クロの誕生日
それから数日後。
学校…嫌だな…。
授業中、そう思いながらも我慢して通っていた。チャイムが鳴った。
「はい。次体育の授業ね」
先生に言われ、みんな着替え始めた。
…。
こっそり抜け出し、トイレで着替えた。体育は嫌いではない。
「クロ君はやーい」
駆けっこだった。走るのは早かった。
ジロジロ見ないでよ…。
そう思いながらも頑張って走った。チャイムがなり、またトイレで着替えた。出て来たところをクラスメイトに見られた。
「どうしてトイレで着替えるの?」
「…っ!」
すると、先生が通りかかった。
「次の授業が始まるわよ。早く教室に戻ってね。クロ君も」
「う…うん」
着替えを持って教室に戻った。授業が終わると、給食だった。
「今日はパンの日だ!」
他の生徒ははしゃいでいた。
よかった。まだ箸使いこなせれないから、見られなくて済む…。
そう思った束の間、お盆にパンと箸が置かれた。
「え…」
「今日のおかずはハンバーグだ!ハンバーガーできるね!」
クロ以外大はしゃぎ。クロはなんとか箸を使って食べた。午後の授業もなんとかこなした。
「みんな。気をつけて帰るのよ」
先生さようなら!
一人教室を出た。
「クロ君」
「…!」
先生に呼び止められた。
「学校どう?来て数日だけど、慣れた?」
先生はどこか心配していた。
「う…うん。大丈夫です」
そう言って玄関へ急いだ。靴を履き替え誰もいないところに行き、指を鳴らし消えた。
「クロ。お帰りなさい」
「ただいま…」
ウルフの声にどこか安心した。
「学校どう?」
「…楽しくない」
「まだ数日だもんね。さ、片付けましょ?宿題ある?」
「ない」
しばらくすると、ライトも帰って来た。
「ただいま〜」
「お帰りなさい。ライトさん」
「お帰りなさい…」
ライトはずっと気に掛かっていた。
「クロ。稽古しようか」
「うん」
ライトはクロを連れて稽古場へ来た。
「クロ。今日は厳しめに行くぞ。私の攻撃を避けろ」
「え…」
「大丈夫。刀は使わないから!木刀でやるから!」
ライトは木刀を手に取った。
「攻撃も大事だけど、避けるのも大事だ。相手の動きをよく見てろ」
「うん」
ライトは木刀を構え、クロに攻撃を仕掛けた。
「…!」
避けたつもりが、腕に当たった。
「うっ!」
「めげるな!もっと動きを見ろ!予測しろ!」
しかし、避けようにも当たってしまう。
「がんばれ〜」
ライトは笑顔だった。クロは集中し、ライトの動きを観察した。
どうすれば…あ。
ライトが振るった一撃をクロはかわせれた。
「お!」
もう一振りすると、それもかわせれた。
「やるじゃん」
「叔父さんの動き…少しわかった」
「それでいい。少しずつでも成果はある。今日はここまでにしようか」
木刀を片付け、クロの手当てをした。
「叔父さん…」
「ん?」
クロは言いにくそうに話した。
「学校…楽しくない」
「何かあったの?」
「…みんなジロジロ見てくる」
ライトはクロの頭を撫でた。
「その気持ちわかるぞ。私も一緒だった。でも、君は学校へ行って学ばないといけない。その気持ちはわかるな?」
「うん…」
「でも、この城にいる時は嫌か?」
クロは首を横に振った。
「全然。学校の嫌なことを忘れることができるから、好き。稽古も馬も大好き」
「それはよかった。クロにとって安らぎの場があるのはいいことだ。学校は嫌かもしれん。でも、今は大事な時だから我慢して通ってね。でも、何かあれば話は聞くよ」
「うん」
「よし。じゃぁ、食堂へ行こうか」
「うん!お腹空いた」
クロの手を取り食堂へ向かった。兵士たちの食堂は暗かった。
「え?誰もいないの?」
クロは驚いていた。すると、奥の方から一つの明かりが灯った。クロは怖くなってライトにしがみついた。
「クロ!誕生日おめでとう!」
食堂の明かりがつくと、兵士とウルフが出迎えてくれた。
「え…」
「クロ。今日は君の誕生日だ。覚えているかい?」
クロは首を横に振った。
「今まで…ない」
「だと思った。さ、主役は席について」
ライトはクロを座らせた。シェフはテーブルにケーキを置いた。
『誕生日おめでとう!クロ!』
と書かれていた。
「うわぁ!」
初めて見るケーキにクロは驚いた。
「さ、蝋燭の火を消して」
クロは蝋燭の火を消した。
「おめでとう!」
みんなで拍手した。
「ありがとう!」
クロは嬉しかった。
「シェフ。ケーキ切り分けてみんなで食べよう」
「はい!」
クロは初めてケーキを食べた。
「美味しい!」
「よかった。クロ」
「ん?」
ライトを見た。
「生きていてくれてありがとう」
クロの頭を撫でた。
作者「学校給食でハンバーガーやってたのを思い出して書いてみました」
ライト「作者の行ってた学校はどんなの出てたの?」
作者「コッペパン以外にチョコチップメロンパンとか、揚げパンもありましたよ。ハンバーガーの時は切ってある丸パンがあって、ハンバーグとスライスチーズが出ていましたね」
ライト「なるほど」
作者「これ言ったら地域バレするけど、小学六年生の時に一人一匹蟹が当たりました。卒業祝いだったはず」
ライト「蟹!?」
作者「そそ。まぁ、アレルギーの人はお持ち帰りしてましたね。発泡スチロールに入れて」
ライト「それはかわいそう…」
作者「まぁ、色々ありましたねー」




