親殺し
朝起きると、クロはまだ眠っていた。
「かわいいな」
クロを優しく撫で起こさないようにベットから出た。スーツへ着替えてると視線を感じた。そっと後ろを振り向くと、クロと目が合った。
「あ…おはよう」
クロは片腕をあげて挨拶した。ライトは優しくクロを抱っこした。
「よしよし。叔父さん大学に行くから、ウルフと仲良くやっててな」
すると、ウルフが入ってきた。
「おはようございます」
「おはよう。クロを頼むよ」
ライトはウルフにクロを託した。
「はい。いってらっしゃい」
ライトは指を鳴らすと消えていった。
「さ。クロはウルフと一緒に朝ごはん食べようね」
ウルフはクロを連れて兵士の食堂へ行った。
ライトは教授室にいた。
「はぁ…」
椅子にどっかりと座った。
「昨日はキレるとこだった…」
ライトは暗い過去を思い出していた。
「あぁ…思い出したくない…」
ライトは過去の記憶が蘇りうずくまった。
「お母さん…ご飯は…」
ビクターとの出会いの後、親から完全に無視された存在だった。毎日お腹を空かせ、部屋でうずくまっていた。まだ暴力を振られるよりいいかとそう思っていた。当時のライトの髪の色は真っ黒だった。しかし、栄養失調でだんだん視力も見えにくくなっていった。そんなライトでも、好きなことがあった。それは、親が聞く音楽をこっそり部屋から聴くことだった。
このアーティストいいな。いつか会いたいな…
そう思いながら夜を過ごしていた。朝になると、空腹の状態で学校に行きわからない授業を聞いていた。
勉強って…どうやるんだろ…
毎日そう思いながら過ごしていた。そして、休み時間になると同級生からの暴力が待っていた。痩せ細っていたライトは格好の餌食だった。
「…」
血を流しながらも我慢をしていた。そんな毎日を過ごしていたある日、事件が起きた。
「最近物騒ね…」
「怖いわね…誘拐よ…」
通学中に聞こえた、学生の誘拐事件。ライトは無関心にも耳には入れていた。そしていつもの学校が始まった。わからない授業を無関心に聞き一日が過ぎていった。放課後、同級生の暴力でライトは気を失っていた。気がつくともう夜だった。
「やばい…」
痛みでしんどかったが、なんとか家へ向かった。
「う…」
痛みで涙が出ていた。すると、ライトの目の前に男が二人立ちはだかった。
「坊主。こんな夜遅くに何処へ行くんだ?」
ライトは直感でやばいと感じながらも、痛みで体が動かない。
「家…」
「動けないのか?おじさんたちと、楽しいところへ行こうよ」
腕を掴まれ、そのまま人気のない路地に入った。
「へへっ。今日はこいつを連れて行こうか」
「でも、連れて行く前に俺たちと遊んでからでいいんじゃないか?」
男たちの目が怖かった。
あぁ…もう…死ぬんだ…
ライトは絶望だった。
「それじゃ、服を脱がせようかな」
男たちはライトの体に触ろうとした時、ライトの中で何かがキレた。自分でもよくわからない。
いける!
フッと一瞬で姿を消した。
「え?どこい…」
ライトは何故出来たのかはわからないが、手で合図すると刀がライトの腰におさまっていた。刀をスッと抜き、一人の男を背後から切った。
「ぐぁっ!」
男は倒れた。
「な!てっめぇ!」
男はライトを殴ろうとしたが、その腕をライトは切った。
「は?」
すかさずライトは男の胸を切り裂いた。ライトの前には骸になったものが二つあった。ライトの目つきは異常だっただろう。その足でライトは家へ歩いた。歩いてる道中、ライトの髪は白くなっていった。家の玄関を開けると、母親が目に入った。母親がライトを見た瞬間悲鳴を上げた。
「いやぁーー!」
母親は腰を抜かしていた。ライトは刀を持ちながら、血で汚れていたからだった。駆けつけた父親がライトを見て驚いた。
「お前…何やったんだ」
すると、ライトは刀を構えた。父親はライトが戦闘体制だと気づき、ナイフを取り出した。
「いらんもんを目覚めてしまって!」
父親はライトに攻撃を仕掛けたが、ライトは綿のように宙を舞ってかわした。そのまま父親の背中を切った。
「ぐぅ!親を切るとは…何事だ!」
父親はナイフで急接近してきたが、遅く見えた。
「…ふん」
ライトは鼻で笑うと、父親の攻撃を避け胸を切り裂いた。
「あ…が…」
父親はその場で倒れた。ゆっくりとライトは顔を上げ母親を見つめた。
「あ…あああ…」
ライトはゆっくり母親の所へ行き、刀を突き立てた。
「い…いやぁ…」
ライトは母親に刀で斬ろうとした所、三日月龍の鳴き声が聞こえた。
「…!」
空を見上げると、三日月龍の群れが夜空を飛んでいた。ライトの目つきは元に戻っていった。
母親はその場で気を失った。ライトは刀をしまった。すると、姉が帰ってきた。
「ふーん。ルーマス一族は、子が親を殺すって言われてるけど、本当だったんだ」
父親の亡骸を踏みながらライトへ近づいた。
「これで、あんたも私も自由よ!」
姉は高々と笑った。
「ライト先生!大丈夫ですか!」
ライトはバッと起きた。
「はっ!」
横を見ると、授業を待っていた生徒たちがいた。
「大丈夫ですか?チャイムが鳴っても先生が来なかったので、様子を見にきたら机に突っ伏していたので…」
「あ…あぁ。大丈夫」
ライトは動揺しながらも教科書を取った。
「ごめんごめん。寝不足でね…」
「でも、顔色悪いですよ?」
「今日は一限だけしかないから、この後休むよ」
ライトは生徒たちと一緒に教室へ向かった。なんとか授業も終わり、ライトは教授室でへたり込んだ。
「あぁ。今日はダメな日だな」
自分の手を見た。すると、携帯がなった。
「あ…はぁ…」
ライトは電話に出た。
「はい…」
“ライトさん金田だ。今度の報告会なんだが…”
ライトは金田からの電話にどこか安堵した。
「あ…あぁ…いつにしようかな…」
電話越しでもライトの異変に金田は気づいた。
“ライトさん。何かあったんだろ?話聞こうか?”
その言葉に我慢できなかった。
「今日…うちに泊まってくれないか?」
金田は自分の勘が当たっていることにため息を吐いた。
“わかった。今から行こうか?もう授業する気ないだろ?”
「うん。今日はもう授業はない」
“わかった。入り口で会おう”
電話が切れた。ライトは急いで大学の入り口へ向かった。
作者「年越しうどん食べながら投稿してる」
ライト「年末にあげる内容じゃないだろ…」
作者「しょうがない。タイミング悪かった」
ライト「まぁ、来年もよろしく!」
作者「来年もよろしくお願いします。ライトさん」




