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ライトの趣味

あれから数日後。クロは期日通りにライトの姉が引き取りに来た。アパートに。

「姉さん。私はこのアパートを引き払うことにした。用があるなら、大学に来て欲しい」

姉はニヤニヤ笑っていた。

「タスカッタワ。アリガト」

そう言い残すと、姉は去っていった。お礼のひとつもなかった。去り際、クロはどこか寂しそうだった。

「クロ…」

ライトも寂しそうにクロを見送った。そして、一通り荷物をまとめ終えるとライトは一つのチケットを取り出した。

「今日は大事な日だ…」

荷物を持ち、指を鳴らすとライトは消えた。アパートは誰もいなくなった。


「ウルフー」

ライトは城に着いた。

「あっ!ライトさん」

ウルフはライトの方に駆け寄った。

「いやー遅くなってごめんね」

荷物を下ろした。

「それで…クロは?」

ウルフはライトに尋ねた。ライトは寂しい表情をした。

「見送ったよ。まぁ、しばらくしたらまた遊びにくるさ。さて、今日は用事があるから今からいなくなる。ウルフ。留守番を頼むよ」

「わかった」

ライトはチケットを確認した。

「じゃぁ、行ってくる」

そう言い、指を鳴らすとライトは消えていった。


「久しぶりだな」

ライトとある路地裏に足をつけた。ここは魔法が使えない世界。路地裏を出て、大通りに向かうととある大きな建物が目に入った。歩き続けると、たくさんの人が列を作っていた。

「楽しみ」

ルンルンしながら、列の最後尾に並んだ。しばらくすると、アナウンスが流れた。

「まもなく入場です。列を乱さない様に入場してください」

ゾクゾクと建物の中に人が入っていった。ライトも建物の中に入った。

「えぇっと…あった」

ライトはとある列に並んだ。

「押さないでください!グッズの列はこちらです!」

スタッフが大声で案内していた。しばらく並んでいると、やっとグッズが買える順番が来た。

「いらっしゃいませー」

「えっと、このシャツとお菓子と…レコードとあとアルバムください」

ライトは店員に注文し、お金を渡した。

「ありがとうございます」

グッズを持ち、チケットを確認した。

「今回は…前側だ。いい席だな」

建物の中にあるホールに向かうと、たくさんの人がいた。ライトは自分の座席を探し、席についた。

「待ち遠しいな…」

周りを見渡すと、女性が多いが男性もそこそこ居た。中には夫婦で来ている人もいた。

「私は一人か…まぁ、今日は楽しむぞー。ここ最近忙しかったし」

すると、アナウンスが流れた。

「それでは開演します」

それと同時に、会場内が拍手で包まれた。そして大声で皆がコールした。

 コンフィー!コンフィー!

ライトも皆と一緒にコールした。すると、ホール内が暗くなった。ステージ上が鮮やかに光ると同時に、クラシック音楽が流れた。そこで皆が拍手をやめた。音楽が大きくなると、ステージの真ん中にスポットライトが照らされた。そして、ステージ上に三人の男が現れると、会場内は一気に盛り上がった。三人はスタッフからそれぞれ、ベースギター、アコスティックギター、エレキギターを受け取った。エレキギターを手にした人がギターを鳴らした。そこから曲が披露された。

「いいね〜」

ライトも皆と一緒に盛り上がった。ライトはコンフィーが好きになってから実に二十年。時間があると、コンフィーのライブに行く様にしていた。数曲歌い終えると、アコスティックギターの人がマイクを取った。

「みなさーん。こんばんは!さて、日頃の嫌なことを忘れて今夜楽しんでいきましょう!」

会場内が賑わった。ハードロックでは手拍子で盛り上がり、バラードではうっとりとした。何曲か歌い終えると、エレキギターの人が長い髪をかき上げた。

「さぁ!まだまだこれからだ!結成五十周年をみんなで祝おうぜ!」

エレキギターの人がそう叫ぶと、さらに盛り上がった。

 楽しい時間もあっという間に過ぎた。

「いやー最高だったー」

ライトは満足していた。人目がないところへ行き、指を鳴らした。

「さて、いつもの…」

ライトがついた場所は三日月龍を観測する場所だった。すると、三日月龍の群れが現れた。

「お!ちょうどよかった。いやー今日はいい日だな〜」

サッと観測を終えまた指を鳴らした。


「おかえりなさい。ライトさん」

ライトは城に戻った。

「ただいま。あ、ウルフにお土産だ」

そう言うと、会場で買ったお菓子をウルフに渡した。

「え!いいんですか?ありがとうございます」

ウルフはお菓子を受け取った。

「コンフィー?誰ですか?」

ウルフは不思議に思った。

「あぁ。魔法が使えない世界にいる有名アーティストだよ。子供の頃に両親が好きだったんだ。厳しい両親だったけど、私はいつも反抗しててね。でも、このアーティストの話になったら、姉さんそっちのけて喋ってたこともあるんだ」

「そうなんだ…って結成五十周年!?」

お菓子の箱に結成五十周年記念と書かれていた。

「そうそう。彼らも七十代でな。でも、パワフルですごいんだ。私も見習いたいよ」

「すごいですね…」

ウルフは驚いていた。

「いつか、クロにも聴かせてあげようと思う。クロも絶対気にいると思うし」

ライトは買ってきたレコードを蓄音機にセットし、針を落とした。すると、幻想的な音楽が流れた。

「フフン〜」

ライトは満足そうにレコードを聴いた。

「いい曲ね」

ウルフも椅子に座って聴いた。

「今日はいい日だったな」

ライトは外を眺めながら呟いた。


いつも読んでいただきありがとうございます。

作者の好きなアーティスト、THE ALFEEさんの話を入れてみました。

のんびり投稿していこうと思うので、気軽の読んでみてください。

また、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。

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