幼い龍
夜。ライトはいつものように洞窟に向かった。
「今日こそ…」
シルビアを見つけるのにライトは奮闘したが、洞窟に近くに連れ空気が変わった。
なんだ…?
悪寒が走った。
「シルビア…」
ライトは走った。洞窟に入るとうずくまっているシルビアがいた。
「シルビア!」
ライトは駆け寄った。シルビアは痛みに耐えていた。
「ライト…」
洞窟は暗いから、ライトは焚き火を魔法で出した。シルビアの体をくまなく見た。
「…!」
尻尾の付け根からかなり出血していた。
まさか…でも早すぎでは?
ライトは考えた。龍の孵化は種族によるがほとんど一、二年かかると言われている。でも、あの日から半年弱。孵化ではないが当てはめるなら早すぎる。
「でなったら…流れたか?」
どの道処置がいる。
「シルビア。しっかり気を保つんだよ」
ライトは上着を脱ぎネクタイを外した。シャツを肩まで捲り上げた。さっきの焚き火でお湯を作った。魔法で持っている薬品を出した。
「色つくが、時間が経てば治るからいいや」
片腕に消毒薬をかけた。
「腕入れるから、痛いが我慢して!」
「え!?」
シルビアは驚いていたが、躊躇うことなくシルビアの狭い産道に腕を入れた。シルビアはあまりの痛さに暴れそうだった。
「我慢して!」
奥に入れると、手に何か細い紐が当たった。それを辿ると塊に手が触れた。
「よし…」
それをライトは引っ張り出した。それは血の塊に最初はみえたが。
「え…」
ライトはそれを抱えて急いでお湯で洗い落とした。すると、それは動いた。
「シルビア…生きてるぞ」
シルビアは重い頭を持ち上げ、ライトを見た。それは胎盤を抱き抱えた小さな黒龍だった。龍は生きてはいるがすごく衰弱していた。
「引っかかって出て来れなかったんだろう。でも、小さい…」
手のひらに乗るサイズだった。シルビアは龍に鼻を近づけた。
「あぁ…ごめんなさい」
涙が溢れた。
「謝ることはないよ。シルビア。それに、この子はちょっと早く出てきてしまっただけだ。でも、大丈夫」
シルビアを慰めた。
「どうするの?」
ライトは龍を拭いた。
「胎盤が残っているから卵にして育てよう。そうすれば、弱い体を卵の殻が守ってくれるし、胎盤があるからそこから栄養をもらい成長できる。生きていける時に自分から破ってくるよ」
綺麗なタオルの上に龍を置き、呪文を唱えた。黒龍が安心できるように優しい声で唱えてると、黒い外殻が黒龍を包んだ。
「はぁ…できた」
ライトは卵を持った。
「…」
シルビアはただ卵を見つめた。
「シルビア。ありがとう。よく頑張ったよ」
シルビアを褒めた。
「ライト…ありがとう」
「大丈夫か?」
シルビアは擦り寄った。
「この子は、私が見てるよ」
ライトはポケットに卵を入れた。
「うん…ウッ!」
シルビアは痛そうに声を上げた。
「どうした!」
ライトは見たが出血は治ってる。
まさか…?
シルビアのお腹に手を置いた。強い鼓動が感じた。
「シルビア…もう一人おる…」
「え…?」
すると、痛みが引いた。
「動き回ってたみたい?」
「生きている証拠だろう」
ライトはシルビアのお腹を撫でた。
「今日はゆっくり休もう…」
ライトも介助と魔法で体力を消耗していた。そのままベットに倒れるように横になった。
「ライト…」
シルビアも横になった。
「ごめん…疲れた…」
ライトはそのまま目を閉じた。
気がつくと、朝になっていた。
「起きて。ライト」
その声で目が覚めた。
「あぁ…シルビア…」
「大丈夫?」
シルビアは心配そうにライトを見つめた。
「うん。でも、今日は仕事を休んで家で休むよ。ごめんね」
なんとか起き上がった。
「魔法が強力すぎて、体がきつい…」
「ごめんなさい…」
ライトはシルビアを撫でた。
「君のせいじゃない。君はよく頑張った。ありがとう」
ライトは立ち上がった。
「じゃぁ、また来るね」
「無理…しないでね」
シルビアはライトを見送った。ライトは道中電話をかけた。
「もしもし?桶谷くん?」
“おはようございます…”
「今日…急遽休むって言ったら…怒る?」
“全然!むしろ大丈夫ですか!?”
「あぁ…ちょっと体調が優れなくて…」
“わかりました。任せてください”
電話は切れた。ライトは指を鳴らし消えた。
「帰ってきた?おはようございます…」
ウルフが部屋に入ると、ライトはベットにもたれて座っていた。かなりボロボロの状態だった。
「あぁ…ウルフ。おはよう…ちょっと…体力が…」
「痴話喧嘩ですか?」
「痴話喧嘩はしてない…色々とわけあって…怪我はしてない」
「じゃぁ、お風呂用意しますね」
ウルフはお風呂場へ行った。その間、卵を机の引き出しに入れた。
「ちょっとそこで待っててな」
「早く入って!」
ウルフに呼ばれライトは風呂に入った。相当疲れていたのか、寝そうになる。
「やば…」
ふと、腕を見た。消毒薬の色素で染まっていた。
「あちゃ…当分取れないな。にしても、あんな大きな龍なのに…いやいや!痛いわな。こんなの入れたら…」
眠いのを我慢し髪を洗おうとした。
「血ついてるじゃん…」
綺麗に洗い、服に着替えベットに倒れた。
あぁ…重い…。
そのまま眠った。
ライト「二つあげたんですね」
作者「後で見返したときに編集しやすいように分けました」




