表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/64

誘い

「姉さん。クロ離乳食食べれるようになったんだ。ちゃんと食べさせてあげなよ」

大学の校門前でライトは姉にキツく言っていた。

「チャントメンドウミテル。アナタガクチダサナイデ」

すると、横にいた夫が口を出した。

「俺たちは今から海外で仕事をすることになった。向こう一年は帰ってこない」

ライトは驚いた。

「え!?クロは?」

「クロはちゃんと育てる。安心して欲しい。今まですまなかったな」

それだけ言うと、クロを連れて帰ってしまった。

「クロ…」

別れ際、クロは寂しそうだった。

教授室に戻り、期末テストの準備をした。

「多分…赤点にはならんと思うが…」

すると、チャイムが鳴った。テスト用紙を持ち、教室に入った。

「おはよう。期末テストだ。頑張ってな」

ライトはテスト用紙を配った。全員にテスト用紙が行き渡った。すると、チャイムが鳴った。

「はじめ」

生徒たちはテストに取り掛かった。ライトは教壇の椅子に座り、生徒たちを監督した。だが、途中で暇になった。

 …暇じゃ〜

心の中で思っていたが、声に出すと生徒たちが怒る。退屈で仕方がなかった。が、残り十分で堪忍袋の尾が切れた。ライトは静かに立ち上がり、何故かパントマイムをし出した。

 暇だし…声出さないし…退屈から解消…

最初は誰にも気づかれなかったが、数名の生徒がライトのパントマイムの動きに笑いを堪えた。そしてチャイムが鳴ると、生徒たちは吹き出した。

「ライト先生!テストの邪魔しないで!」

「えぇ〜。暇だったもん〜」

「俺たちを赤点にさせたいんですか!?」

生徒たちに詰められた。

「ごめんごめん」

ライトは謝り、テストを回収した。

「てことで、私の科目のテストは終わり。他の科目のテストがある人は頑張ってねー」

ライトは教授室に戻り、採点をした。

「うん…赤点いなさそうだな」

最後の一人まで採点し確認した。

「うん。大丈夫。よかったー」

ライトは安心した。テスト用紙を片付け、研究室に向かった。

「みんなお疲れ」

ライトの挨拶に皆が顔を向けた。

「お疲れ様です。ライト先生のテストは終わったのですか?」

桶谷が話しかけた。

「あぁ。赤点いなかったから、採点が楽だったよ」

ライトは椅子に座った。

「ライト先生のテストは優しいから、赤点取ってる人見たことないですよ」

桶谷は懐かしそうに言った。

「そうか?まぁ、あんまり見かけんな。でもさ、作るこっちも面倒じゃん?」

「それ言われたら…ちょっとね〜」

「だって、めんどくさいし。ある程度勉強しておれば点数取れれたら楽じゃん?授業しても難しいテスト出す先生の方が私はわからん!」

ライトはヘラヘラしていた。

「あはは…」

桶谷は笑っていた。

「そういえば鈴鹿くんは?」

ライトは辺りを見た。

「今日は休みです」

「そうか」

「そういえばライト先生。今度論文を出そうと思ってるんですが」

桶谷は論文をライトに見せた。

「あぁ。前から研究してたやつね」

「ロイと頑張って作ったんです。ロイと同じ骨格の龍が少ないから、病気や怪我したときに治療がしやすいようになればいいかなと」

見ると、事細かに書かれていた。また、骨格もリアルだった。

「いいんじゃないか?私は応援するぞ」

「ありがとうございます」

ライトは立ち上がった。

「今日が早く帰るよ」

「はい。お疲れ様です」

桶谷はライトを見送った。ライトは廊下を歩き、人目がつかない所で指を鳴らし消えた。


「ただいま」

部屋に戻ると、ウルフがいた。

「おかえりなさい。今日早いですね」

「あぁ。今日は期末テストだったから早いんだ。採点も終わってるし、もう帰ってきたわ」

スーツの上着を脱ぎ、ローブを羽織った。

「城の事は大丈夫かね?」

「はい。今日も兵士が入りましたが、みんな和気藹々と活動しています」

「それはよかった。君の方は?」

ライトは椅子に座った。

「今日午前だけトレーニングをしました。まだ、鞭の扱いはアレですが…」

「まぁ、慣れもあるからな。そうそう。クロのことなんだが、しばらく来ないと思う」

ウルフは驚いた。

「え!?なんで!?」

「姉さんたち海外に行くそうだ。一年は帰ってこないと」

ライトはどこか寂しそうな顔をした。

「そんな…」

「まぁ、こればっかりは仕方がない。向こうが親なんだから。だが、一応カラス達にお願いはした。見守ってくれと」

「そう…あーあ。もっと遊んでおけばよかった」

ウルフは項垂れた。

「まぁ、また会えるさ」

ライトは立ち上がった。

「そうそう。君に新しい服を用意したいんだが…」

ウルフはドキッとした。

「え!?いいの!?」

「だって私好みの着させてるから、私が用意するのが筋じゃ?」

ライトは首を傾げた。

「言いたいことは…わかるんですが。その…ライトさん」

「ん?」

ウルフの顔が赤くなった。

「こんな事言うとアレだけど…こんな服を女に着せて興奮しないんですか?」

一瞬静寂が走った。

「あ…あぁ…あ…あ゛っ!」

ライトの顔が赤くなった。と同時に、顔を手で隠した。

「私とした事が…龍が好きすぎるあまり…人間の女性に対してのアレが…」

ウルフは呆然とした。

言わない方が良かったと…

「あーもう。恥ずかしい…」

ライトのメガネがライト自身の熱で曇った。

「あ…私…出た方がいいですか?」

ウルフは部屋を出ようとした。

「いや。大丈夫」

ライトは顔を上げたが、メガネは曇ってるし顔は赤いしで忙しい。

「とりあえず、服作るよ。なんだったら複数」

ライトはノートとペンを手にした。

「あ…ライトさん大丈夫?」

ウルフはライトに近づくと、うっすらとだが頭から湯気が出ていた。

「大丈夫だよ。たださ、描きたくても見えなくてさ…」

ライトはメガネを何度も拭きながらデザインを描いた。

「ライトさんは…メガネないとダメなんですか?」

ウルフはライトに質問した。

「うん。色々やって目を悪くした。丸メガネだと人気な人たちみんなかけてるじゃん?で、それにしてる」

ライトはあっという間に複数のデザインを描いた。それも色付き。

「ウルフ。どうだ」

ウルフはデザインを見た。

「ライトさん本当に…絵が上手いし…何故か私のドストライクなんですよね…」

「まじ!?やったー!」

ライトは喜び、そのまま服を魔法で出した。

「はい!」

ウルフにそのまま渡した。

「もう…ライトさんは。ありがとうございます」

ウルフは受け取った。

「ライトさんだったら…良かったな…」

ウルフはそう呟いた。ライトのメガネがピキッとヒビが入った。

「え…どう言う事?」

ウルフはあざと可愛く言った。

「え?生きていたときに、ライトさんと出会ってたら付き合ってたかもって」

その言葉にライトのメガネが割れた。

「え…私と?」

ライトは驚いた。

「そう。だってライトさんかっこいいし、服くれるし。それに優しいじゃん?思うけど、なんでモテないんだろう思ってたけど…」

ライトは倒れそうになった。いや。倒れた。

「ライトさん!?」

ウルフは駆け寄った。

「あぁ。緊張しすぎてな…予備のメガネ…」

ライトは机にもたれながら、引き出しからメガネを取り出しかけた。

「初めてさ。女性からそんなこと言われたらさ。もう、頭が回らないじゃないか」

ライトは椅子に座り。深く深呼吸をした。

「生まれて三十年。初めてだよ…」

ライトは呆然としていた。ウルフはライトの手を取った。

「ライトさん。じゃぁ、私といいことします?」

ライトはまた顔が赤くなった。

「えぇ…」

「服のお礼ですよ。ライトさんには今まで感謝しても感謝しきれないですし。それに、ライトさんは私のタイプなので」

ウルフはライトの顔に近づいた。

「でも、ウルフは嫌な事あっただろ?」

ライトは心配した。

「ライトさんとなら大丈夫です。でも、私は女性じゃないじゃないから…」

ウルフはどこか切ない顔をしたが、ライトはウルフの頭を優しく抱きキスした。

「君は立派な女性だよ。何を言う。私には勿体無いよ。本当に後悔しないかい?」

ライトは真剣にウルフを見つめた。ウルフは笑顔で微笑んだ。

「うん!」

ウルフはライトの手を取りながら、ベットに二人は横になった。ライトはローブを外し、ウルフにキスをした。

「嫌だったら遠慮しなくていいからね」

ライトはウルフの頭を優しく撫でた。

「うん。ライトさん緊張しすぎよ」

ウルフは笑った。二人はそのまま楽しい時間を過ごした。

数時間後。

「ウルフ。ありがとうな」

ウルフの頭を撫でた。

「ううん。ライトさん。すごく優しくて惚れそうだったわ」

「そりゃ、嫌な思いはしたくないじゃん?こういうのは、お互いが満足していい思いじゃん?」

ウルフは微笑んだ。

「ライトさんらしいわ。ありがとうね」

「いや。こちらこそありがとう」

ライトも笑顔になった。ライトは窓をみた。

「あぁ。もう夜か。ウルフ。いつもの観測に行ってくるよ」

ライトは着替えた。

「うん。気をつけてね」

ウルフは起き上がった。

「ゆっくりしていっていいからね」

ライトはそう言い指を鳴らし消えた。

「あぁ…誘って良かった」

ウルフは満足し、着替えてライトの部屋を出た。


「さて、今夜はどうかな」

ライトはいつもの観測場所に来た。しばらくすると、三日月龍の群れが見えて来た。

「おぉ。今夜もいいな…ん?」

ライトは三日月龍の行動に少し違和感を覚えた。よく見ると、一匹の三日月龍が他の三日月龍にアタックをしていた。

「あれはなんだろうか…」

ライトはノートに記録をした。三日月龍の群れはそのまま飛んでいった。

「さて、帰るかな」

指を鳴らそうとしたが、何かの気配を感じ取った。

「…」

ライトは魔法で銃を出し握った。後ろを振り向いたと同時に発砲した。弾丸はまっすぐ行かず、カーブを描いていた。

「ぎゃ!」

声がした。ライトは草木を分け声のする方の所へ歩いた。すると、一人の男が足から血を流して動けないでいた。

「君は…誰だ?私に何の用かね?」

ライトは男の頭に銃を突きつけた。

「はぁぁ!」

男は怯えた。

「怖がらなくていいよ。ただ、君のせいでいい気分が台無しだ。その責任はとって欲しいな」

ライトのメガネが月光に反射した。

「撃てばいい!何も言わ…」

ライトは弾丸を放った。男は倒れた。

「やれやれ」

ライトは男の持ち物を確認した。

「またか…谷川」

谷川の印が入った持ち物を見つけた。

「まぁ…いっか」

ライトは死体を処理した。

「さて、帰るか」

ライトは指を鳴らすと、その場から消えた。


ライト「作者。テストの所…なんで私パントマイムしたんだ?」

作者「高校の時に、テストの監督の先生がテスト終了の十分前に、先生の武勇伝を黒板に描きつつ語って妨害してたので、面白半分で…笑」

ライト「でも、パントマイムじゃないじゃん!」

作者「小さいことは気にしなーい」

ライト「でも、そんな事したらみんな怒っただろ?」

作者「はい。チャイムが鳴ったと同時に笑いと怒号でしたね笑」

ライト「でしょうね…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ