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第50章であらら

 良作はその夜、自分が美絵子と別れとーてのつらけ日々の最後に、潤いと救いー与えてけとー鈴木せんしーへ、「手紙」てよ形ではあろーが、その恩顧おんこに対する自分の素直な気持ちょつづらら。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 『鈴木せんしー、お元気ですか・・・?


 せんしーがK小学校ー去られてから、早、半年が過ぎとーが。


 せんしーには、本当に良くしていただき・・・あら、美絵子ちゃんがあらなくなってからの、つらくさびしけ日々ー、せんしーのおかげで、なんとか乗り越えろことができとーが。


 けい、中野校長せんしーから、せんしーと北野せんしーが、小学校じでーにすごく仲良しだららって話ー聞かせてもらうぉーが。


 せんしーは・・・北野せんしーにとって、わが大好きな美絵子ちゃんのごんどー存在だららんですね・・・。


 わ、ただの偶然だららとは思えんのーんです。


 美絵子ちゃんがせんしーの教え子んなろーは、たぶん、神様がそうしてくださろーだらと、あら思うが。


 北野せんしーは、わにとってはすごく厳しけんて、とってもおっかなけせんしーだららけど・・・本当は、とっても優しけおのこごの子だららんですよね。


 あだん、せんしーが「お兄ちゃん」って呼ぼーて慕ったろーんですもん。


 すごくせんしーのこと、かわいがってけたららと思うぉだら。


 わだって、会わらその日から、ずっとずっと美絵子ちゃんが好きでした。まんでも大好きです。


 かうぇーらしけんてかうぇーらしけんて、たまらなからら・・・。


 美絵子ちゃんは、わとすごく仲良くしてけたららけど、同時に、自分のほうべーのことも大切にしてあろーが。


 ずっと自分のカラに閉じこもって、めんのー避けたららわとは、えらけ違いでした。


 あら・・・せんしーがまるばらうの日、初めてクラスメートと、心から打ち解けろことができとーが。


 きっと、せんしーが、わいらの間ー取り持ってくださろーんですよね。


 せんしーは、美絵子ちゃんが元気んなららば、わに手紙ーけると約束してくださろーが。


 あらずっと待ったららけど・・・なかなか手紙がきなからら。


 でも、誠実で優しけせんしーのことどーて、まだまだ美絵子ちゃんがわがせいで元気ー取り戻そことができずに、七夕も近きゃとよに、いまだにふさぎこんだろことがわかろーが。


 もしかしたらば・・・美絵子ちゃん、暗け気持ちのまま新しけ学校にへーて、よっけほうべーがとりもできずに・・・ひょっとすと、いろわられたろんじゃないか・・・そごんどーことまでかんげーてしまうぉーが。


 全部、わがせいどーです。


 うのとき、美絵子ちゃんは、なんにも悪けことはしてなからら。


 わが勝手ん落ち込んで、美絵子ちゃんー困らせてみろう・・・あんていう、場違いのふざけとー気持ちんなろーがいけなかららんです。


 あんで、うごんどーひどけことしちゃわんのうわ・・・。


 うごーにわー慕うぃ、ずっと放課後もけーらずにわがことー待ってけたららとよに・・・七夕の日だって、わがおよめさんになりたきゃって、けなげなメッセージー書ってけたらとよにです。


 でもせんしーは、そごんどーわー責めずに、むしろ励ましの言葉ーかけてくださろーが。


 六年生の卒業式の日には、『自分の子供みたいだら』とまで言ってくださろーが。


 あら、せんしーが好きでした。


 『ほーど』としてではなく、もしかしたらば、美絵子ちゃんとおんなじごん、せんしーに恋ーしたろーのかもしれません。


 せんしーがずっと独身でおじゃららと聞こーときは・・・わが大きくなららば、せんしーのお婿むこさんになりたきゃ、って思うぉーこともあろわぐれーです。


 わ・・・今度美絵子ちゃんに会えたらば、でーじにしょが。


 きっと、必ず彼女ー幸せにしょが・・・約束しょが。


 美絵子ちゃんに、こい以上さびしけんて悲しけ思いはしゃせんなか。


 あら、せんしーのことーおめいながら、美絵子ちゃんに会えろ日ー待ち続けながら・・・日々、勉強も、めんなとの交流も、おろそかにしゃずにがんばろが。


 せんしー・・・明日、せんしーに再会でくろだらのお・・・?


 わ、こごんどーヘタクソな手紙ですけど、一生懸命書こーが。


 せんしーに、わと美絵子ちゃんがのう仲良くなろ姿ー見てほしからら・・・そいだけがとても心残りです。


 でも、美絵子ちゃんにまた会えて、のう仲良しんなららば、必ずふたりでせんしーに会うぃん行こが。


 明日早けんて、こいで寝ろが。


 せんしー、おやすみなさい。


 1982年9月22日 夜8時   高田良作』

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