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その後の2人~優雅(?)な朝食と卵焼き~



「ミモザくーん、卵これくらい食べられる?」

「は、はーい!」


 朝、窓から注がれるキラキラとした日差しを受けて同じくキラキラと輝いている妖精さん・・・・・・コルネさんが、またまた同じくキラキ(略) 素晴らしい笑顔で朝食の卵焼きを作ってくれている。めちゃかわいい。

 いや俺ちょっとまって。ここに来てからかわいいしかゆっとらんことない?俺どうしたアホになった??


「育ち盛りの男の子だもんねっ、これくらい食べるかな」


 パカッパカッパカッ


 俺の返事が聞こえていなかったのか、俺が今までいた世界のものよりも2.5倍くらい大きい何かの卵をボウルに追加した。

 え~と、見間違いじゃなければ確かすでに5,6個入ってたような・・・・・・




 ま、いっか!





 かわいいから!!!




 またかわいいって言っちゃった。


 でもまぁ、語彙力亡くなるほどかわいいいいいいいいいいんだもん いいよね!!!?




 聞こえてなかったと判断し、俺はさらに卵を割り入れようとしているコルネさんの背後に近づき、作業の邪魔にならないように耳元で囁いた。


「俺、もう十分です」


 コルネさんの動きが止まり、様子を窺うとコルネさんと目が合った。ちらっという効果音がつきそうで、彼自身はそろりというふうにこちらを窺った。眉は垂れていて、自身がなさそうにこちらを窺うパチリとした瞳。

 次の瞬間コルネさんの目はぐるんと上を向き、身体からは力が抜けふらりと後ろへ倒れた。

俺は、コルネさんを支えながら、間近で見た可愛いに立ったまま気絶していた。


 朝からなんともシュールである。


 その後先に気がついたコルネさんが近くにある俺の顔を見て再び気絶、俺はコルネさんの寝顔(気絶顔)を見てその可愛さに再び気絶をし、卵が衛生面で危なくなる一歩手前に2人は復活した。

よかった卵がダメにならなくて。鳥さんに申し訳ないからね。


「ごめんね。時間掛かっちゃって。 どうぞ召し上がれ」

「ありがとうございます! うわぁ・・・すごくおいしそう・・・・・・」


 机にはほかほか幸せな湯気をたてている大きくふっくらした卵焼き。



 のみ。




「ごめんね・・・。 ワタシ、卵焼きしか作れないんだ・・・・・・」


 撃沈。 世界には卵焼きしか料理は存在しません。 かわいい。 卵焼き幸せ。



「いただきます」


 俺は無顔かつ全力で妖精さん特性の卵焼きを頬張った。

 ほわっとした食感で、じゅわっと汁が出てきて舌でとろんとなってしゅわわっと溶けていく・・・


 これが卵焼きの本物だ。これが卵焼きのイデアに違いない。

 俺は今、きっとイデア界にいるのだ。



 勢い余って5分の3くらい食べてしまった。

 コルネさんが全然食べていないのを見てはっとする。


「あの・・・・・・、もう食べないんですか・・・?」

「こ、コルネさん食べてください。 ごめんなさい!こんなに食べてしまって!!」


「え・・・、いえ。これ、ミモザくんのためだけに作ったので、食べて、ほしい・・・です」


 はーーーーーーーーーーーーーい♡♡♡



脳内が完全にお花畑で「妖精さん」と「かわいい」で埋め尽くされた俺は、成長期の胃を活かして全て美味しくいただきました。





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