降格
“で、勝ったと”
「うん!」
再戦の数日後。ライトは電話で金田と話した。
“でも、谷川は機嫌が悪いだろう”
「じゃぁ、最初ったから再戦しなければいいだけなのに…頭悪」
“コラコラ”
「だが、アイツらがいつ来るかわからない。金田さんも十分注意してな」
“それはわかっておる。君も、注意してよ。すぐ無茶するんだから”
「はーい。後さ、調べて欲しいことあるんだけど…」
“なんだ?”
「三十年前後くらいに、龍が暴れた事があるらしいが、調べて欲しい」
“なんだそれ?”
「死人が出てるはずだ。すぐわかると思う」
“わかった。ちょっと調べてみるよ。所で次の報告会なんだが、来月に開こうと思う。生徒さんたちは来るか?”
ライトは手帳を見た。
「あ〜。うん連れてくよ。子供達に教えるのも私の仕事だし」
“わかった。みんなのお昼も用意しておくよ”
「ありがとうな」
電話は切れた。すると、ノックが聞こえた。
「失礼します」
一人の生徒が入ってきた。
「どうした?」
「すみません。わからないところがあったので、教えて欲しいです」
「あぁ〜。よし。何処かな?」
ライトは丁寧に教えた。
「谷川先生…大丈夫ですか?顔色悪いですよ…」
「あぁ…大丈夫です」
職員室で仕事中、ずっと真っ青だった事に他の先生が気にかけていた。
ライトのやつ…まためんどくさい事を…
イライラしながらも、仕事をこなした。発勁が当たった部分が激痛で薬が効かなかった。すると、デスクの電話が鳴った。
「はい…」
“谷川君。校長室に来てください”
「わかりました」
谷川は作業を中断し、校長室に向かった。廊下を歩く道中、痛みで前屈みになっていた。
「はぁ…」
扉の前に立ち、ノックした。
「失礼します…」
部屋に入ると、校長先生が座っていた。
「どうされましたか?」
「君の活躍は実に素晴らしいと思う。だが、少し疲れてないか?」
その言葉に谷川の眉が上がった。
「どう言う事でしょうか?」
「いや。最近の君を見てると、任させすぎたかなと。そこで、しばらく教頭職を外れて…」
谷川はその後の話を聞き取れなかった。気がつくと、もう夜になっており家で酒を飲んでいた。
「何があったんだ」
レイは谷川を睨んだ。
「来月からヒラに降格だよ。だけど、大学へは今まで通り行って欲しいんだと」
このイライラを何処にぶつければいいのかわからなかった。
「色々ありすぎるな。アイツに敗れ、仕事も降格…笑える」
レイは笑っていた。
「なぜ…なぜライトは…」
谷川はわからなかった。すると、レイは冷めた声で答えた。
「お前には、まだまだアイツには辿り着けないだろう。あの再戦。俺は実に面白かった。お前が負けたのも面白いが、アイツはとんでもない物を持っている」
「…」
「多分あれは…血筋的な物なんだろうな」
谷川はレイを見た。
「てことは、戦闘狂一族ってことか?」
「多分な」
谷川は笑った。
「羨ましい血統じゃん。実にいい。だが、アイツは親を殺したって言ってたな…」
グラスの酒を回した。すると、電話が鳴った。
「はい」
“谷川さん。会合はいつ行いましょうか…”
谷川は悩んだ。
「あぁ〜。最短は?」
“一週間後です”
「それでいい。では」
電話を切った。
「それまでに…治ればいいんだが…」
「アイツの発勁。強烈だったのか?」
「あぁ。痛み止めが効かない。全く…めんどくさい事を…」
ゆっくりと立ち上がり、谷川は寝室へ向かった。レイはため息を吐き、丸くなった。
一週間後。深夜。谷川は会合に来ていた。
「はぁ…」
まだ痛みは続いた。なんとか我慢し、会合の席に立った。
「集まっていただきありがとうございます」
谷川は礼をした。
「さて、報告です。今年、二種類の龍を絶滅しました。だが、邪魔が入りそれ以降は出来ていません」
みんな黙っていた。
「でだ、我々の邪魔をする奴は殺しても構わん。なんだったら、ライト・ルーマスを殺せ!」
谷川は叫んだ。すると、一人が手を挙げた。女性だった。
「私、自信があるのですが。仮に殺れたら報酬はあるのですか?」
「あぁ。どんな手を使っても構わん。報酬も用意しよう」
すこしざわついたが、納得したのかすぐに黙った。
「そして、我々のメンバーも増やしていきたいと思う。協力の方をよろしくお願いします」
短い時間だったが会合が終わり、谷川は控え室で倒れた。
「はぁ…きつかった…」
汗で服が濡れていた。すると、誰かが入ってきた。
「谷川さま。大丈ですか?」
慌てる様子もなく、女性は谷川を見た。
「あ…あぁ。大丈夫」
ゆっくりと立ちあがろうとしたが、女に押し倒された。
「誰にやられたのかしら?」
女の目は鋭い。
「その前に、君の名は?」
「私はナターシャ」
ナターシャは谷川の体を触った。
「熱いじゃない。それにすごい汗。で、誰にやられたのかしら?」
ナターシャは谷川の顔に近づいた。言いにくそうだったが、白状した。
「あぁ。ライトだよ。あいつの発勁を喰らってね。で、このアリザマさ」
「へぇ。とても面白そう。どんな手を使ってもいいのね?」
「いいとも。私の元にアイツの首持ってきてくれるんかい?」
ナターシャは笑った。
「もちろんよ。頑張るわ」
「所で、君が望んでいる報酬はなんだ?」
ナターシャは谷川に手を貸し立ち上がらせた。
「私の報酬はあなた。じゃ、頑張ってくるわね」
そう言い残し出ていった。
「いい子だ」
作者「雪やばいかな…」
ライト「降るって予想だね」
作者「凍結も怖いし。昨日も滑ったんですよね」
ライト「危な!」
作者「へへw」




