城での始まり
「ウルフ。今日からここに住むんだが…」
ライトは腰を伸ばした。
「はい…」
「君の部屋は用意してあるぞ」
「え!?」
ライトはウルフに案内した。小さな部屋だった。
「一人暮らしには十分だろ?一応部屋にはシャワーも完備してあるぞ」
「あ…ありがとうございます」
ウルフは驚きのあまり、言葉が出なかった。するとライトはモジモジしだした。
「?どうしたんですか?」
「いや…こんなことしたら…セクハラと言われそうなんだけど…」
そう言うと、ライトは魔法でとある箱を出した。
「女性とお付き合いなくてな…でも、こう言うの着てたら女性って可愛くなるかなっていつか自分にも女ができたら渡したいな思ってね…」
ウルフは箱を開けた。
「え…ライトさん…こう言うの趣味なんですか?」
ライトの顔は真っ赤になった。
「だって、可愛いじゃん!非現実的でさ!それに、君の服装見ててさ…可哀想だもん。ボロボロだし。でも、体はすごく綺麗だしさ…でも、私は君の体目的じゃないよ!似合うかなと思って」
さっき龍が恋人って言ってた人が…とウルフはドン引きをした。
「…じゃぁ、着替えるので部屋出てって」
ウルフはライトを部屋から出した。箱のものを出し、ウルフは着替えた。
「ウルフ。もういいか?」
ライトがノックした。
「えぇ…いいわよ…」
ライトは扉を開けた。ウルフの姿を見て、息を呑んだ。
「ウルフ…めっちゃ似合うよ…」
ウルフも部屋にあった姿見を見て驚いた。ライトが用意したものは、赤い露出が多い服だった。
「わ…私…なの?」
「やっぱり私の目は腐ってないな!ウルフは体が綺麗だから、すごく似合ってるよ」
ウルフは恥ずかしさのあまり、顔が真っ赤だった。
「なんですか!この服!」
ライトに言い寄った。
「あぁ…ダメか?ごめ…」
「素敵じゃないですか!」
意外な反応にライトは驚いた。
「あ…うん」
「ライトさん。嬉しいわ。生きてる時、誰からもプレゼント貰ったことなかったの。ありがとう」
ウルフが喜んでくれてることに、不思議な子だなと思いつつもライトは嬉しかった。
「よかった。気に入ってくれて。また今度可愛いの用意するよ」
「楽しみにしてるわ」
ウルフは嬉しさのあまり、ライトを抱きしめた。
「君はこんなにいい子なのに…」
ウルフがもう死んでいる人だと思うと、どこか切なかった。
「さ、もう遅い。今日は休もうか。クロも寝てるし」
「そうですね。でも、クロの夜泣き大丈夫ですか?」
ウルフは心配していた。
「あぁ。あの子は賢い子でな。夜泣かないんだ。それじゃ、おやすみ」
「おやすみなさい。ライトさん」
ウルフの部屋を出て、自分の部屋に戻るとクロが起きていた。
「おっと。目を離してて悪いな。寝る前のミルクとオムツ…あ、お風呂も。いっか。一緒に入ろうか。クロ」
ライトはクロを抱き、風呂場へ向かった。一緒に湯船に浸かった。
「クロ。気持ちいいな」
クロも気持ちがいいのか、のんびりしていた。体が温まると、ライトはクロの頭と体を洗ってあげた。
「赤ちゃんの世話って大変だな。でも、クロはお利口さんだ」
クロの体を拭き、服に着替えさせた。
「クロ。私も洗ってくるからそこで待ってて」
ライトも頭と体を洗った。その間、クロは大人しく待っていた。
「待たせて悪いな」
ライトも服に着替え、クロを抱き上げた。
「さて、ミルクを飲むか」
ライトは急いでミルクを作った。その間、クロは欲しがるそぶりを見せた。
「腹減ってるだろ」
出来上がったミルクをクロにあげた。力いっぱい飲んでいた。
「いい子だ」
ミルクを飲み干すと、ライトはクロの背中を優しく叩いた。
「さぁ、ゲップしなさい」
しばらく叩くと、クロはゲップをした。
「よし。お利口さん」
クロをベットに寝かせ、その横にライトも寝転がった。
「クロ。また明日な」
小さなクロの手を優しく握り、ライトとクロは眠った。
翌朝。ライトはクロが目を覚ます前に起きた。
「よく寝ているな」
クロの頬を指で優しく押した。
「もちもち…いいなぁ」
ベットから出て、クロのミルクの準備をした。すると、部屋の扉が開いた。
「ライトさん。おはようございます」
ウルフだった。
「おはよう。よく眠れたか?」
ミルクの温度を確認した。
「はい。ありがとうございます」
「そんな硬くならなくていい。普通に私語でいいよ。楽で行こうぜ!」
ライトは親指を立てた。
「あ…はい」
ウルフは引きつった。すると、クロが泣き始めた。
「あぁ…ミルクね。よしよし」
ライトは急いでクロを抱き上げ、ミルクを与えた。
「本当に可愛いですよね」
ウルフはその光景を眺めた。
「だな」
「あ、簡単ですが朝食作りましょうか?」
ライトはウルフを見た。
「いいの?」
「えぇ。もちろん」
ウルフはキッチンへ向かった。フライパンに火をつけ、卵を焼いた。いい具合に焼き上がり、皿に乗せテーブルに持って行くと、ライトはクロのオムツをサッと変えていた。クロは満足そうな顔をしていた。
「あぁウルフ。ありがとうね」
「いえいえ」
クロを抱っこしながらライトは席についた。
「いただきます」
ライトは卵を口にした。ライトが食べている所をクロは不思議そうに眺めていた。
「ウルフ。今日は色々してもらう事がある」
「なんでしょうか?」
「まず、この城に入ってくる兵士たちに向けて準備をしておく。まぁ、基本魔法で出せるが…例えば物品とか?」
「あぁ…」
「そう言うのを今日やろうと思うんだ。無理のない様にな」
「わかりました」
朝食を終え、ウルフは食器を洗った。ライトはクロをあやしつつ、城の見取り図をみていた。食器を洗い終え、ウルフはライトの所に来た。
「ありがとうな。さて、これからこの城に来る兵士達が快適に過ごせれる様に準備していこう。私は男性をするがウルフは女性の部屋を頼む」
「わかった」
「一応ベットは用意してあるが、足りないものは頼むな」
「はい」
「クロは、叔父さんと一緒に行こうな」
クロは笑顔だった。
ライトは兵士達が過ごす寝室を訪れた。無数の二段ベットがあるだけだった。
「ベットだけだと寂しいよな。毛布等はもちろんだが…プライバシーないな。よし」
右手を出し、何かを唱えた。すると、無数のベットに毛布が出てきた。そして、ベットを隠す様にカーテンも現れた。
「これで一応最低限は確保して…でも、収納も欲しいよな」
そんなこんなでライトは魔法で色々リメイクをしていった。
「ふぅ〜。だいぶいい感じになった」
「ライトさん」
振り向くと、ウルフが来ていた。
「こっちは終わりました。ライトさんは?」
「こっちもちょうど終わり。さて、まだまだあるよ。稽古場に食堂に厩舎…」
「多いですね…」
「まぁ、のんびりやろうか。まだ未来の兵士はこなさそうだからゆっくりやって行こうか。来たら来たらでみんなでやって行こう」
「そうですね。がんばります」
「と言いたい所だが、明日から大学があるんだ。私がいない間は、ウルフ。頼んだぞ」
「はい」
「とその前に、忘れないようにペイントを作っておかないとだな」
ライトはノートに複雑な呪文を書き始めた。
「ライトさん。これは?」
「今までピンバッチがペイント代わりで来てたが、定着となると効力が弱くなる。だからちゃんとしたペイントを作っておかないとここに来ることが出来なくなる」
全てのページに呪文を書いた。
「よし。これで大丈夫。ウルフ。明日からよろしくな」
「はい」
ライトはノートを机の中に入れた。
それからライトは日中は大学へ行き、クロの面倒を見ながら授業をしていた。その間ウルフは城の設備を整えていった。
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