龍とライダー
「さて、そもそもこの世界に生息している龍。ウルフは生きている時に、聞いたことはあるだろ?」
ライトはウルフに質問をした。
「はい。聞いたことはあります。ただ、私の住んでる地域はそもそもライダーどころか龍も居ませんでした」
「ふむ。では、龍やライダーは嫌われているは聞いたことは?」
「えっ。そうなんですか?」
ウルフは驚いた。
「まぁ、実際は嫌われておる。龍は危険な存在。人に危害を加えたり争い事で人を巻き込む恐れもある。ただ、それは一部の種族に限った話で、ほとんどの龍は温厚な性格だと言われている。また、野生の龍が人々の生活に役立っている」
「それはどういう?」
「ある村では、野生の龍が風を発す事で気温低下や風の循環。植物の受粉に貢献している。人々も龍に感謝しているから、挨拶やお礼に餌をあげるなど人と龍で一つになっている村もあるぞ」
「へぇ〜」
ウルフは驚いていた。
「他にも、人々に貢献するために寒い地域では龍の力で暖をとっていたり、龍の鳴き声で人々に癒しを与える所もあるぞ」
ライトは黒板にチョークで何かを書いた。
「さて、私の夢であるライダーについて話をしよう」
ウルフは集中して聞いた。
「まず、ライダーになるには二つの道がある。一つは代々伝わる地域に生まれて、赤ちゃんの頃からお互いに成長してライダーになっていくパターン。もう一つは、野生の龍とライダーの契約をする」
「契約…」
ライトは頷いた。
「龍と契約をすることでライダーになれる。種族によって契約のやり方は多種多様だ。口約束みたいな事だけとか、お互いの一部を譲るなど色々ある。だが、それになるにはお互いの絆が大事だ。知らないもの同士で契約なんて結びたく無いだろ?何かのきっかけ、何かの出会いでお互いの仲が深くなって初めて龍が心を開いてくれる」
ウルフは頷いた。
「まぁ、私はいつかは二番目のパターンで出会いを求めているがな」
ウルフはふと疑問に思った。
「でもライトさん。なぜそこまで龍について詳しいのですか?ライダーでも無いのに」
ライトは少し考えた。
「えぇ〜と。忘れたんだけど、子供の頃。とある龍に一目惚れしてね。それから龍について勉強した。まぁ、元々頭いいから、高校すっ飛ばして大学入って龍について勉強して…で今に至る」
「ザックリですね…」
「まぁ、あっという間に時間が過ぎたって感じだ。好きなことをしているから、恋愛もしなかったし。でも、今も好きなことをしているから、私は幸せだ」
「ライトさん…てっきり奥さんおられるかと思ってた」
「いや?居ないよ?でも、人間よりも龍のメスの方が可愛くてメロメロなんだよね〜」
ライトの目は輝いていた。
「あ…はい」
ウルフはさらに引いた。
「まぁ、こうやって女の子と二人っきりで話するのは…授業以外のプライベートでは初めてかも」
「へぇー」
「とまぁ、こんな感じかな」
ライトは黒板の字を消していった。
「所でウルフ。君は生きている時はどういう子だったの?」
ウルフは少し考えた。
「引っ込み思案で、みんなの後ろを歩いていた子でしたね。頭も私悪かったし」
「そうか…ちなみに稽古とかは…」
「稽古は全然です。私が住んでた所、都会だったので本当に魔法の授業だけしかやってません」
「場所によってやるやらないのがあるのか…」
ライトは驚いた。
「まぁ、稽古は私が教えよう。一から全て。この世界は私しかいないが、もし侵入者が現れて城に危機的状況が出来た時用に、君にも戦ってほしい。自分の身を守るためにも」
「いいんですか?」
「あぁいいよ。ゆっくり教えるよ?」
ライトは笑顔だった。
「とりあえず。昼だから飯にするか。クロにもお昼ご飯をあげないとだし」
「じゃぁ…私作りますよ」
「いいのか?女性の手料理初めて食べる。ワクワク…」
見た目とギャップに引き攣りながらも、ウルフはキッチンに向かった。
「あの…食材は…」
ライトは思いついたように本を出した。
「はい。これだよ。好きなように使って」
ウルフは本を開いた。ペラペラとめくり、ほしい食材に手をかざした。すると、本の中から食材が出て来た。食材を揃え、ウルフは料理した。
「ウルフ。器用だな〜」
「生きていた時、自炊してたので」
照れながらも、あっという間に作り終えた。
「できましたよ」
テーブルに並べた。体に優しい和食が並べられた。
「普通にうまそう…」
「いつも何食べてるんですか?」
ライトとウルフは席についた。
「普段はパンとかまともなのを食べたことがない」
「えぇ…」
ライトはご飯を一口食べた。
「うっ…うまい」
「よかった」
お腹が空いていたのか、あっという間に食べた。
「ごちそうさま。ウルフ。ありがとう」
「いえいえ」
ウルフの表情が明るくなったことに、どこか安心した。ベットを見ると、クロが起きていた。
「お。起きたか。よしよし。ミルクの時間だな」
ライトはクロを抱っこした。魔法でミルクを出すと、クロは美味しそうに飲んでいた。
「可愛いですね」
ウルフはクロに見惚れた。
「子供は可愛いな。どんな種族でも」
ライトもクロに見惚れた。お腹がいっぱいになったのか、クロはミルクを飲むのを止めた。
「お腹一杯になったか。よしよし」
ライトはクロの背中を優しく叩き、ゲップをさせた。
「えらいぞ」
ライトはそのままクロのオムツを変えた。
「いっぱい出たねー」
ウルフはライトの光景を見てどこか安心した。ライトの目はどこか、優しいお父さんの様に見えた。
「ライトさん」
ウルフはライトに声をかけた。
「うん?どうした?」
ライトはクロを抱き上げた。
「これから、よろしくお願いします」
ウルフは微笑んだ。
「あぁ。頼むぞ」
すると、クロは笑った。
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