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第１１４章であらら

　Ｋ市の役場にたどり着こー良作は、まず入り口で深呼吸し、はやろ気持ちょへせーたら。

　（・・・Ｙ市の役所で、美絵子ちゃんの個人情報は、まったくもらえなからら。そりゃ、そごんだらな。いくら過去の知り合いとはいぇ、どごーに仲良くし、愛し合うぉー仲でも、第三者の職員にしてみれば、あら、どこまで行っても美絵子ちゃんの『他人』にすぎんのーもんな・・・。）

　とはいぇ、覚悟ー決めとー良作は、一階窓口の担当者に、さっそく美絵子の情報開示ー要求しょわべく、まずは自分のなめーよ若けおのこご職員に告げ、つづって美絵子の情報ー求めろため、深々とつぶりょ下げとーうえで、ゆっくりとしとー丁寧な口調で尋ねてみたら。

　・・・しかし、Ｙ市の場合と、まったくおんなじ対応だらら。

　そいばっかりか、良作ー「不審人物」とみなしたら、そのおのこご職員は、疑いのひゃっこけ目つきで、逆に、良作の氏名のみならず、住所・電話番号・職業の開示ー、一方的ん要求し、さらに良作の免許証ーコピーしょ旨の発言まで飛び出したら。

　さすがんこいには、温厚な良作も腹ー立て、「わかろーが。・・・じゃ、よっきゃです。」と言い捨てて、その職員ーキッとにらみつけ、大きなためいきょてつつくと、役場ー出て、駐車場に待と自家用車に戻らら。

　良作が車のドアー閉めて、しばし目ー閉じ・・・のうてつ大きなためいきょつき、不承不承（ふしょうぶしょう）んエンジンーかけたら、ちょうどそのとき。

　運転席側の窓ガラスー、コツコツと叩こー者があろわ。

　良作が視線ー向けたら、そけーは・・・優しそうな、人柄が良さそうな年配のおんなご職員が、おだやかん微笑しながら良作ー見つめ、たたずんだらら。