そなえあれば嬉しい
トロル三体の討伐報酬とそれまでのわずかな貯金を使って、手ごろな値段のショートソードを買った。というか、今後もあのボロナイフで戦ってると普通に死ねる。逆によく今まであれでやってこれたと自分を褒めたい気分だ。何の縛りプレイなんだまったく。戦闘が終わった時、意外にほとんど無傷だったのが奇跡だね。思ったよりも元気だった。
そして今日は任務以外に予定があり、北ギルドに来ていた。
「お、見つけた」
ギルド内を軽く見回し、目的の人物を見つける。
「よっ、カンロ、ステ。ちょっといいか?」
ギルドに併設された酒場の机に座っていた二人の少女を見つけると声をかける。二人とは初任務以降もちょくちょく交流があり、なんやかんやこのギルドで一番仲がいい……………と思っている。少なくとも俺は。
「お、腰タオルじゃねぇか。どうしたよ?」
「トロルにボコられたと聞いたぞ。慰めてほしいのか?」
初めに色々教えてくれて、ボロナイフをくれた口の悪い少女が俺と同じ星無し冒険者のステ。初対面で氷を飛ばしてきたのが一つ星冒険者のカンロだ。
「ボコられてはねぇよ。勝ったし」
間違いを軽く修正しておいて、さっさと本題に入ることにする。俺は別にボコられたわけじゃない。
「なあカンロ。俺に回復魔法を教えてくれないか?」
そう、これが今回の本題。回復手段の確保だ。先の戦いで身をもって知れたのだが、やはり回復手段は大切だ。今まで弱いモンスターだけを相手にしていたため実感しにくかったが、冒険者というのはまごうことなく命を懸ける仕事。回復手段があれば継続戦闘能力は上がるし、失うかもしれない命を守ることにもつながる。
学園時代に魔法学の教科書でちらっと読んだ記憶によると、たしか中級以上の水魔法に回復魔法があった。カンロなら使えると思って教えてもらおうと思ったのだが。
「えぇ、やだよ」
「や、やだか………」
凄く雑に断られた。
「……ちなみに、なんで嫌なの?」
そう問うと、カンロは机の上のドリンクを一口飲むと説明を始めた。
「まず、回復魔法って言うと一番簡単なもので中級水魔法の「ヒール」になるんだけど、中級の魔法はサクッと簡単に覚えられるものじゃない。しっかり教えるなら数日にわたって教える必要があるし、当然それなりの拘束時間があるわけだ。これはとても面倒くさい。」
「お、おう」
そしてまた一口ドリンクを飲み口を湿らせたカンロが続ける。
「それほどまでの面倒を被って私は何を得る?申し訳ないけど他をあたってくれたまえ」
「べ、ベーグルくらいなら奢るぞ……?」
「君は、いいとこの学園で中級魔法を覚えるまで勉強するのにいくらするのか知っているかい?」
「あ、はい……」
にべもなく断られ、少ししょんぼりしながらカンロたちの机に座る。
「そういうことならわかったよ……………あ、すみませーん木の実ジュース一つくださいーい」
「ん、珍しいじゃねぇか腰タオル。今日は任務受けないのか?」
「いつも馬車馬のように働いているのに」
「ああ、まぁな。トロル戦で少しヒヤッとしちまって。今日は休養でもしようかと」
「へぇ、じゃあしばらく休むのかい?」
「いや、今日このあとポーションの材料を買いに行って回復ポーションを作るから、明日からまた復帰かな」
ステと何気なくそんなやり取りをしていると、カンロが急に身を乗り出してきた。
「ポーション?君、ポーション作れるのか?」
「え?た、多分………?」
一応魔法錬金サークルでは天才の先輩の役に立つためそれなりに頑張っていたし、在籍期間こそ短かったものの低級の回復ポーションくらいなら作れると思うが………。
「………ふむ」
するとカンロは少し考えるようなそぶりをした後。
「よしわかった。とりあえず、私達は今日は君についていくことにするよ」
「え?」
「は?」
急にそんなことを口走るのだった。
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