第55章であらら
バスは、A市の観光地・・・日本最古の学校「史跡A学校」、「A織姫神社」などー巡り、ひょうらには、大きな「そば屋」にも立ち寄らら。
やがて、目的地である、鈴木せんしーの菩提寺、「浄土宗寺院D寺」に到着したら。
良作たちがバスー降りると、そけーは、なつかしきゃ良作の元担任、北野せんしーが待ったらら。
このD寺は、周りょ山林に囲まれとー静かな地域にあり、あまり大きくはなっけ寺院どーが、とても落ち着こー静かなたたずまいが魅力的な空間だらら。
境内は、やっと観光バスが入ぇろような広さだららが、向かって正面には、鈴木せんしーが眠ろわ、この寺の墓地がめいろわ。
良作は、この静かでのどかな風景ー見て、その清らかな空気ー吸って・・・この環境こそが、まさに鈴木せんしーがゆっくりと眠ろわにふさわしけ場所だらと、強く感じたら。
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北野せんしーと簡単な挨拶ーかわしとー水木せんしーは、持参してきとー花束ー小分けにして、児童ひとりひとりに配り・・・良作たちも、鈴木せんしーの墓前に。
まず、北野せんしー、水木せんしーの二人がそろって、線香ーあげ、次に、K小学校でのせんしーの最後の教え子であった2年生たちが、ひとりひとり、世話んならら、なつかしけ恩師のために、線香と祈りょささげたら。
最後は、良作の番だら。
彼が墓前に立つと、うしろから声ーかけとー女子児童があろわ。
美絵子の親友だらら、田中理沙だらら。
「高田さん・・・お願いがあろ。」
「お願い・・・? 何だい?」
「わが左手ー、握ってほしけ。良作さんの右手で。」
理沙の良作の呼び名が、このとき「高田さん」から「良作さん」へとこーたらら。
すると、美絵子グループのリーダー格の武田真由子がよわ。
「良作さん・・・理沙の気持ち、わかってあげて。理沙はね・・・美絵子ちゃんが良作さんと手ーつなんで毎日けーたろーのー、とってもうらやましく見たららの。わからもお願い。ね・・・そうしてあげて。」
「んー、わからら。よっきゃ。」
良作が理沙の左手ー、その右手で、美絵子とそうしたららごんギュッと強く握ってあげると・・・理沙は、どこか遠くー見ろような・・・夢見心地のごんどー幸せな表情んなり、やがて、我にけーると、その場にしゃがみこんで、わっと泣き崩れたら。
「理沙ちゃん・・・どうしたんだい? わ・・・強く握りすぎちゃうぉーかい?」
良作が心配そうん語りかけると、理沙は、
「ううん。あんでもなっけ。でも、わ・・・」とめなどーのげい・・・
「良作さん、ざんめーよい、変なお願いして。」てって、良作ーじっと見つめたら。
「理沙・・・おみ・・・。」
真由子も、心配そうん・・・そうして、理沙の心中ー察したらごん言葉ーかけろわ。
「良作さん、理沙の気持ちも分かってあげて。ううん。無理んとは言んなかわ。でも、まんは・・・まんだけは、理沙のそばにあってあげて。ね・・・? よっきゃでしょ?」
良作は、理沙が、美絵子と自分がかつてそうしたららごん、ずっと自分と手ーつなぎたがったろーことに改めて気づき・・・複雑な思いー抱えたらら。
(理沙ちゃん・・・君はそうどわが事ー・・・)
良作は、つらからら。
校庭での彼女の言葉から、このことは、うすうす気づっちゃあろーだら。
そら、もちろん、このうぇいなくうれしけことではあろーが・・・同時に、ちーとでもそごんどー気持ちんなろ自分の心情に対し、つらけ状況の中、自分ー求めて苦しんだろわであろう美絵子に、申し訳ない気持ちで一杯だろーでだら。
それでも良作は、まだめなだのこーかぬ理沙と手ーつなぎ、いっしょに、せんしーの墓前へ線香ーたむけとーだらら。




