兵士(仲間)の出会い
学校のチャイムが鳴った。
「はーい。今日の授業はここまで。みんなまとめといてね〜」
ライトはみんなを見送りつつ、本を片付けた。教授室に入り、椅子にもたれた。
「はぁ〜ちかれた〜」
机に置いてあったコップに何かを唱えると、コップの中から水が出た。
「やっぱ授業後は喉が渇くよね〜」
コップの水を一気に飲んだ。すると、ノックが聞こえた。
「ん?入ってもいいよー」
扉が開いた。
「失礼します。ライト先生」
桶谷が何かを抱えて入ってきた。ライトはそれをみて驚いた。
「ん!?桶谷くん…それ…」
桶谷はなんとクロを抱っこしていた。クロはスヤスヤ眠っていた。
「実は、さっき大学の校門前に置いてかれてて…たまたま通ったら居たんですよ」
そう言うと、桶谷は手紙を渡した。ライトは手紙を見た。
『ライトへ 育児に疲れたので少し面倒みて。しばらくしたら取りにきます』
ライトは怒りで満ちたが、クロを見ると怒る気力を無くした。
「すまないな。この子は…姉さんの子でな」
ライトは桶谷からクロを受け取った。
「そうだったんですか…それにしても、育児放棄とは」
「桶谷くん。ごめんな。手間かけてしまって」
ライトは桶谷に謝った。
「いえいえ。僕は別に。それに、誰にも気づかれなかったら、この子も大変なことになってたし。気づいてよかったです」
「ありがとう。で…申し訳ないが、今日はもう帰るよ。クロの面倒もないとだし」
ライトはクロの顔を見た。
「わかりました。研究室のみんなに伝えておきます」
「あぁ。ありがとうな」
「では、失礼します」
桶谷は教授室を出た。
「はぁ〜全く。クロ。叔父さんと一緒に城へ帰ろうか」
クロを優しく見つめ、ライトは指を鳴らした。
「ウルフ。ただいま」
ライトが部屋に現れた。
「おかえりなさい。ライトさん」
ライトが振り向くと、クロが目に入った。
「あら。クロも。いらっしゃい」
「また姉さんが置いて行ったんだ…」
ライトはため息を吐いた。
「でも、また会えて嬉しいよ。クロ」
クロは笑顔だった。
「あの…ライトさん」
「なんだ?」
「実は今日、兵士が入ってきたんです。今は各自部屋で休んでいます」
ライトは驚いた。
「おぉー。やっときたか。会っても大丈夫かね?」
「はい。今連れてきますね」
「あぁ。頼む」
ウルフは部屋を出た。
「楽しみだな。クロ」
ライトは椅子に座った。机にクロを置き、クロの体を観察した。
「…やはり痩せてるな」
すると、ノックが聞こえた。
「入って」
ウルフは兵士を部屋に入れた。十数人いた。緊張しているのか、皆震えていた。
「まぁ、緊張するよな。でも、安心しな」
ライトは優しい口調で兵士たちを落ち着かせ、自己紹介をした。
「私はライト。そして、私の秘書を務めるウルフだ。君達が最初の兵士になる。だが、城としての機能はまだなってない。そこで、私たちと一緒に城を築き上げていきたいと思う」
兵士たちはライトの話をしっかりと聞いていた。
「まず、君たちの役割は基本は城の護衛だ。ただ、護衛と言っても役割や所属も複数用意する。もちろん嫌だったら人員配置も考えてるし、そこにずっといたければそこにいてもいい」
兵士たちは頷いた。
「今考えている所属部署は、機動部、馬術部、警備部、衛生部かな。もし、必要な部署があれば増えるかもしれん。機動部は、いつでも戦えれるように日々の訓練をする。銃や格闘なども身につけてもらう予定だ。馬術部はその名の通り馬だ。まだ馬はいないが、日々の馬の世話や騎馬隊、時には競技などに力を入れてほしい。警備部は、城の巡回や設備以上などを任せようと思う。いざ敵を見つけたら速やかに方向をお願いしたい。そして、最後の衛生部は、兵士たちの怪我の手当てや医療をお願いしたい。もちろん今話した部署は皆が未経験が多いはずだ。私と一緒に城を築き上げていこう」
兵士たちは頷いた。
「さて、今日は遅いからゆっくり休んでな。これからよろしくな」
「はい!」
兵士たちは元気よく返事をし、部屋を出た。
「さて、これから始動するな。頑張っていこうか」
ライトはクロを抱きかかえた。
翌朝。早速ライトは兵士たちに指示を出した。
「まずは、自分たちの寝る場所の整理整頓からだ」
兵士たちは慣れないながらも、整理整頓をした。
「慣れないからゆっくりでいい。で、次は朝食だな」
すると、一人の兵士が手を挙げた。
「すみません。元シェフでした」
みんな驚いた。
「おぉー。じゃぁ、君がみんなに料理を教えてあげてほしい」
「わかりました」
そう言うと、元シェフは他の兵士に優しく指導した。そのおかげか、すぐに朝食ができた。
「あっ。私がいるからって私語禁止とかはないよ?むしろ、みんないっぱい喋ってほしい。得意なこととかも見つかると思うし、気づくこともできる」
朝食を前にライトがそう言うと、兵士たちはどこか安心したかのように苦笑いした。
「実は俺…元兵士で…」
「俺も元騎馬隊員で…」
口々に兵士たちは、生きていた時の経歴を話した。
「みんな…すごいな…」
ライトは驚いた。
「私は、元看護師で…」
「私も、元看護師だった」
和気藹々と兵士たちは朝食を食べた。
「いいなー。こう言う空気」
すると、ウルフが慌てて来た。
「遅くなってごめんなさい。寝坊しました…」
ウルフはライトに謝った。
「別に気にしないよ。誰だって寝坊もある」
「あの…」
一人の兵士が手を挙げた。
「どうした?」
「なんてお呼びしたらいいでしょうか?」
ライトは自分の事?と指を刺すと、兵士たちは頷いた。
「あぁ。好きに決めていいよ。あと、敬語はなくていい」
兵士たちはヒソヒソと話した。
「じゃぁ、ライトさまで。ウルフさんはウルフさんでもいいですか?」
「私はいいけど…ライトさんは?」
「私もいいと思うぞ。さ、冷めないうちに朝食をお食べ」
賑やかな朝食が過ぎて行った。
朝食が終わると、ライトはクロにミルクを与えた。
「相変わらず可愛いな〜」
兵士たちはクロを見た。
「赤ちゃん…可愛い」
皆クロにメロメロだった。
「この子はクロだ。姉さんの子でな」
クロはミルクを飲み干した。
「よく飲んだな。よしよし」
ライトはクロを優しく叩き、ゲップを促せた。クロは小さなゲップをした。
「よし。それじゃ、みんなの所属を考えようかな」
ライトはウルフと兵士たちと歩き出した。
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