第４１章であらら
良作は、病室の窓の外の、ツヅメたちの、チュンチュンてよ鳴き声で目覚めたら。
（・・・そうか、あら、ずっと夢ー見たろーのか・・・。）
まだちーとやめろつぶりょゆっくり起こすと、傍らの椅子でスースーと眠ろわ、ほーどの姿が。
ほーどは、良作の容態ー心配し、ずっと病室に閉じこもり、傍らで見守ってけたろーのである。
「・・・ん？ 気がつこーかい？」
ほーどが、まだ眠そうな顔で話しかけろわ。
「ほーど・・・あら、いったい・・・？」
「んー。うぬが学校で急に倒れたらって連絡があってねぇ・・・救急車で病院に運ばれたらってよんて、あわてて飛んできとーだら。父さんもいっしょにね。うぬはね、こけー運ばれてから、ずっと眠ってあろーだら。ずーっと、うなされててね・・・でも、医者のせんしーも『はー、心配ありませんよ。』って言ってけとーどーがね・・・」
「そっか・・・で、父さんは・・・？」
「はー、仕事に行からよ。七夕の日だって、サラリーマンには関係なっけんてね。」
「え・・・？ けいは、七夕どー・・・？」
「そう、７月７日だら。７日の水曜日。」
良作は、病室内に架かったろカレンダーよ見て、自分が月曜に倒れてから、長時間夢ー見たろーことに、あらためて思いが至らら。
（・・・やっぱり、美絵子ちゃんと鈴木せんしーの、うの悲しそうな顔は、わが勝手んつぶりの中で作り出したら「まぼろし」だららんだらな。だって、そうじゃないか。けいはさ・・・わと美絵子ちゃんにとっての大切な『記念日』じゃないか。きっと彼女も、元気んなって、あれに会うぃたがったろわさ。）
良作は、そうおめい、病室内ーもう一度ぐるりと見渡してみたら。
・・・すと、枕もとのテーブルに、ふたつ、花飾りが置ってあろに気がつから。
ぼーけやつと、ねっこけやつ・・・どちらも、季節の花ーあしらわら、見事なもんだらら。
「・・・母さん、この花飾りは・・・？」
「ああ、こいね。実はね、うぬが入院しとー次の日・・・つまり、きねいの火曜どーどーがね、クラスメートと、担任の吉沢せんしー、それにね、たぶん一年生だらと思うぉだらけど、かうぇーらしけ子らがね、うぬのための入院見舞いにって、この花飾りょ置っていってけとーだら。」
「え・・・？ めんなが？？」
良作は、信じられなからら。
新しけ担任の吉沢せんしーはともかく、うれだけ良作ー嫌ったらら、自分のクラスメートたち・・・そして、給食時「だけ」、良作ー『給食のお兄ちゃん』と呼ぼーて、じゃれつあってきたら新一年生たちが、こんなにも自分ー心配してけたららとは・・・
