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モノロギア~変態は、スキルであって俺じゃない~  作者: こひる


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テロメア

 目が覚める。目を開けると眩しい日差しが目に突き刺さり、思わず目を閉じる。

 体の節々が痛い。というか、背中が硬い。どこで寝たんだっけか、俺は。薄目を開けて目を光に慣れさせたあと、ゆっくりと体を起こし、まわりを見回して──



 「……………え?」



 視界に入ってきたあたり一面の瓦礫と廃墟、鼻を突き刺す刺激臭に、一瞬思考が止まる。


 「そう………だ」


 そこでやっと眠る前…………意識を失う前の状況を思い出す。


 「あ……………」


 あれからどうなった?父や他の人はどうなった?


 立ち上がり、改めて周囲をよく観察する。見渡す限りの瓦礫と廃墟、死体の山。この光景からしても、王都は滅ぼされてしまったのだろうか。そんなことを冷静に考える……………いや、なぜこんな冷静に思考できているんだ?混乱が脳の許容量を振り切れて逆に冷静になったか?


 いや、それよりも生存者………いや、というかなぜ俺は生きている?

 そこまで考え、意識を失う前、頭に響いた声を思い出す。あれは………そうだ、鑑定スキルを使った時と同じような、アナウンス。内容、内容は、そう………。


 「変態……………?」


 スキル、「変態」。俺がこの世界に来るときに女神にもらった?スキルであり、この世界に来てすぐに、使い道が分からないということで思考のすみに追いやっていたもの。

 形態を変化とか言っていたな、ということはあれか?「変態」ってのは蔑称の方じゃなく昆虫とかのあれか?


 いや、わかりにくすぎるだろ。なんだそれ………というか、俺は何に変化した?セフィ何とかといっていたが…………。というか、スキル発動の条件はなんだ?死にかけること?いや、それ以前に発動条件は満たされていたよな。直前にあったことと言えば……………恐怖を感じる、叫ぶ、血を浴び………いや、血を口に含む……?


 うむ、わからんな。わからんから……………試してみよう。



 滅びた王都を歩く。死体が多く放置されているが、もうあまりショックは受けない。慣れたのか?人間の順応性すごいな。というか、俺はどれだけ意識を失っていたんだ?生存者は避難できたりしているのだろうか。そんなことを考えながら歩いていると、死体の一つに群がる鳥の群れを発見する。


 「おっ、見つけた」


 なるべく気配を消してその鳥の群れに近付き、後ろから素早く襲い掛かる。慌てて飛び立ち逃げる鳥の群れの一匹を捕まえ、その場で絞め殺した。


 「ふう、鳥好きが見れば卒倒するだろうな」


 そんなことを考えながら、鳥の羽を引きちぎり、血をほんの少し口に含み飲み込んでみる。

 仮説其の一、生物の血を飲むことで何かの条件を満たすことができる!この血は正直そこらの死体から取っても良かったのだが、何となく新鮮な方が衛生的に良いかなと思った……………いや、冷静に考えたらそこらの鳥の血のもうが衛生的によくないのか………?くそぅこの手の知識はないんだ。


 『変態の発動条件を満たしました形態を「鳥」に変化しますか?』


 「!」


 どうやら最初にあたりを引いたらしい。今日の俺は冴えてるな。しかし…………なんだ、鳥って、もっと何かあるだろう。こう、種類的なさ。まさか鳥って種類の鳥な訳もないだろうに。


 とりあえず、「イエス」っと。


 『形態変化を開始します』


 そのアナウンスを最後に、俺の意識は闇に沈んだ。

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