温もり
「ただいま…」
ライトはクロを抱き抱え城に帰って来た。
「おかえ…え!?誰!?」
ウルフは驚いた。ライトはクロを下ろした。
「覚えてないか?」
その言葉にウルフはハッとした。
「クロ?…クロ!」
ウルフは泣きながらクロを抱きしめた。
「こんな…ボロボロじゃない…」
クロは驚いたが、悪い人じゃ無いとわかりウルフの腕に抱きついた。
「今日から一緒に生活する。手続きとかは明日からやっていこうと思う。丁度夏休みだ。少しは仕事も落ち着くからタイミングがいい」
ライトはクロに本を返した。
「君のだろ?返すよ」
クロは本を受け取った。
「ありがとう…」
ライトはクロの頭を撫でた。
「えらいぞ!とりあえず、ご飯食べようか!」
クロはどこか怖かった。
「大丈夫。あ!三人で一緒に行こ?」
ウルフは明るく振る舞った。三人で兵士の食堂へ入った。
「お疲れ様」
「お疲れ様です…え!クロさま!?」
シェフは一発でクロだと分かった。クロはライトの後ろに隠れた。
「よく覚えてたね。私、最初わからなかった」
「いやいや。面影あるじゃないですか。それに、ライトさまと目元一緒だし」
ウルフはクロとライトを見た。
「あ…うん…」
「そりゃ、血が繋がってるからな?シェフ。クロにご飯用意して欲しい」
「わかりました!」
三人は椅子に座った。
「クロ。待ってる間、本を読んでいいよ」
「いいの…?」
「もちろん」
クロは待っている間本を読んだ。
「おいおい…クロ。もしかして…」
「クロ…あんた…」
ライトとウルフは驚いた。クロは本を凝視しながら読んでいた。
「ずっと、懐中電灯の明かりで読んでた。こんな明るいところで読むのはじめて。いつもこうやって読んでるんだ」
ライトとウルフは顔を見合わせた。
「明日…視力検査してもらいましょ?」
「下手したら…私より悪いかも…?」
すると、クロはあるページをライトに見せた。
「叔父さん…ごめんなさい」
「ん?」
「俺、欲しい物がある」
そこには、忍者の物語が描かれていた。
「クロは、忍者になりたいの?」
クロは首を横に振った。
「これで強くなりたい」
すると、シェフが料理を持って来てくれた。
「特製お子様ランチだよ」
オムライスがメインのプレートだった。
「いただきますして食べよ?」
ウルフは教えながら一緒に手を合わせたが、クロは手をつけない。
「どうしたの?」
ウルフが覗き込んだ。
「ごめんなさい。どうやって食べるの?」
その場にいた人が絶句した。
「普段何食べてたの?」
ライトがたまらず質問した。
「小さなパンを…」
姉に対して怒りが沸騰しそうだったが、グッと堪えた。
「これはね、こう使うのよ」
ウルフはスプーンの使い方を丁寧に教えた。クロはオムライスを不器用ながらスプーンで食べた。
「おいしい…あったかい…」
ボロボロと泣きながら食べた。
「よほどお腹が空いてたのね。見てるだけで辛いわ…」
「クロさま。良い食いっぷりだ。おかわりもありますよ!」
シェフが励ました。
「よく頑張ったな。クロ」
クロの頭に優しく手を置いた。しばらくすると、クロは食べ終えた。
「クロ。食べ終えたら、手を合わせてご馳走様を言うんだよ?」
ウルフと一緒にクロは手を合わせた。
「ご馳走様」
「よく言えたね!」
ウルフはクロを褒めた。
「シェフ。ありがとうな」
「いえいえ。毎日来てください!」
三人はまたライトの部屋に戻った。ウルフはお風呂の準備をしていた。
「クロ。一緒にお風呂入るか?」
ライトは誘ったが、クロは怖かった。
「冷たいの?」
「ううん。大丈夫。あったかいよ」
クロの頭を撫でた。
「いいの?」
「いいよ。男同士だ。ゆっくり入ろう」
クロは服を脱いだ。
「…」
身体中があざだらけでボロボロだった。二人はお風呂に浸かった。
「あったかい…」
「だろ?気持ちいいな…」
「お風呂初めて入る…」
その言葉にライトも同じ気持ちになった。
「私もだ。フランスにいた時は知らなかった。日本に来て知ったよ。こんな気持ちいいのあるんだって」
「シャワーも冷たくて…嫌だった」
クロは暗くなった。
「大丈夫。ほら、叔父さんが頭洗ってあげるよ。痛かったら言ってね」
暖かいシャワーでライトはクロを綺麗に洗ってあげた。またクロは泣きそうになった。
「ウルフ。クロを頼んでいいか?」
「分かったよ」
ウルフはクロを優しく拭いてあげた。
「綺麗になったね」
クロは眠そうな顔をしていた。綺麗な服に着替えさせた。
「髪乾かすよ」
ウルフがドライヤーを持つとクロは怯えた。
「大丈夫。乾かすだけよ」
ウルフはクロを落ち着かせながら髪を乾かしてあげた。
「終わったよ。ん?眠い?」
クロは頷いた。
「じゃぁ、寝ようか」
ウルフはライトのベットにクロを寝かせた。
「ゆっくり休んで。クロ」
その声に安心したのか、クロは眠った。
「寝たのか?」
ライトは髪をタオルで縛っていた。
「うん。疲れてたみたい」
「そりゃ、襲われてたもん。危機一髪だった。でも、姉の家から一人で脱出したからな」
クロの寝顔は安らかだった。
「今日は色々あったな。でも、えらいよ。目覚めずに私を頼ってくれたから」
「…」
「さて、髪乾かしたら彼女に会いに行って来るわ」
ライトは髪を乾かした。
「ライトさんも元気ですね」
髪を乾かし終えると、ライトは机に置いてあるクロが持っていた本を目にした。
「しかしクロはどこで日本語を覚えたんだろう…」
本を少し捲り閉じた。
「じゃぁ…置いといてみようかな…」
ライトは本棚からペイントの本をクロの本の横に置いといた。
「出かけて来るよ」
「ライトさん。無理しないでね」
ライトは笑顔になった。
「分かってる。クロもいるんだ。大丈夫」
そう言い指を鳴らすと消えた。
「シルビア〜」
洞窟を覗いたがいつものようにいない。背後から生暖かい風が吹いてきた。
「ライト。待ってた」
シルビアは滝の水を飲み洞窟に入った。
「今日は少ししんどい」
「そんな時もあるよ。無理しないでね」
シルビアを撫でた。
「シルビア。今日さ色々あって大変だったんだ」
「どうしたの?」
シルビアは首を傾げた。
「実はさ、私の姉の子を引き取ったんだ」
シルビアはライトを見つめた。
「小さい時にたまに預けられてたけど、それからしばらく会ってなくてね。久しぶりに会ったら大きくなってて…でも、姉からの虐待でボロボロでさ」
「…」
「でも、私を頼ってくれた。すっ飛んで行ったよ。生きていてよかったって安心した。今私の家で寝ていてさ。信頼できる人に見守られてね。その寝顔見たら助けてよかったって思った」
「良かった」
「私も今日疲れてたんだ。シルビア。一緒に寝ようか」
シルビアを撫でた。
「ライト。その子を大切にね」
「あぁ。私の息子みたいな存在だ。絶対にいい男に育ててみせるよ」
「うん。おやすみ」
「おやすみ。シルビア」
ライトはベットに横になり眠った。
作者「ここら辺から書くのが大変でした」
ライト「ほう」
作者「子供の仕草?喋り方?考えるの大変でした」
ライト「なるほど」
作者「国語能力ないから、小さい脳みそで考えて書きましたが。多めに見て欲しいです」
ライト「よろしくお願いします」




