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不足

魔法高校。帰りのチャイムが鳴った。

「先生。さようなら」

「はい。みんな気をつけてね」

そんな声が職員室から聞こえた。

「谷川先生。今日も一日終わりましたね」

「そうですね」

谷川は先生方と話をしていた。谷川は魔法高校の教頭先生をしていた。

「それにしても、谷川先生大変ですよね。日頃は高校で、月一で大学の特別講師ですよね?」

「まぁ、慣れましたよ。ですが、校長になったら流石に大学の特別講師は降りさせてもらいますけど。校長職は大変そうだし」

「そうですよね。次期校長って言われていますもんね」

そんな他愛もない会話をしていた。

「さ、仕事が終わった先生方は帰りなさい。帰れる時に帰りましょう」

「そうですね」

話はそれで終わり、谷川は自分の席についた。生徒達の名簿を確認し、今日欠席した生徒の記録をしていた。

「あぁ、一年生のライダーが休みか。まぁ、そりゃそうだよな。せっかくここに入学できたのに、もう不登校か。やっぱライダーはいじめられて当然か」

谷川は悪態をついた。それから書類を整理し、明日お休みの先生の授業の準備をした。

「数学か。まぁいいか」

教科書を見ながら予習をした。気がつくと、もう夜になっていた。

「あぁ。もうこんな時間。帰るか」

帰り支度をし、職員室を出た。玄関を出て車に乗り、発進させた。しばらく走ると、大きな屋敷が目に入った。

「もうすぐだ」

車は屋敷の駐車場に停めた。ここが、谷川の家。玄関の鍵を開け、中に入った。

「ただいま」

誰もいない屋敷に一人で住んでいた。明かりをつけ、鞄を置いた。

「レイ。どこだ」

反応がない。仕方なく中庭に繋がる窓を開けた。そこには、狩で取ってきたであろう大熊をレイが食べていた。

「レイ。今帰った」

その声にレイは唸った。

「あぁ」

「特に何もなかったな?」

「あぁ。何もない」

「そうか」

谷川は窓を閉めた。レイと出会って一ヶ月。会話もなく、この有様。谷川はレイの扱いに悩んでいた。

「はぁ…まぁ、元々ライダー志望でもなかったからこんなもんか」

谷川はシャワーを浴び、明日の準備をした。ふと、机に置いてあった手紙を見た。

「あぁ。レイを召喚させる時の」

そこには、多額の金額が書かれていた。

「一ヶ月で何もなし…金額に見合ってないな。何か…」

ふと思った。鞍などの身の回りの道具を用意していないことに。

「あぁ…私は準備不足か。なら、今作るか」

中庭の窓を開け、レイに近づいた。レイはお水を飲んでいた。

「レイ。君に鞍を作りたいんだが」

レイは首をあげた。

「他にも欲しいものはあるかね?」

レイは谷川を睨んだ。

「龍が嫌いなのもわかる。だが、お前は俺を選んだ。最低限の準備は自分で調べてしろ。それでも教師か?」

レイはそう言うと、丸くなった。谷川は諦めて部屋に戻った。

「まぁ、自力で調べて用意するか。とりあえず鞍…」

本棚に龍の本が一冊だけあった。その本を開くと、基礎的なライダーの知識本だった。

「うん…」

谷川はデザインを描いていった。本に書いてある鞍に必要な装備を書いていった。

「まぁ、これでいっか」

窓を見ると、朝日が照らした。

「あぁ。もう朝か」

デザインを机に置き、昨日準備したものを持ち部屋を出た。キッチンに置いてあったパンを取り、中庭を見た。レイはまだ眠っていた。深いため息を吐きながら、家を出た。

車の音が遠くなると、レイは目を覚ました。伸びをし、大きなあくびをした。谷川の部屋を窓越しに見た。

「…言われてから動くのか。まぁ、いいか。でも…」

レイは思い出していた。

「前に出た時より、いい世界になったな。あの時は怒りで都市を破壊しちゃったからな」

レイは大きな翼を広げて、飛んだ。朝の冷たい風が心地いい。山々を飛び、一つの大きな湖についた。レイは湖に飛び込んだ。

「ふぅ…」

水浴びを楽しんだ。

「水はやはり気持ちいい」

存分に水浴びをし、また谷川の家に帰った。そして、中庭で丸くなった。気がつくと、辺りが暗くなっており、車の音が近づいた。

「あぁ。帰ってきたのか」

レイは窓をみた。谷川が家に入ってきた。谷川はしばらくしてから、レイのところに来た。

「レイ。鞍をデザインを作ったから見て欲しい」

そう言うと、昨日書いたデザインに呪文を書き地面に置いた。谷川は何かを唱えると、大きな鞍が地面から出てきた。

「装着してみてもいいか?」

「あぁ。好きにしろ」

谷川は苦戦しながらもレイに鞍を装着した。

「どうだ?」

レイは翼を広げた。

「素人にしてはまずまずだ」

レイは翼をおろした。

「乗れ。お前の乗り心地も見たいんだろ?」

谷川はレイに乗った。

「…レイは大きいな」

「捕まってろ」

そう言うと、レイは上空に向かってジャンプした。

「ぐぉっ!」

谷川はレイにしがみついた。レイはそのまま翼を広げ、上空を飛行した。

「どうだ?」

谷川は堪能していた。

「鞍は改良する必要があるな。だが、気持ちがいい」

レイは少しだけ飛び、そのまま谷川の家に着地した。谷川はレイの鞍を外した。

「レイ。また明日な」

「…」

谷川は家に入って行った。レイは無言のまま丸くなった。


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