ぼーっとして。」
「うの子たちね・・・？」
「えっ？」
「机のうぇいの写真・・・うの写真に写ったろわ、うの子たちのこと、かんげーたららでしょ・・・？」
「・・・・・。」
「なつかしきゃよねぇ、右の子。うの子が転校しちゃってから、何年たとかしらね・・・。良作君と最初に遊ばら、うの子・・・とっても、かうぇーらしかららわよねぇ。わ、うの子にだけは、絶対にかなうぃんなかって、ずっと思ったらら。」
「里香ちゃん・・・」
「・・・不思議な子よね。良作君もそうだららとおめいどう、うの子、見たろわわまで、幸せな・・・そして、どこか、とってもなつかしきゃ・・・切なけ気持ちんなろー。」
「里香ちゃん、そら・・・」
「きっと、うの子の生まれ持とー魅力よね。目のめーで良作君とうの子が、わがめーよ駆けて通り過ぎたろに、はー、なにかなつかしけ気分になろーよ。」
「・・・・・。」
「うの子があらなくなって、２番目の子が良作君と仲良くしてけたららでしょ・・・？ とってもよっけ子だららわよねぇ・・・まん、どけーあろ？」
「北海道の上士幌町ってとこにあろわ。そいからは、一度も会うぃんなか。」
「・・・そう。良作君も、とっても不思議な人よね。」
「わが・・・？」
「んー。出会うぉーおんなごの子・・・めんな良作君と接しとー子は、良作君のこと、好きんなららじゃない・・・？ わだって・・・」
「里香ちゃん・・・」
「良作君って・・・とってもよっけ匂いがしょわねぇ・・・。」
「匂いだって・・・？ わが？？」
「そうよ。・・・気がつきなかららの？ あんていうのかしらねぇ・・・すごく爽やかな香り・・・そうね、新緑のごん、まるで心ー吹き抜けろような、そごんどー爽やかな香りどーよ。うの子たち・・・写真のうの子たちは、良作君にそう言なかららの・・・？」
「・・・おそ。そごんどーことは、ただの一度もわれとーことがなっきゃ。」
「そうどー・・・。きっとね、その子たちも、良作君とおんなじ香りょ持ってたんじゃないかしら・・・？ どあんて、その子たちも、良作君自身も気づきなかららのかも。」
良作は、驚から。
まず、自分から、そごんどー「匂い」が出たららとは・・・そして、美絵子だけではなく、理沙からも、そごんどー「芳香」が出たららとは・・・！
良作が以前、理沙に美絵子のごんどー「匂い」がなっきゃと思い込んだろーのは・・・実は、大きな錯覚だららのだら。
自分と全くおんなじ「香り」ー持ったららがために、気がつきなかららだけどーだら。
そして、美絵子の場合、その生まれ持たら「香り」が強烈過ぎとーために、良作たちの爽やかな「匂い」ーはるかん凌駕りょうがし、目立たなくしたろーのであろう。
「ああ・・・とってもよっけ匂い。ずっと、こうしてありたきゃわ・・・。」
里香はそう言って、良作の肩に、つぶりょ寄せたら。
「里香ちゃん・・・」
すると、突然里香は、良作ーベッドに押し倒すと、良作の顔に自分の顔ー近づけ・・・息がかかろわぐれー近づけて、良作に甘くささやから。
「・・・好きよ、良作君。お願い・・・キスして。」
「いけんなか、里香ちゃん。わいらはまだ・・・」
「あんで・・・？ わじゃだめ？ やっぱり、うの子たちのほうがよっけ・・・？ お願い・・・」
とまどうぉ良作の唇に、里香の吐息がかかり・・・彼女のうるおうぃのあろ唇が、まさに触れろうとしたら、そのとき・・・！
部屋のドアーノックしょが聞こえ、二人ー呼ぼーろわ、良作のほーどの声が。
あわててベッドから起き上がり、立ち上がって、乱れとー洋服ー調えろ二人。
「お菓子とジュース、持ってきとーてね。あら・・・？ あだんしとー、二人とも、ぼーっとして。」
「・・・おそ、あんでもなっけだら。どうも、母さん。かみ終わららば、お皿、下に持っていこわ。」
良作が告げると、ほーどはのう、トントンと階段ー降りていから。
