ライダーへの一歩
「ライトさん!起きて!」
ウルフに起こされた。
「あ…あ?もう夜か…?」
「朝ですよ!」
何を言ってるのか分からなかった。
「あー?メガネ…」
ライトはメガネをかけ、窓を見た。
「あ…うん…」
頭を呑気に掻いた。
「夜起こしに来たんですけど、死んだように寝てたのでそのままにしました」
ハッと目が覚めた。
「え!?えーーー!なんで起こしてくれないの!?」
ウルフにつかみ掛かった。
「一応声かけましたよ!」
「嘘だ!」
「本当!でも…ライトさん。顔色良くなってますよ?」
ウルフが手鏡を見せてくれた。
「あ…本当だ。はぁ…」
シルビアに会えなかった事がショックだった。
「お腹空いてると思ったので、ご飯作りましたよ?」
「あぁ…ありがとう。一日寝てたって事だろ?めっちゃ腹減った」
ベットから出て椅子に座った。テーブルにはウルフが作った料理が置いてあった。
「いただきます」
ライトは食べた。
「そういえば、その腕どうしたんですか?」
ウルフは横に座った。
「うん。薬品つかった。数日で元に戻る」
「ふーん。にしても、相当お腹空いてたんですね」
あっという間に平らげた。
「ご馳走様。じゃぁ、行ってくる」
「気をつけてね」
ライトは引き出しを開けた。
「君も行こうか。外の音を聞くのも楽しいよ」
卵をポケットに入れ指を鳴らし消えた。
教授室に着くと、書類が綺麗に整頓されていた。
「流石桶谷くんだな」
椅子に座り書類に目を通した。しばらくすると、ノックが聞こえた。
「おはようございます。ライト先生」
桶谷が入ってきた。
「おはよう!昨日ごめんね」
「いえいえ。体調大丈夫ですか?」
「あぁ。丸一日寝てたらスッキリしたよ。ありがとうね」
「えぇ…それだいぶ疲れてる証拠じゃないですか…」
桶谷は引いていた。
「はは。大丈夫。さて、今日もよろしくね」
「はい」
仕事が始まった。
「今日はもう終わりだな。お疲れ様」
「お疲れ様です。でも、ライト先生も無理しないでくださいよ」
教授室で桶谷と話をしていた。
「わかってる。桶谷くんも無理はしないでね」
「はい。さて、俺は帰ります」
「私も帰るよ」
「お疲れ様です」
桶谷は教授室をでた。ライトは卵を見た。
「君は元気がいいね。よく揺れてたよ」
またポケットにしまった。
「さて…会いに行くか」
ライトは指を鳴らし消えた。
夜。
「シルビア。昨日来れなくてごめんね…」
洞窟を覗くといなかった。いつものように背後から生暖かい風が吹いてきた。
「ライト。待ってた」
振り向くとシルビアがいた。
「ごめんね」
シルビアを撫でた。
「少し寂しかったけど、ライト疲れてたでしょ?我慢できた」
「偉いね」
シルビアを褒めた。
「さぁ、乗って?」
シルビアは翼を下ろした。ライトはシルビアに跨った。
「よろしく」
「うん!」
シルビアは断崖を目指した。
「君の背中は乗り心地いいな…」
「嬉しい」
シルビアは満足そうに微笑んだ。断崖に着地した。ライトはシルビアから降りた。
「ライト…いい?」
「どうした?」
ライトはシルビアを撫でた。
「私の…ライダーにならない?」
シルビアはライトを見つめた。
「え…え!?」
ライトは驚いた。
「いや?」
シルビアは首を傾げた。
「いやいや!え!いいのか!?」
ライトは慌てた。
「だって…そりゃ〜嬉しいけど。でも、一度っきりだよ?もっと大切に…」
「だから、あなたを選んだ。ライトなら、私を大事にしてくれる」
ライトの顔が赤くなった。
「あ…うん…ありがとう。実は…今日、誕生日…なんだ」
「え!?」
シルビアは驚いた。ライトは真剣な眼差しでシルビアをみた。
「でも、一つだけ質問いいか?」
「なに?」
「君たちとライダーになったらどうなる?」
シルビアはハッとした。
「言い忘れてた。大事な事だね」
「だろ?」
シルビアは深呼吸した。
「私とライダーになるには、お互いの力の一部を交換する必要がある。ライダーになれば、その若さで生き続ける事ができる。怪我も普通より早く回復すると言われている。ただ、どちらかが死ぬと相手も死ぬ。もちろん、致命傷の怪我や病気も当てはまる。それくらい?」
「へー」
「ライトには、私の力の一部を受け取ってほしい。でも…」
「でも?」
シルビアは続けた。
「ライトのは、出産が終わってから貰いたい。私だけなら、私が死んでもライトは生き続けれる。出産は何があるかわからない。命を落とす事もある。ダメ?」
シルビアはじっとライトを見た。ライトはシルビアの頬を撫でた。
「本当にいいんだな?君の気持ちを受け取っていいんだな?」
シルビアは小さく吠えた。
「えぇ。私は、ライトと一緒にいたい。ずっと、これからも」
「私もだよ。シルビアからのプレゼント。受け取るよ」
ライトとシルビアは月の下でキスをした。すると、熱い何かがライトの体を駆け巡った。
「…!」
ライトは目を開けた。瞳が黒からサファイアに輝いていた。
「ライトの目。私とお揃い。成功ね!」
シルビアは嬉しそうだった。
「シルビア。ありがとう」
「私も、受け取ってくれてありがとう」
ライトに擦り寄った。
「シルビア。人生で最高の誕生日だよ。本当にありがとう…」
ライトの涙がシルビアに落ちた。
「ライト。また泣いてる!」
「だって…うれしいもん…」
ライトはシルビアに持たれながら男泣きをした。
「え…え…」
どうしたらいいか分からず、シルビアはただライトが落ち着くのを待った。
「ライト。大丈夫?」
ライトは落ち着いていた。
「ごめんね。ずっと夢だったから、嬉しくてさ」
「よかった」
すると、朝が近づこうとしていた。ライトは瞬きをすると、瞳の色が元に戻った。
「なーんだ。持続ないんか…」
シルビアはライトの瞳を見てがっかりしていた。
「さ、帰ろう」
「乗って!」
ライトはシルビアに跨った。シルビアは飛び立った。
「シルビア。出産が終わったら、絶対に私の力の一部をあげるからね」
「うん。待ってる」
洞窟へ帰って行った。
作者「クロのお話。完結しました」
ライト「お疲れ様!」
作者「遅いって怒られた。まじ申し訳ないw」
ライト「思い浮かばないならしょうがない」
作者「この作品も完結目指して頑張ります…」
ライト「頼んだよー」




